友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

名演の総会

2015年03月28日 18時55分22秒 | Weblog

 5分咲きの桜の樹からパラパラと花が落ちてくる。スズメが2羽忙しく動き回り、桜の花の蜜を吸っている。くちばしで花の茎を食いちぎっているのか、花弁ではなく花そのものが落ちてくる。まだこれから美しくなる時なのに桜が可哀相だ。どうしても人は、自分の側から物事を見てしまうが、スズメたちにとっては貴重な蜜だろう。

 今日は名演の総会で、グループの代表が演劇出演のために出られないので代わりに出席した。総会の会場は大須観音のすぐ東のビル。地下鉄を出て大須観音の境内を通り抜けてビルへ向かった。大須観音が新しくなって私は初めて訪れた。話には聞いていたが若い人たちでごった返していた。境内にはいろんな屋台もあったが、周りの商店街も若者向きの商品を並べていて、行列が出来ている店もあった。

 総会はどこも同じで、議長団が選ばれ、昨年度の活動報告・決算報告が行なわれ、続いて本年度の活動方針・予算案が提案され、一括質疑のあと拍手によって承認され、最後に新役員が提案され、これも拍手で承認し閉会となった。何度も話題になったのは、「会員が増えていない。明るい状況ではない」と言う危機感だった。「会員が増えれば、劇団を選ぶ条件もよくなり、健全な演劇文化を育てることができる」と真面目に誠実に願っている人が多いことは確かだった。

 その点で私は異端者で、「健全な演劇って何?」と思ってしまうし、「日本演劇の民主的発展って何?」と考えてしまう。名演の規約を見れば、「よい演劇をより多く、定期的に継続して鑑賞する」としかないが、ここでも「よい演劇」と分からない言い方をしていて、勝手な解釈が出来る。そもそも名演などの演劇鑑賞組織が生まれたのは極めて政治的な意図だったから、その名残がいまだに続いていることの方が奇跡ともいえるが、もう限界に来ている。

 私は集団的自衛権には反対で、名演と同じ立場だが、だから会員を増やすという発想にはならない。数は大切だが目的は数ではない。発言することは大切だがどういう提案をするかであるし、ひとり一人の個人が悩み考えて結論を出すことが最も重要と思っている。説得して同意させるのは私の好みではない。何となくみんなでまとまろうというのも好きではない。「組織」が嫌いなのだ。

コメント
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