友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

自販機のビールが取り出せない!

2009年09月22日 21時44分43秒 | Weblog
 河口湖ステラシアターで、秋川雅史さんのコンサートが午後5時から始まった時、まだ空は薄明るかった。ステージの一番上、屋根との間には隙間があり、そこから富士山がくっきりと見えた。コンサートが進むと共に、富士山の周りは次第に暗くなり、わずかに稜線だけが見えるようになった。頂上のすぐ左下つまり東側にいくつかの明かりが見えた。山小屋の明かりだ。

 この日の秋川さんは「いつもとちょっと違っていた」と姉は言う。姉は「おしゃべりは余りうまくない」と言うが、なかなかどうしてよくしゃべったし、その話の中身も面白かった。2時間のステージだ。おしゃべりでもしなければ間が持たない。おしゃべりとその次に歌う歌とが実によく考えられていたし、一度もとちるようなこともなくユーモアもあった。

 秋川さんは気持ちがのっていたのか、アンコールで2曲も歌った。すると天井の屋根が開き、ステージの後の部分の壁が開き、真っ暗な世界にわずかによりいっそう黒い堂々たる富士山の姿が見えた。見えたと思う間も無く、花火が上がった。最後にちょっと憎い演出である。これは随分効果があったようで、私の後にいた年配の男性たちも「よかったな。来た甲斐があった」と話していた。

 さて、宿で食事が出来ないとなるとどこへ行くべきか。宿の番頭らしき人に尋ねたところ、教えてくれたのは宿からは歩くには遠すぎた。歩くことが難しい姉には気の毒だ。すると会場でもらったチラシを見ていたカミさんが「コンサートの帰りにどうぞというお店があるわよ。1800円が1500円で食べられるわよ」と言う。さすがに目の付け所が違う。

 行ってみるとなかなか大きな店だった。コンサートに感激している姉とカミさんにはグラスワインをつけてもらう。私は宿でお酒を頼むつもりでいた。食事をして宿に帰ると、フロントに人がいない。温泉に入り、仕方がないから自販機でビールを買うことにする。早く上がった私が部屋で待っていると、姉が「ビールが出てこない」と言う。行って見ると、自販機の前でカミさんが悪戦苦闘している。

 「ビールを3本買ったのに取り出せない」とカミさん。自販機は1本ずつ出さないと詰まってしまうことを知らないのだ。「フロントに電話をしたら、係りの者は明日の朝しか来ないので、そのままにしておいてくれと言うのよ」。なに!それではビールが飲めないじゃないか。引っ張り出そうとするから取り出せない。それなら押し上げてやれば、1本ずつ取れるのではと思った。その通りだった。

 やれやれ、何とかビールは取り出せた。けれど、食事をした後のお腹がいっぱいでは美味しくない。お酒がよかったのになぁーと悔しがりながら、いつしか眠りの世界に入っていた。9月19日の河口湖の宿は、ちょっぴり物足りない思いだった。
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