◉ 吉野桜 ( よしのざくら )
見返れば寒し日暮れの山桜 ・・・・・ 来山 [平包]
うかれける人や初瀬の山桜 ・・・・・ 芭蕉 [続山井]
山桜花の白さに散りやすき ・・・・・ 高浜虚子 [虚子句集]
枕元まで散りこんで山櫻 ・・・・・ 黒田杏子 [一木一草]
古来より、
詩歌に多く取り上げられています。
一重の白い花と共に開く
赤みの強い新葉の佇まいは、
清々しい気品に満ちています。
俳句で山桜と言えば、
特定の品種を指すのではなく、
訪れた山中に咲く桜が山桜として
詠まれていることが多いようです。
奈良の吉野山・京都の嵐山など、
山桜の名所として知られています。
桜は農耕文化と深く結びついており、
信仰の対象として大切にされてきました。
国花とされる桜は山桜をさします。
[ バラ科サクラ属サクラ亜属の落葉高木 ]
齢深まり山桜好きになり ・・・・・ みなみ
吉野の桜を見て
山桜のすばらしさを実感しました。
今では桜と言えば山桜です。
ヤマザクラ (山桜)
日本では、
本州の宮城・秋田以南~九州の
温暖な気候をこのみ、低山や丘陵に自生します。
西日本では最も一般的な野生の桜です。
樹高は、15~25m。
樹皮は光沢のある暗褐色で横に薄く剥げます。
葉は、長楕円形で先が急に細くとがります。
赤褐色~黄緑色まで変異があり、
裏面は白みがかって、互生します。
花期は、4月上・中旬頃。
若葉と共に花が咲きます。
1花序に2~3個の径2.5~3cm
白色または淡紅色の5弁花を
散房状に付けます。
八重咲きもあります。
果実は、球形で5~6月に赤から黒く熟します。
現在でも庭園などに広く植えられ、
材は、建築・家具・楽器材・版木・樹皮の細工物など
に使用します。
別名 : シロヤマザクラ