しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

落花 ( らっか ) <季> 晩春

2010-04-12 |  春の草木 の 俳句

◉ 散る桜(ちるさくら)・花吹雪( はなふぶき )・桜吹雪(さくらふぶき)・飛花( ひか)・花散る(はなちる)・花屑( はなくず)・花の塵(はなのちり)・花筏( はないかだ)

四方より花吹き入れて鳰の海 ・・・・・ 芭蕉 
人恋し灯ともしごろをさくらちる ・・・・・ 白雄 [白雄句集]
仁和寺や落花さかんと大書して ・・・・・ 黒田杏子 [一木一草]

桜の花の散ることです。
花時には季節風が吹くことが多く、
爛漫と咲く万朶の花が
一陣の風に惜しげもなく散って行くさまの
はかなさ・美しさ・潔さをよしとして、
賞美されました。
散る花のさまを表現した傍題の数も多く、
「花吹雪」は風に飛び散る花びらのさまを
吹雪にたとえ、
「花筏」は水面に連なって流れる花びらを
筏に見立てたものです。

輪を描きつゝ舞ひ上がる落花かな ・・・・・ みなみ

ひとしきりの風に舞いながら
惜しみなく散る花びらに、
つい立ち尽くしてしまいます。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜桜 ( よざくら ) <季> 晩春

2010-04-12 |  春の草木 の 俳句

◉ …

夜桜や美人天から下るとも ・・・・ 一茶
夜桜や大雪洞の空うつり ・・・・・ 正岡子規
夜桜の一枝長き水の上 ・・・・・ 高野素十


夜桜見物を略して夜桜と言います。
各地の公園や桜並木道などで、観光客のために、
篝火を焚いたり、電気照明により風情を添えています。
*  「季語」の扱いは、歳時記( 編者 )により異る場合があります
 「夜桜」はその一例と言えるでしょう。
 或る歳時記は
 「夜桜」を「生活」または「人事」の項目に入れて「夜の花見」のこととし、
 「夜の桜の花」のことを「夜の桜」と言う、と述べています。
 他の歳時記には、
 「夜の花見」と「夜の桜」とを分けずに「夜桜」として扱っているものもあります。
 またほかに、
 「植物」の項目に入れ桜の傍題として取り扱っている例も見られます。

夜桜のまだ人込みのすみにをり ・・・・・ みなみ

夜空に浮かび上がる染井吉野にも
格別の趣がありますが、
とくにライトアップされた枝垂桜は、
昼間と違った神秘的な美しい表情を見せています。
平安神宮の
空から枝垂れて溢れる八重紅枝垂桜に感動し、
また円山公園の
主のような威厳を見せている枝垂桜や
醍醐寺三宝院の枝垂桜なども、
それぞれに深い味わいをもっていると思いました。

2013/03/30 撮影…掛川城



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする