桜の時期、京都に住むミモロの元には、東京のお友達が次々にやってきました。
「いろんなお友達が来てくれて、嬉しい!」と、京都案内に張り切ります。
この日も、お友達が、親戚の方々との女だけの「女子旅」に。
「ミモロちゃんと夕食を一緒にしたいので、どこか知らない?」と。
「ウーみんなでお話できるテーブル席がいいよね。女子旅だから…そうだ、お肌がプリプリになるコラーゲンたっぷりの水炊きなんてどう?」「うん、いいかも…」そこでミモロは、以前から行ってみたいと思っていた西陣にある水炊きの専門店「鳥岩楼」を予約しました。
西陣の一角に位置するお店は、情緒ある佇まい。もともと祇園で創業した鳥料理の専門店で、昭和20年に、ここ西陣に移転。民家を改装し、京都らしい風情たっぷりのお店に。
お店に到着したミモロたち。「ワー京都らしい!」と、お店の構えを見たお友達。
(ここで感激していたら…中に入ったら大変かも…と、ひそかに思うミモロです)
お店の方の案内で、奥のお部屋へと入ります。
「こっちだってー」とミモロは、先頭に立って、お友達を案内。
(京都暮らしをしているんだから、ちょっと慣れた感じでいなくっちゃー)
途中には、燈籠が置かれた中庭が。ミモロの後ろからは、「キャー、京都らしい…ステキー」とのお友達の歓声が。
いつもなら、ミモロが声をあげるところですが、この日のミモロは違います。
庭を囲むように続く廊下を経て、一番奥のお部屋へ。ここには、2~25名で利用できるお座敷が8つあります。ミモロたちのお部屋は、4人にふさわしく、4畳半ほどのこじんまりとしたサイズで、床の間や柱、天井にも古い趣が漂い、落ち着いた雰囲気。庭の緑も中から眺めることができます
「ここだねー」
お部屋に着くなり、「ワー、ステキなお部屋。京都らしい!こういうの東京にはないわねー。4人には、広すぎず、狭すぎず、こういう大きさのお部屋っていいわねー。歴史を感じる…京都に来たって実感するわねー」と、嬉しそう。
席に着くと、まずは、御干菓子とお茶が。
小さなアラレのブブが入った梅昆布茶です。
「キャー可愛い!こういうのって、やっぱり京都よねー」とお友達。
(まぁね。こういうおもてなしって、京都では、よくあるよねーと、いかにも馴れた感じで、お茶を飲み干すミモロです)
やがてミモロたちの前には、季節の付き出しが。
鴨のロース、筍の煮物、菜の花の和え物などが並んでいます。
「キャ!筍と菜の花だって、春らしい…鴨のロースも美味しいわよー」と、お友達。
(うーミモロが思っていること、全部言われちゃったー。でもやっぱり春らしいね)
「京都では、今から筍が美味しくなるんだよ」と、ちょっと自慢そうにいうミモロです。
いよいよ鍋が運ばれ、水炊きの準備が始まります。
「アラ、このお鍋ステキ!シンプルだし、深さもいい感じ。こういうの東京にないわよねー。それにピカピカよ。磨くの大変そうー」と、主婦目線のお友達。確かに、金色にピカピカ輝く鍋は、まさに機能美という感じ。
さて、その鍋の中には、すでに井戸水を使い、新鮮な鳥のアラを 数時間かけて、じっくりと煮込んだ白濁したスープと、ぶつ切りの鶏肉が入っています。その中に、シイタケ、エノキ、水菜、三つ葉、白菜、豆腐、生麩、湯葉、餅などを入れていただきます。
コトコトと煮込んで、いよいよ食べごろに。
鳥スープのいい香りが、部屋中に立ち上り、ミモロの鼻をくすぐります。
「もう食べてもいいかな?」と、我慢できなくなったミモロです。
(あ、今日はお客様がいらっしゃるんだった…と、ふと我に帰ったミモロ)
「どうぞ、お先に…」と、まずはお友達に勧めます。「あら、ミモロちゃんからどうぞ…」と言われ、
「ウーでも…」と言いながら、しっかり箸を手に取っているミモロでした。
「ワー生姜の味がするー。体が温まるねぇ」とミモロ。
「ホント、いいお味ねぇ。美味しいスープ…山椒を入れると、いっそう味が締まって、美味しいわよ」と。
「鶏肉も味が濃いって感じね」「この生麩も京都らしいわねぇ」「あら、湯葉もあるわよ」
食べたり、しゃべったり…こういうのが、女子旅の楽しさ。
最後に、もちろん雑炊をいただき、すべてのスープを飲み干します。
「コラーゲンがたっぷりだから、きっと明日の朝は、プリプリ肌になってるかも…」とミモロ。
「そうねー。嬉しい。きっとミモロちゃんも毛並もツヤツヤになるかもよー」
そういわれて、思わず顔に手をやるミモロです。(このところ毎日お出かけで、ちょっとお手入れ不足で、パサパサになってるんだったーマズイ!でも、このスープで少しは良くなるかな?)と密かに期待します。
「あ、ここね。親子丼も有名なの…まだ食べれる?」とミモロが、お友達に尋ねると、
全員「まだ、入りまーす。親子丼は、別腹で…」と。
夜は、水炊き専門のお店ですが、昼のみ「名代親子丼」がいただけます。(夜の親子丼単独注文は不可)。そのため、昼時には、修学旅行生をはじめ、多くの観光客が、その味を楽しみに、訪れるそう。
さすが、ひとり1つは食べられそうもないので、1つのお丼をみんなで分けていただくことに。
お丼には、鶏肉がゴロゴロ。そしてそれをふんわりと卵が包み込んでいる親子丼です。
「ホントにいいお店ねぇー。京都らしさも満点よ。お料理も美味しかったし。ミモロちゃん、素敵なお店に連れて来てくれて、ありがとう…。さすが京都暮らしをしてることだけあるわねぇ。それに1年、京都にいるから、どことなく、しっとりとした感じになったわねぇ…」と、お友達に言われ、「いえ、そんなぁーホホホ」と言いながらも、うれしそうなミモロです。(あんまり変わってないと思うけど…)
「水炊きで体も温まったから、さぁ夜桜見物に出かけましょう!」と、お友達。東京からやってきたお友達は、みんなすごくアクティブで、次々に京都を見て回ります。
「こんなに楽しい旅ができて、ダンナに申し訳ないみたいねー。でもたまには、こういう旅をしなくちゃ!」「そう、リフレッシュよねー」「奥さんが幸せだと、ダンナも幸せ…」「そうそう…」「でも、あまり、すごく楽しかったって、しゃべれないかも…お前ばかりいいなぁーっていうでしょ」「まぁね…でも、ホントに楽しいわねー(笑)」「夫婦旅も、それはそれで楽しいけど、やっぱり女子旅の楽しさは別よね」「そうそう…」「また、来年も来ちゃおうかしら…」「そうね、いいかも…次は何食べる?」女子の楽しいおしゃべりは、尽きません。
*「西陣 鳥岩楼」の詳しい情報は、ホームページで、どうぞ!
ちなみに水炊きひとり6000円。親子丼800円です。
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