京都、四条通から大和大路通を南に進み、ゑびす神社の近くにある、江戸時代から続く桶屋さんの「おけ庄」。
店内でさまざまな桶を見学したミモロは、ご主人について奥の工房へ。

「わーいろんな道具がいっぱい並んでるー」と、工房の壁にずらりと並ぶ道具に、まず驚きます。



それらは、全部、桶の素材となる、木材を削るもの。「なんでこんなにたくさんあるんだろ?」と、首をひねるミモロです。
さて、桶づくりは、まず、大きな木材から、作る桶に合うように、木を削ることから始まります。

かつては京都産の木材もあったそうですが、今は、木曽産のもの。樹齢100年から200年という木を切りだし、それを乾燥させたり…原木から、桶になるまでに10年から30年かかるそう。

ここ「おけ庄」で作る桶は、もっぱら料理道具や、お風呂場など、人が直接使う道具としての桶。ですから、用いる木材も、軽く、美しく仕上がる、槇やさわらを主に使うそう。
醤油やミソなどを貯蔵するのは、基本的な作り方は同じで、杉や樫などが使われます。
桶と樽は、上に蓋があるなしで、区別するらしいです。
縦に切り取った木材を、桶に組み立てるよう加工してゆきます。

木材は、どんな大きさの桶を作るか・・・で、木の切り方が変わります。つまり、大きな桶なら、木材のカーブをゆるく、小さければ、桶の直径が小さくなるので、カーブはきつくなります。作る桶の直径で、木の削り方が変わるわけです。
そこで必要なのが、さまざまなカーブの鉋(かんな)です。
「あれ、鉋って、木の表面を平らに削るのに使うんじゃないの?」、そう、よく大工さんが使うのは、表面が平ら。
でも、桶の鉋は…


桶の外側を削る鉋は、内側がへこんでいて、また内側を削る鉋は、膨らんでいるのがわかります。
つまり、桶の直径に合わせた2つの鉋を使います。
「わーこんな形の鉋見たの初めてー。だから、こんなに鉋がいっぱいあったんだー」とミモロは納得。そう、桶の大きさによって、それぞれ鉋の大きさが違うんです。
次は、削った木材の組み立て。

接着面を整えた木材を、次々に組んで行きます。ここでは、木材を繋ぐのは、なんと小さな竹の釘。
「えー小さな竹が、桶に入っているんだー」と目を凝らします。
次々に木材を組み合わせて、桶の形に。


ピターッとくっついた木材。すごい…
そこから、さらに鉋を使って、表面を整えて行くんです。

ミモロもちょっと鉋に触らせていただくことに。


「これは、すごく小さな鉋…」ミモロの大きさから、小ささがわかるはず

こでは桶の口などの部分を整えるのに使うもの。

丁寧な仕事で、桶の口まわりも、なめらかに…。
また、桶に欠かせないのが、タガ。

タガが安定するように、桶の表面にへこみを。「いろんな道具が登場するんだー」とミモロは、またビックリ。
底の部分にセットして、グルリと桶を一周すると、水平に線が描ける道具です。
工房には、竹や銅線など、タガの材料が。

タガをしっかり締めた桶。(この桶は、これから内側などを整えてゆきます)

そして、最後に底板を。はめ込む部分にも、底板が安定するように、へこみが施こされています。

完成した桶は、本当に美しい姿。「京都を感じさせる桶だねぇー」と、改めて見惚れるミモロです。

「おけ庄」の桶は、海外の方にも評判だそう。この桶に氷をいれて、ワインクーラーなどにするのも素敵。
「こんな木の桶が、あったら、きっともっと生活が豊かな感じになるよねー」と、憧れの眼差しを向けるミモロです。
やっぱり日本の技術は、すごい!と実感させられた桶づくり。桶づくりに、こんなにいろいろな道具が登場するとは、全く知りませんでした。代々使われた道具には、職人さんの手の温もりが伝わって、自然のツヤが。
ひとつひとつ昔ながらの技で作られる桶には、決してプラスチック製の桶では味わえない温もりが漂います。使うほどに味わいが出て、馴染んでゆくのでしょう。
京都に来たら、ぜひ訪れてほしい、美しいものづくりのお店です。
*「おけ庄」詳しくは、昨日のブログで。

ものづくりの奥深さを教えられました。
ミモロちゃんのリポートは 毎回よく調べられていて分かりやすいデス。
道具がいっぱいあって、すごい!
職人さんの道具って、カッコイイ!