京都の伝統工芸、有職雛人形の技で作られた「みもろ雛」。
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誰でも驚くその技の凄さを、今年もご紹介します。
この「みもろ雛」を手掛けたのは、京都千本今出川にある京雛人形の工房「たくみ人形」。
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有職御人形司である槙野巧雲さんが、ぬいぐるみに京雛人形の衣装を着せるという画期的なことに挑戦なさったのです。
「ミモロちゃんなら、きっと可愛い京雛人形になれると思う…」と奥様の思いを形にしてくださいました。
コロナ前の2019年の夏、ミモロは、千本通りの「たくみ人形」を訪れました。
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「たくみ人形」は、お誂えの雛人形を専門にする工房。お客様が望まれる大きさ、衣装、顔などを伺い、その方だけの唯一無二の雛人形を手掛けています。
工房には、さまざまな雛人形の衣装のための布などが…京都西陣の特別染めや織りによる正絹の豪華な錦などが種類豊富に棚に…。
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店内のショールームには、初夏から早春にかけ、槙野さんが手掛けた京雛人形がサンプルとして並んでいます。
「わ~お雛さま素敵~豪華だね~いいなぁ~こういう衣装着れて…」と憧れの眼差しを向けるミモロです。
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ぬいぐるみのミモロが京の有職雛人形になる…というのは、実は画期的なことなのです。
十二単を着た雅な雛人形は、ボディがなく、細い木地に衣装で囲み、そこに顔や手をつけ、形を作ります。
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もちろん着せ替えなどは不可能。同じ姿のまま、飾られ、木箱に納められるものなのです。
「え~ミモロ、ずっと雛人形の衣装着てるわけにはいかない…お出かけするし~何も食べられなくなっちゃう…」とちょっと心配に。
「大丈夫!着せ替えできる衣装を作ります!」と槙野さん。そんなことができるのか、正直、私も半信半疑に…
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この豪華な衣装で細い中心部の空間に、どんなに押し込んでもミモロの体が入るとは、とても思えません。
まずは、ミモロの体のサイズを細かく採寸。
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ミモロ、お腹引っ込めちゃダメ!「だってさっきランチ食べたばかりだから…」とポッコリお腹が気になるよう。
それから待つこと3か月…京都の町が紅葉に彩られたころに、ふたたび「たくみ人形」さんからご連絡が…
「できましたよ~ミモロちゃんの衣装…」と槙野さん。「え~ホント!」と、喜び勇んで工房へ。
「では、さっそく着付けましょう。ミモロちゃん、脱いで…」と。すっぽんぽんの姿になったミモロ。
そこには、これから着付ける雛人形の衣装が用意されていました。着付けやすいように考慮された部分パーツ。
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ホックなどもあり、着脱が簡単になっています。
まずは、十二単の内側に着る朱色の長袴をつけます。
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「はい、前で結んで…きつくないですか?」と槙野さん。「大丈夫です…」と言いながら、やや緊張気味のミモロ。
座ってポーズで着付けることに…見えない部分もしっかりできています。
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通常の雛人形では、袴は衣装の一部なので、このように袴として独立した姿にはなっていません。
「はい、できました!」「わ~なんか、三人官女になったみたい…」ともう興奮気味のミモロ。
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次は、十二単の衣を装着します。単衣だけでなく、一番目立つ表着までセットされたもの。
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人間ならば、一枚ずつ単衣を重ねていくのですが、雛人形の衣装は、美しい色を予め重ねたもの。
着せ替えができるように、すでにミモロの体のカーブに沿ったものになっています。
「はい、装着完了!」
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「わ~お姫様になった!」と、それらしい顔つきになりはじめたミモロです。
さらにその上に唐衣という装飾的な衣装を装着してゆきます。
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「はい、手出して…」と槙野さん。「はい、ここにあります~」と衣装から手を伸ばすミモロ。
「うん、サイズぴったりですね~」と言いながら、ミモロの衣装を整えます。
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「わ~後ろ姿も素敵~」と奥様の声…。
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本当に平安時代のお姫さまのよう…
さらに裳を装着。
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これで衣装の装着は完了です。
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雛人形の姿には、さらにそこに扇などの小物が用意されていて、それは後で…
「すごい!本当にお雛様になった!」と思わず感激の声…
「あの~僕のこともお伝えしてほしいなぁ~」と、そばにいた雄雛役のクマのハンス君。
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すでに立派な衣装を着ています。では、そのお話は、また明日…
*「たくみ人形」の詳しい情報はホームページで
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