ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

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宇治の「平等院」へ。見どころは、創建後に繰り返された修理。社寺建築の専門家の案内で歩く境内

2023-11-13 | 寺社仏閣

[平等院に来るの久しぶり~。やはりいつ見ても、いいねぇ~」と、宇治「平等院」の鳳凰堂を前にするミモロです。


この日は、社寺建築の専門家である「匠弘堂」の横川総一郎さんの案内で宇治の国宝建築を巡ります。
日本最古の神社建築である国宝の拝殿と本殿のある「宇治上神社」の見学後、向かったのは、「平等院」です。


「ここの見どころは、まずは、鳳凰堂の屋根です」と、横川さん。


「平等院」は、永承7年(1052)に関白藤原頼通によって、父の道長の別荘を寺院に改め、創建されました。翌年に阿弥陀如来を安置する「阿弥陀堂」が建立。これが現在の「鳳凰堂」です。西方浄土をイメージした優美な建物で、池に面し、中央の中堂の左右に翼を広げたような翼廊が伸び、その折曲がった部分には、楼閣が設けられています。

まずは、「鳳凰堂」を側面から眺めます。

「よ~く見ると、屋根のラインが真っすぐでないことがわかります。これは、屋根の瓦の重さで、軒の隅が下がってしまったんです。創建当時は、木瓦葺きでしたが、康和3年(1101)に本瓦葺きになりました。その後、鎌倉時代から江戸時代までにいろいろな部分の修理などがなされ、下がる軒を支える柱を設置。明治時代には、中堂の半解体修理が行われ、垂れ続ける屋根の軒に、それまで添えられていた支えの柱を外し、テコの原理を利用した桔木(はねぎ)構造に改められました。でも、昭和32年の半解体修理で、創建当初の形式に復元。それに伴い、屋根も元の構造になり、そのため再び屋根の垂れが発生しています。でも、それを直せないんです」と横川さん。

「え~長い間、屋根で苦労してるんだ~。いつか、もっと垂れちゃうのかな??」と心配になるミモロ。「まぁ、少しづつですけど…」

側面から「鳳凰堂」を眺めた後、正面へ進みます。「中堂」の左右にある「楼閣」。

「あの楼閣は、人がはいれないんですよ~。あくまでも建築美のためで、まさに芸術の粋を集めた建築です」と横川さん。
「え~あそこって、人がはいれないんだ~」と驚くミモロ。なんでも天井は人が立てる高さではないそう。

「それから、平成の修理で、昭和と変わったところわかりますか?」と横川さん。

「え~と、どこかな?」とミモロは、昔の写真の「平等院」を思い出します。
「前は、あんまり色の印象ないかも…」と。
「そう、昔は、色が剝げ落ちた部分も多く、そこで外部の塗装を全面塗り替えたんです。明治以降、鉛丹という酸化鉛を使った塗料で外部をぬっていたんですが、現在は、酸化鉄を多く含む丹土塗にして、明治以前の状態に復元されたんですよ」と。

極楽浄土の世界が展開する「鳳凰堂」の内部は、創建当時の極彩色の世界を想像してください。
「あ、阿弥陀様のお顔が見える…」

外からも阿弥陀様を拝むことができました。

十円玉のデザインでもある国宝の「平等院 鳳凰堂」。

日本のコインの中で、唯一の建物デザインです。

「実は、私が平等院で一番好きな場所へご案内しましょう」と横川さんが連れて行ってくださったのは、池の畔にある「六角堂」です。

「この建物は、明治の修理の折、翼廊の廃材で再建されたものなんです。宮大工としては、創建当時の建築の様子がよくわかると共に、貴重な建築資材で、当時、修理をした大工たちが、それを廃棄することができず建てたもの。その気持ちわかります!」と、興奮気味の様子。


「へぇ~これ、創建当時の木材なの?」と、建物を見上げるミモロです。

「あ、柱に穴が開いてる~」と、中に入ってみます。

昔の建物に触れられる貴重な場所です。

「いろんなことを教えて下さってありがとうございました」とミモロは、横川さんにお礼を…

以前、鞍馬にある工房にお邪魔したことがあるミモロです。

見学を終えたミモロたちは、再び宇治の町中へ

「やっぱり抹茶を使ったデザートのお店多いね~」とキョロキョロ。

宇治橋の畔には、紫式部の像も。「ねぇ~源氏物語読んで~」とせがむミモロでした。

「源氏物語」の舞台にもなった宇治、「ここも来年、大河ドラマの影響で、大勢の観光客が来るね」

ぜひ、ミモロのブログを参考に、「宇治上神社」と「平等院」へ。

*「平等院」の詳しい情報はホームページで

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