モノクロのフィルムに映し出されるのは、昭和初期の「祇園祭」の「山鉾巡行」。
この貴重な映像は、醒ヶ井仏光寺の町屋ギャラリー「京空間mayoko]で公開されました。
「ミモロちゃん、ようこそ~」と出迎えてくださったのは、この家の当主で、友禅作家の黒田庄七郎さん。
「このフィルムは、蔵に放置されていたもので、写真好きの祖父が撮影したんです」と黒田さん。でも、古いフィルムは、傷みも激しく、簡単に見ることができなかったそう。それを「京都おもちゃミュージアム」の太田先生ご夫妻のご協力で、デジタル化し、上映できるまでに修復して頂いたと。それにより、昭和初期の京都のリアルな姿を見ることが可能になったのです。
7月20日の午前中の上映会には、岩戸山の撮影などに携わる中野さんや、東山の「好日居」のオーナーさん、またご近所の秦さんもご一緒に。まずは、写真を拝見…。
「すごくいい写真…」と中野さん。撮影アングルなどが見事と…。お座敷にスクリーンが下げられ、いよいよ上映会が始まります。
16ミリフィルムで主にフランス製のパテベビーというものに写したそう。
「あ、長刀鉾かな?鶏鉾や岩戸山も出てきた~」と、鑑賞するミモロ達は声を出しながら、映像を見つめます。「これ、どこの通り?四条通かな?三条通ものあるね~」と。
「あ、これ船鉾だ~」とミモロが大きな声を…。「なんかすごく立派だね~」と。撮影時期は、1933年頃、つまり昭和10年頃で、戦争へと進む時期に当たります。
撮影者のおじい様…も登場。
「動いている祖父をここで初めて見ました」と黒田さん。絹織物などの商いを幅広く手掛けていらした黒田家。京都の景気の良さが、祭りからも伝わって来るようです。ハイカラ好きで、写真と車が大好きだったというおじい様です。「今の祇園祭とは、いろいろ異なり、大変興味深いですね~」とみなさん。
「なんかすごく興味深いね~当時流行した服装なんかも面白い~」と映像に夢中になるミモロです。
大きく異なる町の様子。
映像に写る建物は、洋館を覗き、ほとんどが2階建て。空がひらけ、通りを進む山鉾が大きく見えます。子供たちが2階から囃子方に呼び掛ける姿なども…。
「なんか山の動きが今とは違いますね~」との声。「昔は、山は担いでたんです~。鉾が通る場所も舗装されていないので、ガタガタと横揺れが激しいですね~。この当時から、各山鉾は、揃いの浴衣を着てたんですね」と、さすが山鉾に詳しい中野さん。
ミモロ以外、子供の頃から、山鉾を見ていた方ばかりなので、見るポイントが深い…。「これって、京都に来る観光客が見るより、地元の人が見る方が、より感激するんじゃないの?」と思うミモロでした。
「ほかの映像も見ますか?」と、この日、スクリーンに映像を映す係のギャラリーの気谷さん。
おじい様が撮影なさったテーマは、祇園祭だけでなく、葵祭、染織祭、高雄への紅葉狩り、保津川下り、松茸狩り、八瀬遊園、平安神宮での婚礼など、黒田家が過ごした昭和の時間が残されているのです。「次、あれ~」とリクエストするみなさん。映像会は、2時間以上にも及びました。
「楽しかったですね~」とみなさん。
本当に貴重なものを見ることができました。「昭和初期の京都って、ホントに活気があったんだなぁ~」とミモロ。それから、数年後には、京都も戦時中の厳しい時代を迎えることに。
おじい様が愛用したという16ミリフィルムのカメラは、コダック製。
革張りのコンパクトなスタイルで、持ち手があり、小型な書類ケースのよう。短期間しか製造されなかったカメラ史の上でも貴重な製品だそう。「バッテリーってないの?」とミモロ。「これは、サイドのハンドルを手で回すので、バッテリーがいらないんです」と黒田さん。手回しの撮影とは、かなりの技術が必要なのでは?
フィルムを映写する機械もありました。
これだけの機材をそろえたおじい様の趣味の凄さ。その豊かさもを物語る品々です。「映像見たいって人、きっとたくさんいるんじゃない?また見たいなぁ~」というミモロ。
「ご希望があれば、また映写会開催しようかと…」と黒田さん。その時は、事前にミモロのブログでもお伝えするつもりです。「今日は、ありがとうございました」とお礼を言ってお二人とお別れしました。*「京空間mayuko]
四条通を東に進み、新町通には、後祭りの「大船鉾」が建っています。
「さぁ、ミモロもご奉仕に行かなくちゃ~」23日も夕方から夜にかけて、「大船鉾」にミモロはいます。ぜひ、いらしてくださいね~
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