ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都東山「粟田神社」の「例大祭」。庖勝一條流による「式庖丁」の奉納がしめやかに行われました。

2022-10-17 | 祭事・神事・風習
秋晴れに恵まれた10月15日。京都東山の「粟田神社」は、例大祭を迎えました。
そこで奉納されたのは、古式ゆかしい式庖丁です。


11時から始まった例大祭。来賓および氏子の方々が列席し、まずは神事が厳かに始まりました。

先に行われた神幸祭は、剣鉾や神輿が境内に姿を現し、賑わいをもたらすもの。神社本来の御祭礼である例大祭は、厳粛な雰囲気の中で執り行われます。
 

神事の後、行われたのは、式庖丁の奉納です。
 
庖勝一條流の家元、富田勝雄さんが、その技を披露なさいます。
「富田さんは、『京懐石 京とみ』のご店主で、よくランチに天ぷら食べに行くんだ~美味しいの!う!いつもと雰囲気違う…」と、ミモロがよく東京のお友達を案内するお店で、いつもにこやかに迎えてくださる富田さん。でも、この日は、お家元のお姿…かっこいい…と密かに思うミモロでした。

さて「式庖丁」というのは、平安時代から現在まで伝承された食の儀式。烏帽子、狩衣、袴姿で、まな板の上の魚や野菜に、直接一切手を触れず、庖丁と真魚箸だけでさばき、めでたい形に盛り付ける技。平安時代から江戸時代までは、宮中の祝いの席で披露されていたそう。今は、「穢れ」避けるために、食材に直接手を触れない技は、神様への奉納にふさわしい儀式として、京都では、いろいろな場所で奉納されています。京都では、他の流派として「生間流(いかまりゅう)」が知られます。

拝殿にて行われる式庖丁。まずは和ろうそくに火を灯す「燭光の儀」から…


次にまな板の邪気を鈴の音で清めます。


続いて、まな板の上の絹を取り、布巾で清め、この日、奉納される鯛がまな板に置かれます。

鱗と内臓を取った鯛…それを庖丁と金属製の長い箸を使い切り分けてゆきます。


いよいよ家元の富田さんの登場です。


刀のように鋭く研がれた庖丁と長い箸を、鮮やかに扱い、鯛を切ってゆきます。


「どんな風になるんだろ?」ミモロは、まな板の上をじっと見つめます。


しばらくすると、鯛の頭と骨が、身から離れました。「わ~すごい!」と思わず声と拍手が上がります。

ミモロもビックリ!鯛は、3枚におろされたのです。「すごいね~手を直接鯛を触っていないのに…」とまるで手品を見ているような心地に…。

鯛の頭と骨は、黒塗りのお盆の上に、立てられてました。

「あれ?」とミモロは、拝殿の向こう側に目をやります。

するとそこに、富田さんをじっと見守る2人の女性の姿が…

「あ、奥様とお嬢さんだ~」といつもお店で顔を合わせるお二人です。富田さんの晴れ姿を後ろから見ていらしたのです。正面から見るのではなく、その後姿を…。「いいね~」と思わずつぶやくミモロでした。

三枚におろされた鯛は、庖丁で細く切られ、さらに何度か庖丁で切り分けられています。
「何してるんだろ?」と、富田さんの所作にミモロは興味津々。

刻まれた鯛の身は、次々に黒塗りのお盆の上に置かれます。

やがて庖丁と箸が納められ、式庖丁が終了しました。

まるで舞を見ているような雅な所作…。日本の伝統の技のひとつです。

鯛が乗ったお盆は、神職により、本殿の神様のもとに奉納されます。


「神様、召し上がるのかな?その後、あの鯛どうなるんだろ?」とそれが気になるミモロです。

さて、細かく切った身は、よく見ると、「寿」の文字になっています。そう、吉祥の文字を表すのも式庖丁の特徴のひとつ。


式庖丁を奉納なさった「庖勝一條流」の皆様。

お疲れ様でした。

例大祭を納めた「粟田神社」の佐々貴宮司様にも、今年の祭りを終えた安堵の表情が浮かびます。

「まだ、コロナ前のような祭りではありませんが、やっと3年ぶりに神輿渡御などが行われたことに喜びを感じます。ただ雨で夜渡神事が中止になったことは残念でしたが…」という内容のお話を伺いました。

「今年は、まだ神賑行事で、食べ物の夜店なんかなかったけど…。きっと来年は、前のようなお祭りになるといいね~」と言いながら、境内を後にしたミモロでした。


*「粟田神社」の詳しい情報はホームページで
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