みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1040「しずく123~約束」

2021-03-06 17:54:40 | ブログ連載~しずく

 柊(ひいらぎ)あずみが教室(きょうしつ)のドアを開けると、みんな一斉(いっせい)に席(せき)についた。でも、生徒(せいと)たちのざわつきは治(おさ)まらなかった。先生の後から、女の子が入って来たからだ。水木涼(みずきりょう)はそれを見て、川相初音(かわいはつね)をつっついてささやいた。
「ねぇ、どうなってるのよ。しずくが来るなんて聞いてないけど」
 すかさず柊先生が、「そこ、勝手(かって)にしゃべらない。じゃあ、みんなに転校生(てんこうせい)を――」
 しずくのことはみんなの記憶(きおく)から消(け)されていた。ということは、みんなにとっては初対面(しょたいめん)ということだ。月島(つきしま)しずくは緊張(きんちょう)した面持(おもも)ちで挨拶(あいさつ)を終えると、用意(ようい)されていた席についた。途中(とちゅう)、しずくは神崎(かんざき)つくねの横(よこ)を通った。一瞬(いっしゅん)、二人の目が合った。
 何事(なにごと)もなく午前中(ごぜんちゅう)の授業(じゅぎょう)が終わると、涼は教室を出て行くしずくを追(お)いかけた。その後から初音もついて行く。しずくは階段(かいだん)を登(のぼ)って校舎(こうしゃ)の屋上(おくじょう)へ出た。そこで待ち構(かま)えていたのはつくねだ。つくねは嬉(うれ)しそうにしずくに言った。
「あなたが、月島しずくさんね。来てくれてありがとう。パパが言ってたわ。あなたって、すごい能力(ちから)を持ってるかもしれないって。もしそうなら…」
「もしそうなら…」しずくは繰(く)り返して、「あなたとはやりたくないわ。だって私たち――」
「あたしから逃(に)げられると思ってるの? あなたにどんな能力(ちから)があるか確(たし)かめてあげる」
「じゃあ…、私も、あなたとの約束(やくそく)を果(は)たすことにするわ」
<つぶやき>まさか二人が対決(たいけつ)することになるなんて。どんな決着(けっちゃく)になるんでしょうか?
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