『楽園のトリル(エデンのトリル)』は題名から想像できる通り音楽関係の学園ものです。主人公の律は自他ともに認める不幸体質で、普通科と音楽家のある高校の普通科の方に通っていましたが、家庭でのストレスのために胃潰瘍となり、ストレス軽減のために寮に入ることになります。その不幸体質ゆえに学園の敷地内で昼寝をしていた金持ちでピアノと作曲の天才児で、現在札付きの問題児である篁映里を踏んずけてしまうというドジをやらかします。この寝ているところを踏んずけてしまう出会いは少女漫画にありがちで、ほとんど古典的と言ってもいいですね。まあ、この出会いによって目をつけられてしまった律は希望していた女子寮ではなく特別な寮「天宮館」に入ることになり、この俺様の篁と寮で「ペア」を組まされて同室になり(寝室は2つある2LDKっぽい)、なおかつ理事長判断で音楽科へ転科する羽目になるという怒涛の如く変化がおとずれるので、ちょっとくどい感じがしないでもないです。
話が進行していく中でこの律の生い立ちや音楽との関りとトラウマみたいなものが明らかになっていき、また天才俺様の篁の方もなんでワルになったのかその経緯が明かされて行きます。篁は通常は他人を全く視界に入れないのですが、律だけはなぜか顔が気に入ったらしく最初から視界に入ってて…という設定で、お互いにかなりいろいろ衝突していますが、いい影響を与え合って二人とも音楽の世界に復帰し、互いに必要とする恋人同士になっていく展開です。もちろん恋のライバルっぽい人も登場しますし、いろんなトラブルも起こります。
最初の設定がちょっとくどいことを除けば、どっかで読んだような話と思えるようなありがちな少女漫画的展開で、そこそこ読めるけど、いまいちオリジナリティーに掛けるような気がしますね。