徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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レビュー:藤田麻貴作、『バロック騎士団(ナイツ)』全8巻(プリンセス・コミックス)

2019年05月07日 | マンガレビュー

『バロック騎士団(ナイツ)』は2010年~2013年の作品でちょっと古いんですが、かつて絵柄が気に入ってまとめ買いし、ちょっと気が向いて読み返しちゃうくらいには面白い謎な学園ものです。斎華王学園という全寮制の学校は紳士淑女の通うエリート校で一度入ったら卒業するまで敷地から出られない謎な学校。敷地が広く、小さな町みたいになっており、なんでも揃っているのでさほど不便はないらしいのですが、主人公の筑波都はそのことを知らずにそこの高等部に編入します。初日に同じく編入生である立花上総は都と同室の野宮千沙子といとこ同士であるため、運悪く都の着替え中に部屋を開けてしまい、彼女に強烈な蹴りを食らってしまいます。以来彼は都の「犬」に。都は口が悪く暴力的ですが、まっすぐで不器用な優しさを持つ女の子で、上総は元やくざの跡取り息子だったため、彼女がまっすぐに彼に体当たりしてくれるところにちょっと惹かれたのかも知れませんね。あんまりにも猪突猛進でほっとけないというのもあるかもしれません。とにかく特別寮に入れば外出許可をもらえるという話を聞いて、まず特別寮はなんなのか探り出そうとする都に忠実なわんことして従い続けます。上総を「ぼん」と呼ぶ舎弟または世話役(?)の宇治と都といる上総(「カズ君」)が楽しそうだと喜ぶ千沙子(のちに「ちいちい」)の4人でとある事件をきっかけに学園の理事長判断で特別寮に移動になります。特別寮で待ち受けていたのはいわゆるエリートだけではなく、特殊能力を持つ危ない人たちも多く居て、彼らを監視・管理するのが特別寮・執行部。執行部の総長である葛城理央はかなり謎な人物で、なぜか都をいたく気に入っていて、暴走気味の彼女を保護・監視する意味もあって彼女をわんこ付きで執行部付の役員に迎えます。

都は子どもの頃から「見える」人で、執行部で活動している間に徐々に彼女の能力が顕現化しますが、かなり後になるまで、彼女の能力の本質は謎のままです。

どこらへんが「バロック」で「騎士団」なのか作中では明言されていません。学園の雰囲気や作中に使われている飾り文字などのイメージはバロックというよりゴシックですね。「騎士団」はそう名乗ってはいませんが、執行部の皆さんのようです。それぞれ自分の異常能力のせいで悩み苦しみ、あるいは力を持て余したり、普通の高校生の悩みとは違うところで悩んでますが、大まかに言えば「人と違う悩み」と言えるので、特殊能力のない人でも共感できるのでしょう。

「ラブ」の要素は薄いですが、都と上総の「女王様と番犬」の関係は実にユーモラスで面白いです。時々予知夢を見る大人しめのちいちいは癒し要因で、メカ系に強い宇治は便利屋さん。理央さんは最初は謎な近寄りがたい特別な存在ですが、都の影響でだんだん丸くなっていきます。他にも都の影響を受けてしまう人たちがいて、彼女はいわば台風の目みたいな感じです。

都と上総と理央さんのその後が知りたいなーと思うような終わり方でした。

藤田麻貴の現在の絵柄と比べるとまだ若干固いですが、こういうの好みです。


書評:デイビッド・セイン著、『ネイティブはこう使う! マンガでわかる動詞』(西東社)

2019年05月07日 | 書評ー言語

期間限定で激安だったのでシリーズでそろえたうちの1冊『ネイティブはこう使う! マンガでわかる動詞』は、日常的によく使われる「動詞」の使い分けについてをマンガで楽しく解説します。愉快な登場人物たちが繰り広げるドタバタを読みながら、ネイティブが動詞をどう使うのかを無理なく理解できるという構想ですが、身につけて自分で使うにはやはり実践あるのみですよね。使わなければやはりあっという間に忘れてしまいます( ´∀` )

動詞のコアイメージを表すためのイメージ図解には少々無理があるものもあり、必ずしも役に立つわけではないです。やはりマンガで描写されているシーンでイメージを掴むのが適当なようです。

目次

Part 1 基本動詞

Part 2 身近な動詞(初級)

Part 3 身近な動詞(上級)

Part 4 助動詞


書評:デイビッド・セイン著、『ネイティブはこう使う!マンガでわかる時制・仮定法』(西東社)

書評:デイビッド・セイン著、『ネイティブはこう使う!マンガでわかる前置詞』(西東社)

書評:デイビッド・セイン著、『ネイティブはこう使う! マンガでわかる形容詞・副詞』(西東社)

書評:デイビッド・セイン著、『NGフレーズでわかる! 正しく伝わるビジネス英語450』(西東社)