懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

真砂土

2018年08月01日 | 日記
真砂土(まさつち)

真砂土は花崗岩の風化した土でこう呼んでいます。
我々のところで庭に築山を作ったり埋め立てにするのにトラックで買うと運ばれるのは真砂土である。松の盆栽などに適しているので園芸土として売られているが小さな川にいけば川砂が真砂土なので買う事は無い。
西日本豪雨で広島県の呉市周辺では土砂崩れが発生して甚大な被害をだしている。
数年前の広島市阿佐北区の土砂崩れでも大勢の被害者を出している。
いずれの土壌も真砂土である。真砂土の中には風化していない何トンもあるコアストン(岩石)が混ざっていてこれが土石流として一緒に流れるので家を倒壊しながら転げ落ちる。
時速36km/hのスピードで60秒程度で下るので寝ていて逃げる時間もない。

西日本豪雨で呉周辺に降った雨量は450mm 広島県の北東部の庄原市に降った雨は430mm、高知県は1000mm越えた。庄原は死者なし高知も数名だった。
庄原市は石灰岩で土がない浸透もあるが表面を流れ落ち土砂崩れがない。
火山灰などの地層も土石流を起こす怖さがある。

花崗岩や真砂土は兵庫県から中国地方 、瀬戸内海や香川県に多くある。
花崗岩は石英、長石、雲母などでできていて火山岩だが深成岩で深いところでゆっくり冷えたものは建築用材として優れよく使われている。建築用材、石垣、墓石に使われる。
大阪城の石垣も花崗岩が小豆島から運ばれた。
瀬戸内海の本四連絡橋が通過する与島や隣の小与島は花崗岩の採掘が盛んで産業であった。島では「身を売って今日も喰うかよ女郎ケ島」と歌われている。
女郎のように自分の島の岩を身売して食いつないでいると詠まれたものだ。

花崗岩は一般的には御影石とよばれている。御影は花崗岩の産地名で神戸市の阪神、阪急電鉄に駅名がある。石は産地の名前がつく事が多い。中国の大理の大理石や栃木県の大谷石などがある。
花崗岩も火山岩として地表近くに出たものは収縮で亀裂が入り柱状節理になりやすい。
小さな亀裂が入り雨風で風化して真砂土になる。水分を含みやすいので土石流になりやすい。
柱状節理は渓谷美になっている観光地も多い
二週間にわたりブラタモリを見ていたら関門海峡がどうして狭い海峡なのかをやっていた。門司と下関は同じ山で繋がるっていたが花崗岩の部分が浸食崩落して削られ海峡になったと説明があった。世界で初めての関門トンネルも花崗岩の部分は脆く世界で初めてシールド工法が採用された。昭和19年開通

真砂土はかっては冨をもたらせた。江戸時代まで鉄の生産は中国地方が七割を占めていた。
真砂土を鉄穴流し(かんなながし)で砂鉄をとり木炭で溶かし鉄を生産していた。
しかし、鉄穴流しで大量の砂を下流に流し地形を変えるほどの洪積地を作った。
斐伊川沿いは島根半島と陸続くになり宍道湖や中海を作った。広島市の中心地も太田川の洪積平野である、七本の川に分かれている。中世まで海であった。岡山も南部の洪積平野は鉄穴流しが作ったと言われている。
アニメもののけ姫も鉄穴流しによる製鉄をモチーフにしたものだ。
製鉄をやっていたのは土地の大地主で豪商である。今も豪邸が残る。
広島の奥に製鉄をやっていた加計家という豪商がいる。安倍首相と懇意である今治の獣医学部の加計学園との繋がりがあるのか調べたが不明
広島には鉄製品の加工も盛んで十リの言葉がある。
最後にりのつく安芸の十利 ハリ、イカリ、ノコギリ、マサカリ、キリ、ヤスリ、カミソリ、
クサリ、オモリ、チギリ