みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

読書記録2006-1

2006-01-20 | book
私は一年でどれくらい本を読むのかなあ、とふと思いたち、
年があけてから読んだ本を一年かけてカウントしていくことにした。

前回載せた感想文に一冊加えて、こちらに移動します。

1「ブループリント」シャルロット・ケルナー 充実度★★★☆☆
私にしては珍しく翻訳モノ。不治の病に冒された天才ピアニストが、自分のクローンを出産し、育てる。コピーである娘とは、「親子」であり「姉妹」でもある関係。そして「私はあなた、あなたは私」という呪文がかったつながり。
正直、設定とか感情の行方が、別にクローンじゃなくて普通の母と娘でもありうることじゃん?みたいな感じで、ぴんとこなかった。でも「指紋が一緒なので、たとえば母親を娘が殺しても証拠が残らない」というくだりにはちょっとぞわっ……。たとえクローンだって、まったく違う人間だもんね。あんまり便利じゃないな、と思ったりしたのでした。

2「デッドエンドの思い出」よしもとばなな 充実度★★★★☆
よしもとさんの短編集。その前に読んだ「High and Dry」が最悪だったのでどうかなと思ったのだが、長年のファンとしては、よしもとさんが書きたいことってコレなんだよな~と納得しながら読んだ。本人も、自分が書いた小説の中で「デッドエンドの思い出」が一番好きだと言っているし。どれも悲しい話でつらかったけど、読んでよかった。
(「High and Dry」のほうが後に出版されています)

3「無意識過剰」阿川佐和子 充実度★★★★☆
だいぶ前のエッセイ集だけど、楽しく読めた。私は阿川佐和子さんが大好き。エッセイ読んでからテレビで拝見したら、ますますチャーミングに見えた。

4「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江国香織 充実度★☆☆☆☆
江国さんの文庫本は迷わず買うのだが、この本は嫌いな分野だった。彼女の書く女性の透明感って好きなんだけど、このお話の少女たちは気持ちよくない。私の江国コレクションの中では最下位。でも、それでも全部読ませてしまう江国さんのきれいな文章には脱帽。

5「錆びる心」桐野夏生 充実度★★★☆☆
短編集。仕事で必要だったので読んだ。初めて読んだ作家だったけど、ものすごく人間を観察している人なんだなあと思う。狂気っぽい感じの人ばっかりで、人の嗜好というものはそれぞれだなと思った。表題作の「錆びる心」だけは普通の人々だったけど、一番よかった。


6「富士日記」上 武田百合子 充実度★★☆☆☆
会社の同僚Sさんが「これ、私が泣いた本」と言って貸してくれた本。作家である夫と娘、そして著者との3人が合作した日記。富士山麓での生活が描かれているが、Sさんいわく、上中下全部読まないと泣き所には到達しない様子。まだ上しか読んでないので、感想はまた後日。


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