みちくさ茶屋

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「山田孝之の東京都北区赤羽」

2015-01-10 | television
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


「山田孝之の東京都北区赤羽」を見た。
私は独身時代(というか東京時代)を赤羽で過ごしたので、いろいろとグッときた。

まず山田孝之がおもしろすぎる。
そしてそのおもしろすぎる山田孝之に戸惑う監督がまたさらにおもしろすぎる。
ある種のコントを見てるみたいだ。


自分が赤羽に住んでいたころは、よく「なんで赤羽?」とバカにされて不本意だったけど、こうやってクローズアップされるとそれはそれで複雑なものがある。
私は、赤羽はずっとバカにされていたい、ダサいと言われていたいのかもしれない。
赤羽をバカにするひとたちに「あなたたちにはわからない赤羽のひみつ」みたいなものを知られることなく、ぐふふ、とこっそり味わっていたいのかもしれない。
そして、あんまりいないけどたまにいる、「かつて赤羽に住んでいた」という経験者と盛り上がるのが大好きなのだ。
なので「赤羽の醍醐味をあんまり広めないで!」なんて勝手なことを思ったりも、する。


「第2のふるさと」という言い方は私が嫌いだが、私の東京生活を振り返ると「ホームグラウンド」は間違いなく赤羽だ。赤羽にしか住んでいなかったのだからそれしか考えられない。
「いいところだよね」では終われない何かが赤羽にはある。

一度だけ、「三軒茶屋とか中目黒とか、そういうオシャレな場所で一人暮らしをしてみたい」と血迷って、世田谷用賀の1LDKを契約したことがあった。
もう書類も書いてしまっていたのに、赤羽のアパートへの帰り道に「なんてことをしてしまったんだ」と後悔し、一晩考えて翌日キャンセルに行った。
あの選択は間違いではなかったと、今でも思う。私のトーキョー・シングルライフの想い出が、赤羽だけで良かった。本当に、良かった。

そしてこれは個人的なことだけれど、赤羽を離れてからもう15年もたつのに、私はいまだにメインバンクを東京で最初に作った赤羽支店の銀行口座にしている。
振込先の書類に「赤羽支店」と書くたびに、田舎から上京してきてがんばっていた自分を思い出すのだ。そのことはいつも、私に小さな勇気をくれる。

来週からも引き続き、この番組を楽しみに見たいと思う。
それにしても、このドキュメンタリーのきっかけになった「ウヒョッ!東京都北区赤羽」というコミックが「ONE PIECEより売れている」というのを事前にネットで見かけ、「えー? ホントかいな」と思ってたら、本編では「赤羽の書店では」という但し書きがあって笑った。
そういうところがやっぱり好きよ、赤羽。


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