みちくさ茶屋

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。

保育園に集う人々

2006-12-11 | people
土曜日に保育園で医療相談会があった。
園医さんがいらして、保護者や保育士さんと、子供や自分の健康について
お話をきいたり質問に答えてもらったりするというもの。
どんな園医さんか知っておきたかったし、健康相談は私にとって
タイムリーだったので参加した。

普段会わないお母さんとも話す機会があって、それもよかった。
ひとり、初めてお会いする聴覚障害のお母さんがいた。
保育士さんとは筆談とジェスチャーで会話し、
ふたりの子供を育てている。
相談会には通訳さん(手話の)が一緒に来ていた。

彼女はあかるく、積極的に質問をしていた。
子供の喘息のこと、今年猛威をふるった嘔吐下痢のこと。
先生が「夜中にお子さんの(喘息の)ひゅーひゅーという音が聞こえたら……」と
言いかけて、「あ、そうか、聞こえないのか。ごめん」という一幕も。

それから、私の隣に座った人は、シングルマザーだった。
離婚後、保険の外交をしながら4歳の男の子とふたりで暮らしている。
「実家も遠いし、本当にひとりだから、なにかあったときに心細い」と言っていた。
それでも自分が選んだことなのだから、と気を引き締めている。

それぞれの家庭に、いろいろな事情がある。
何が幸せで何が不幸なのかは、他人には決められないと思う。
ただ、ただ。
子供が元気に育ってくれることを願う気持ちは、みんな共通しているのだ。
「彼女たちは大変で、自分はめぐまれている」というふうには思わなかった。
同情ではなく共感した。一緒にがんばろうね、助けられるところは手を貸すから、
私も相談にのってもらうことがあるかもしれないけどよろしくね、
という気持ちだった。

それから、手話の通訳さんに初めてお会いしたけれど、
彼女がすばらしかった。
お医者さんが「スポーツ飲料」と言ったとき、
「スポーツ・飲料。あるでしょう? そう、それ」
と口が動いた。
お母さんの子供が病気になった話のときは、通訳ではなく自分の気持ちとして
「もうお子さんは大丈夫なの?」とやっていた。
機械的に言葉を置き換えるだけではないのだ。ちゃんと心があった。

医療の話もとてもためになったのだが、予想外のところで
いろんなことを感じて、充実した時間だった。