少し前のことになりますが、はじめて「神田古本まつり」に行って来ました。
いつか行きたいとおもっていました。
期間中雨の日が多かったのですが、晴れた日をねらって、今日だ、という感じで出かけました。
駿河台から神保町にかけては、学生時代から社会人になっても、
ずっとこのあたりに通っていたので、懐かしくもあります。
でもこの街はあんまり好きでない。どうしてだろう。
JR御茶ノ水駅で降りて歩いていったのですが、駅で偶然姉に会ってびっくり!
しかも、ちょうど姉のことを考えていたので、目の前に本人がいたのには、
何か信じられない気持ちでした。
そうして駿河台下までいって神保町の交差点に向かって歩いていき、
歩道に並んだお店の本を次から次に見ていきました。
自分の興味にあいそうな本を扱っている書店のものは特にしっかり見ていきました。
錦絵を扱っているいくつかの書店にも入りました。
去年の七夕古書展で入札しなかった第一回内国勧業博覧会の錦絵が忘れられなくて、
やっぱり買っておけばよかったと悔やんでいます。
それと同じか、似たものでも、とおもい、掘り出し物を探しています。
そうして結局数点古書を買い、中でも思い切って買ったのが、これ。
明治40年発行の東京市役所編纂『東京案内』上下巻、付録東京市全図
の復刻版(昭和49年)です。
復刻当時の定価が19500円。
それが5000円でした。
箱はボロボロですが、本は傷んでいません。
この本は全く知らなかったのですが、気になって手にとり中を見ると
たいへんに詳しく明治40年頃の東京のデータが書かれています。
市町村の沿革や神社仏閣はもとより、東京にある会社のデータ、交通機関の詳細、人口まで載っているのです。
ちょうど堅曹さんが東京に住んでいた時期であり、
細かい事をしらべるのに、手元にあれば便利だろうとおもった。
重くて持って帰るの、ちょっとたいへんだな、とおもっていたら、
なんと「古本市で5000円以上お買い上げの方には無料で宅配便が利用できます」
という張り紙が目に飛び込んできた。
それじゃあ、それで送ろうと、とっても得した気持ちで頼みました。
翌日届いた本を詳しくみていると、
地図の中に朝倉治彦著「『東京案内』解説」が入っており、それによれば
『東京案内』上下二冊は、明治四〇年に、東京市が編集刊行したる地誌であるが、
明治末の東京を知るには、この右に出るものはないとされている著名なる出版物である。
と書かれていて、いい買い物をしたんだと、うれしくなってしまいました。
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