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侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督『珈琲時光』その1

2017-02-10 05:16:00 | ノンジャンル
 侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督・共同脚本の’04年作品『珈琲時光』をHuluで見ました。
 “小津安二郎百年誕辰紀念”の字幕。朝の住宅街。路面電車。
 洗濯物を干す若い女性(一青窈)。携帯電話が鳴る。「カズミちゃん、ただいま。昨日の夜、ちょっと疲れたかも。今日さあ、高崎にお墓参り。(電話の相手でない人に挨拶し)台湾からの土産です。パイナップルケーキ。あっ、今の大家さん。変な夢を昨晩見たの。かわいそうなお母さん。赤ちゃんをとっかえられて、赤ちゃんは氷でできていて老人ぽい顔なの。そういう話、なかった? とりあえず寄る」。電話切る。
 タイトル。
 通勤電車内。若い女性、ノートを見る。やがて路面電車から降り、歩いて電車を乗り継ぐ。懐中時計を見る女性。電車の運転席。
 繁華街を歩く女性。バックにセミの声。
 古本屋(浅野忠信)。「来たね。これ領収書」「すごい」「はい」「ありがとう。これ、お土産と誕生日プレゼント。鉄道局開局して何年経ってるの?」犬が出て来る。贈られた懐中時計を見て、「すごいな。ちゃんとしまっとこ。これ持ってる? 台湾部局がベルリン・オリンピックで賞もらったやつ」「これ聞きたい」「あの、ねえ、江文也(コウブンヤ)って14歳で日本に来て電気を学んで、今の芸大で音楽を学んだんだ。ジャズ喫茶でレコードを聞いたり、楽譜を読んだり。さっきの夢の話、ゴブリンという妖精がチェンジリングする話と同じだ」「読んでみたい」。おとなしい犬。
 コインロッカーから鞄を取り出す女性。
 電車の車内の隅の席でノートを見る女性。
 ホームで鞄を引きずり、乗り換える女性。
 田舎を走る列車。鉄橋を渡る。
 車で迎えに来た父(小林稔侍)に「ただいま」「久しぶりだな。どのくらいいれる?」「2、3日ぐらい」。車に乗る二人。発車。“吉井駅”の看板。
 和風の家。台所に女性(余貴美子)。「ただいま」「お帰り」。ヨウコと父、帰って来る。「お父さん、着替えたら?」。麦茶をいれるヨウコ。猫。足伸ばしリラックスし、寝転ぶヨウコ。「ねえ、今日のご飯何?」「お魚よ。カレイ」「肉じゃがは?」「ない」。猫。
 ちゃぶ台で新聞を読む父。母「ご飯よ」。高校野球を中継するテレビの音。父は立ち上がり、ヨウコを呼びに行く。「やっぱりウチがいいんだな。よく眠ってる」「眠ってないのかしら」「おつまみないか?」。ビールを飲む父。配膳する母。
 電灯をつけるヨウコ。台所。母「何、起きたの?」「何か残ってる? 温めて食べる」。和室にも電灯をつける。「キンピラ食べる?」「ご飯、残ってる?」「うん、これ」「はーい」。
 「これ食べてもいい?」「うん」。見つめる母。食べるヨウコ。「あのさあ」「何?」「うん」「何よ」「妊娠してるんだ」「誰?」「~の彼」「うん」「私、結婚しない」「親御さんは知ってるの?」「うん。自分でちゃんと育てる」。
 田舎の家。6人の人がお墓参りに。
 車と列車がすれ違う。
 店でそばをすする3人の後ろ姿。
 居眠りをする父。麦茶を飲むヨウコ。「母さん、自転車借りる」「車に気をつけてよ」「はーい」。父、目覚める。「どうする? お父さん。お父さんからヨウコに言ってよ。ずるいわ、お父さん。大事な時はいつも言わないんだから」「相手の人は働いてるのか?」「ヨウコは預金ないわよ」。父、立ち上がり、扇風機の正面へ。「私たちは年金暮らしだし、そろそろ、お父さん、言ってよ」。立った父の後ろ姿。
 雨の中、自転車を降り、駅で雨宿りするヨウコ。「すいません。トラちゃんは?」「寝てる。トラちゃん、知ってるの?」「高校のとき。少し太った?」「皆からエサをもらって。もうおばあちゃんだから」。
 喫茶店。携帯電話。「会わせていただくだけで光栄です」。店にも電話。店長「ちょっと待ってください。電話です」とヨウコに受話器を渡す。「もしもし、はいはい、あー、はいはい、うんうん、あーはいはい、ありがとう、じゃあ後で取りに行く。じゃあ後で。バイバイ」。「母さん聞いた? ハジメのこと聞いた? 若い女がいきなり訪ねてきて、ハジメに交際を申し込んだんだって。スゴくない?」「で、何だって? ハジメちゃん」「周りは財産目当てじゃないかとか、何か裏があるんじゃないかとか噂してるけど、う~ん、何だろう? 聞いてない?」「聞いてない」。
 交通量の多い道を歩くヨウコ。
 「う~ん、あっ、これがね、話してた内容にすごく近い」「う~ん、Outside of the there」。柱時計。その下にカレンダー。キーッと自転車のブレーキの音。「コーヒーで~す」珈琲の出前が来る。「あっ、このひまわり覚えてる」「この珈琲は?」「いろいろいるんだ。びっくりした。でも不思議。何でだろう? 何か読んだことあるかも」「それ、夢に出てきた奴に近い?」「うん、いただきます」。(明日へ続きます……)