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ダニエル・エスピノーサ監督『チャイルド44 森に消えた子供たち』その4

2017-02-08 07:01:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
貨車の中で鈍器を持った男が近づいてくる。レオは目を覚まして、乱闘となる。ライーサは襲いくる男を次々にナイフで刺していく。男に絞殺されかかっていたレオも、ラシーナのナイフのおかげで反撃し、相手を殺す。遠巻きに見ている他の乗客。レオ「列車を降りないと」ラシーナ「あの奥にいる警護兵がナイフを」。ドアを激しく叩き、警護兵がドアを開けたところでレオが一気に警護兵を倒し、森の斜面にライーサとともに飛び降りる。
赤い旗。汽車、スピードを下げる。
貨車に乗っていた人々に尋問。並べられる死体。
「ウラジミール、確か最初の頃の事件は、この辺。特に集中しているのがロストフ。多分、その男はここに住んでる。俺もレオならここへ行くだろう」。
トラックを止め、ヒッチハイクをするラシーナとレオ。
“ロストフ”の字幕。工場。レオとラシーナ、労働者に紛れて管理事務所に潜入を図る。「30分したら……」とレオが出発。待つラシーナ。レオは管理人をトイレで拳銃を使って脅し、言うことを聞けと言う。
並んで歩くレオと管理人は、事務所へ。レオは複数の日付と場所を示し、外回りの者の出張記録と突き合わせろと言う。
管理人「この男だ。ヴラド・マレヴィッチ」。
ヴラドを追うレオ。後ろを気にして歩くヴラド。ヴラドは車で去る。
MGB「工場の事務所で従業員が襲われた。雇用者のリストの一部が盗難に会っている。あの2人の仕業だろう」。
レオ「あの車だ」ラシーナ「気をつけて」。車、エンジンかけっぱなし。「あそこに誰かがいる」。拳銃を構えて近づくレオ。フラフラのヴラド。レオに気づくと「来たか。懐かしい風景だな。林と川辺で食べ物を探し回った。ネズミをだ。君のことは知ってる。私と同じく孤児院育ちだ。戦争が転機となった。君は英雄。私は軍医だったが、英雄も怪物もどっちも人殺しだ。君は平気で子供を不幸にしたろ? MGBとして君は進んでそうしてきた。でも私は抑えられない。どうしても」。イワンが現れ、ヴラドを射殺。ラシーナを人質にして、レオに銃を捨てさせる。「ひざまずけ。こうしてると思いだすよ。あの農民オクンを。彼は無実だった? 君は無実か? 兄貴面でいつも説教ばかりだったな。残念だが……」ラシーナ「止めて」「そんな目で俺を見るな」。イワン、ラシーナを殴り、その隙にレオはイワンに飛びかかる。泥だらけの乱闘。レオはイワンに腹を刺され、ラシーナはイワンに絞殺されそうになるが、まだ死んでいなかったレオはイワンをナイフで刺し、最後には頭を岩に叩きつけて殺す。駆けつけるMGBの人々。レオ「その男は犯罪者だ。君たちの上官は奴を捕まえようとして非業の死を遂げた。彼はMGBの英雄だ」。ラシーナ、空を見る。
汽車。
レオに「復帰おめでとう。少佐は昨日逮捕された。時代の流れだ。今は新体制となった。君の昇進は私が決める。国の新しい保安組織に、望むらくは将来政治局への道もある。ヴラド・マレヴィチ、新聞の命名は“ロストフの狼男”。彼は2年ドイツの捕虜収容所にいた。2年いて無事なら当然転向が疑われる。ナチの手先として帰国した」「でもロシアの孤児院出身では?」「彼は敗戦の報復に送り込まれたんだ。ソ連社会が怪物を生んだと我々に思わせたくて。だが実際は“汚染”されていた。西側にいる間に。君はどう思う?」「確認するのは難しいです。どちらの社会のせいでヴラドがああなったか。昇進の件ですが、別の希望があります。モスクワに殺人課を新設し、その責任者になりたいのです」「そんな部署が必要か?」「お言葉の通り、殺人は国を揺さぶる陰謀です。ではヴラドは?」「あの男はやはり西側に毒されて帰国したんだ。願いは考えとこう」「もう一つお願いがあります。ネステロフ将軍を新部署に迎えたいのです。事件捜査における彼の経験と能力は役に立ちます」。去る上司。
レオとライーサに院長「いました。会いますか? 今すぐ? では控室に」。2人の子供が立っている。レオ「妻のライーサで小学校の先生をしている」院長「エレーナとタマーラです」ライーサ「座りましょう。私たちの家で暮らさない?」「うちに来た人ね?」「私たちは2人のお世話をしたいの。勉強も教えてあげるし、お散歩したり、いろいろなことを」レオ「ご両親は返せない。すまないと思ってる」。悲し気な子供たち。「嫌なら無理強いはしません。別の家でもいいの。ここを出してあげると約束するわ。外で待ってるから、よく考えてね。ゆっくりと」。スーッと涙を流す姉は妹の手を握る。
「ライーサ、今でも思ってるか? 俺のことをどうしようもなく恐ろしい男だと。怪物だと」「いいえ」。子供たちと院長が出て来る。立ち上がるライーサとレオ。子どもたちの鞄をレオが両手で持ち、ライーサは子供の手を握り、階段を降りて行き、映画は終わる。

汽車が何度も出て来る重厚な画面に圧倒されました。文句なしの傑作です。