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加藤泰監督『宮本武蔵』その1

2017-02-14 07:05:00 | ノンジャンル
 一昨日、神奈川県の茅ヶ崎市と大磯町の境にある高麗山の野鳥の観察会に参加してきました。コゲラを間近で見られ、イカルも双眼鏡で存分に見ることができました。帰りには南林間のタイ料理屋、イーサン食堂で念願の豚ラープを食べることもでき、充実した一日を過ごせました。

 さて、加藤泰監督の’73年作品『宮本武蔵』をWOWOWシネマで見ました。
 “慶長5年(1600)9月15日、天下分け目の関ケ原の合戦は、朝からタッタの6時間の死闘の末、東軍(徳川)の圧勝に終わった”の字幕。雨。“勝利は敗者の一兵とも許さず、仮借なく追及した”の字幕。雷。仲間の又八(フランキー堺)の名前を呼ぶ武蔵(たけぞう)(高橋英樹)。「傷はどう?」「死ぬかもしれん」「お主が死んだら、年老いた親はどうするんじゃ? 身寄りのないお通さんはどうなるんじゃ?」「お通の笛の音が聞きたい。武やん、頼む。お通さんを幸せにしてくれ」。又八を担ぐ武蔵。
 雨止む。眠る2人。死んだ兵士の刀を集めていた朱美(倍賞美津子)は、生きている2人に驚く。「おかーさーん」。駆けつける母。又八「伏せろ! 死んだ真似をしろ」。騎馬が通過する音。
 タイトル。
 “作州・宮本村”の字幕。笛を吹くお通(松坂慶子)。「おーい、武蔵(たけぞう)が捕まったぞう」「この人でなし!」村の人々が集まって来る。又八の母のお杉(任田順好)「わしのせがれを見殺しにして逃げてきたな」「又八は生きてる。元気に暮らしてる。伊吹山のふもとである人と」「ある人とは?」「それは知らん」「出鱈目を言いくさって」「違う。又八が生きていることを知らせるために帰ってきたんだ」お杉「沢庵和尚、息子の敵討ちのお許しを」村人「ぶち殺してしまえ」沢庵(笠智衆)「こら、待て。縛ったままで敵討ちは卑怯だ。4,5日雨ざらしにして、弱ったところを殺ればいい」「よーし、上げろ」。千年杉に吊るされる武蔵。「沢庵、約束が違うぞ。同じ捕まるなら役人よりも仏の方が人間らしいと言ったじゃないか? これが人間のすることか? お坊さんのすることか?」。
 「お通さん、手紙が」。手紙を読むお通は、固い表情に。「又八は当家でもらう。又八は戦死したと思ってお忘れください。お甲」。
 夜。沢庵「武蔵、不憫じゃのう。返事する元気もないのか? 腹減ってるか?」「ふざけるな! 縄をほどけ」「お前はケダモノだ。そこなら見晴らしも良かろう。世の中を見て、考え直せ。人間なら今を惜しむはず。お休み」「行かないでくれ。助けてくれ。和尚! まだ死にたくない」。泣く武蔵。
 お通、武蔵の許へ。「うちを連れて逃げて。ここにはいたくない」と縄を切る。それを遠くから眺める沢庵。
 逃げる2人。手紙の話をするお通。「これで良かった。武蔵さんと逃げる決心ができた」「ここで別れよう。私には親父の剣道の道しか残されていない。女を連れて修行はできん」「だましたの? うちはあんたと。うちが嫌い?」「好きじゃ!」。お通を抱っこして走り出す武蔵。
 川。「怒ってるんか?」。武蔵、お通を押し倒す。「いけん。そないな人やったんか?」「わしが悪いんか? お通さん」。武蔵、駆け出す。「武蔵さん!」。後を追うお通。
 「これから3年武蔵の消息はぷっつり切れた。伝えるところによると、沢庵のため、姫路の城に閉じこめられ、そこを再生の母の胎内として、満願の書を読まされていたと言われている。お通はその城下の外れの花田橋のほとりで武蔵を待って待って待ち暮らした。が、武蔵は来なかった。そして月日がまた流れた。世情もまたもや関東・大阪の最後の決戦の噂で騒然となっていた。そして」のナレーション(米倉斉加年)。“京都”の字幕。吉岡清十郎(細川俊之)は昼間から朱美に三味線を弾かせ、酒を飲んでいる。朱美を押し倒そうとし、避けられる清十郎。朱美の叫び声を聞いて、駆けつけた両親は、清十郎が吉岡家の後継ぎだと言って、朱美にお酌をするように言う。「いつまでも子供なので」「いくつになる? 16か、17か」朱美「うれしいな。あたし、16の時、いいことがあったんだ。関ケ原のあった年」「くだらんこと言ってないで、三味線でも聞かせてさしあげて」。
 祇園藤次(穂積隆信)「あのご執心ぶりだと間違いないな」「あの人の腕が悪いんですよ」「吉岡家にはお金がうんとある」「親が良けりゃ、娘は文句はあるまい」。又八、現れる。親「何だよ。いつまでも亭主面しやがって。あっち行っとくれ」。又八、一旦座るが、「ちょっと出かけてくる」「酒代だ。なるべくゆっくりな」「ふん、売女め」。又八、家を出ると、侍たち「この家の者か? 吉岡の若先生がいるはずだ」。出てきた清十郎に「道場破りです。めっぽう強い奴で、宮本武蔵(むさし)と名乗っています」。又八「むさし?」。(明日へ続きます……)