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加藤泰監督『人生劇場 青春・愛欲・残侠篇』その1

2017-02-19 05:39:00 | ノンジャンル
 加藤泰監督・共同脚本の’72年作品『人生劇場 青春・愛欲・残侠篇』をWOWOWシネマで見ました。ちなみに下記の「~」は、よく聞き取れなかった台詞です。
 沸騰するヤカン。風の音。拳銃に弾をこめる瓢太郎(森繁久彌)。瓢吉宛ての手紙を書き、茶を飲む。眠る妻(津島恵子)。拳銃自殺する瓢太郎。銃声で駆けつける吉良常(田宮二郎)「大旦那さん……。立派にやんなすった」。
 タイトル。
 “大正五年・秋 東京”の字幕。汽車の音と煙。“高山自転車”の看板。」
 “貸し間あり”の看板。
 セックスする瓢吉(竹脇無我)とお袖(香山美子)。「青成さーん、電報ですよ」「借金取りか?」。体を離す2人。タバコを吸い、物思いにふける瓢吉。お袖「亡くなったわ、お父さん。行くんでしょ?」「お前、一旦帰ってろ」「どこへ?」「柳水亭へ」「そうね。私たち、潮時かも」。お袖、泣き出す。「いいのよ、いつか捨てられる。時が来るまで待っててくれって約束したの、覚えてる? 初めて会った時、あなたは早稲田の学生で、私は女中。酔った私に口移しで水を飲ませてくれたわよね。あんたのためなら何でもするつもり」「一人前の小説家になるまでは待ってくれ」。お袖、財布を取り出し「30円入ってるわ。お母さんの好きなものを買っていってあげて」。
 “三州・横須賀(吉良)”の字幕。玄関に男「ごめんよ。誰もいねえのかい?」吉良常「よりによってこんな日に借金取りか?」「返す気あるのか?」「てめえ、随分はぶりがよさそうじゃねえか? 御恩があるお方だったんだから、棒引きにしろ。高利貸ししやがって。辰巳屋ののれんには手を触れさせない」。
 男、床屋のヤクザの元へ。「どうした三平? 吉がムショから出て来たって? 10年前の借りを返してやる。ぬけぬけとしゃしゃり出やがって。血の雨を降らせたる」。床屋から駆け出すヤクザ。「お勘定は?」と店主。
 瓢吉、帰宅。吉良常「若旦那。これが形見のピストルです」。手紙を読む瓢吉。母「何て書いてあるんだい?」「借金には払うなって書いてある。読むよ。“やりたいことをやれ。母を第一に大事にしろ。墓はいらない。辰巳屋ののれんも気にするな。お前が立派な男になれば、それで辰巳屋を継いだことになる”」。
 葬列。
 葬儀。瓢吉にヒソヒソ話をする男。その場を後にしようとする瓢吉は、こんにゃく和尚(伴淳三郎)に呼ばれる。「どうした?」「吉さんのことで急用が。~組の連中に連れていかれたらしい」「ほっとけないのか? 瓢太郎は何もかもお前にかけて死んでいったんだ。気をつけろよ」。
 ヤクザ「10年前に親分が世話になったな。いい気になりやがって」。駆けつけた瓢吉「待て」と拳銃を構える。ヤクザ「覚えてやがれ」と逃げ出す。吉良常「あっしのような者のために。ありがてえ」「常さん、何だい、こりゃ?」「何かないかって、ハサミを持ってきたんだが、こんなのあってもしょうがないですね」「俺のも全部空砲だよ」。笑い合う2人。
 家を出る瓢吉とその母と吉良常。母「東京に出る前に横浜の姉のところへ寄りたいのだけれど」瓢吉「東京に出たら、またいつ戻れるか分からない」吉良常「あっしがお送りしましょう。若旦那は先に行ってくださいまし」。
 “それから三年 大正八年・夏 東京”の字幕。どしゃぶりの雨。背中に見事な刺青を入れている飛車角(高橋英樹)とおとよ(倍賞美津子)がセックスをするのを覗く奈良平(汐路章)。宮川(渡哲也)が現れ、飛車角に「すぐ来てほしい」。飛車角、おとよに「~の兄貴のところに行ってくれ。俺たちのいる場所がばれた訳じゃない」「お前さん、気をつけて」。
 小金親分(田中春男)「角さん、わらじを履いてくれ。急な訳ができたんだ」飛車角「~一家に殴り込みでしょう。お供させていただきます。それでないと男の仁義が通りません」「すまねえ。力を借りるぜ」。
 土砂降りの雨の中、殴り込みは成功する。
 雨止んでいる。帰る小金組と飛車角。皆、いい気になって浪花節を歌いだす。飛車角「親分のピストルを一丁落としてきたみたいですね。あっしがちょっと探してきます。ただ一つ頼みが。おとよを芝浦のところへ移してくださいませんか?」。
 飛車角「ありましたよ。ピストル。安全装置がかかったままだ。あれ、皆さん、随分お静かで」小金親分「それが角さん、おとよさんがいねえんだよ。おかみさんが言うには、夕方自動車で連れていかれたらしい。目玉のぎょろっとした男だったと」「それは奈良平だ。どうして今頃? なに、心配ありません。懸賞金が目当てなんでしょう」。(明日へ続きます……)