WOWOWで増村保造監督の'70年作品「やくざ絶唱」を見ました。
妾の母を早く亡くした兄(勝新太郎)が父違いの妹(大谷直子)を育て、彼女が大人になっても言い寄る男をことごとく撃退します。妹はそんな兄に反発し、好きでもない男と寝て、自分は兄とは結婚できないことを兄に思い出させ、好きな男と結婚することを宣言します。兄は妹の言い分を認め、生きがいを失った人生に別れを告げるため、自分の属する暴力団を対立する暴力団のボスを死を覚悟で単身殺しに行き息果てる、という物語です。
増村監督独特の暗く激しい情念が兄と妹の間に燃え盛り、悲劇的な兄の生涯が叩き付けるような勝新太郎の演技とともに浮き彫りにされます。まさに正面から人間を描いた傑作と言えると思います。照明が暗く、私の好きは大谷直子の顔がはっきりと見えなかったことは悔やまれますが、彼女独特の柔らかい声が聞こえただけでも良しとしなければならないのでしょう。また見ていない方には、オススメです。
以下、少し長くなりますが、詳細なあらすじを載せておきましたので、興味のある方はご覧ください。
女に拷問を加える男2人。そのそばでタバコを吸う黒メガネの男・立松(勝新太郎)は、拷問を止めさせ、これからは客から取ったかねは石川組にきちんと入れろと言い、女を解放する。立松は男たちに、社長に確かにヤキを入れといたと伝えとけ、と言い、去る。
石川組の立松の子分・本田は3人の男に半殺しにされている。そこへ立松が現れ、3人を殴り倒し、3人から治療代を巻き上げようとするが、パトカーの音が聞こえると、立松と本田は逃げ出す。
指輪を買う立松。家に帰って情婦にやると、情婦は大喜びする。18才の妹の茜(大谷直子)が帰ると、一緒に来た本田を立松はボコボコにする。立松は茜に言い寄る男は許さない。そんな兄に抵抗する茜に対して、立松はちゃぶ台をひっくり返すが、茜は暴力を振るうなら家を出ると言い、立松は謝る。
立松は妾だった母と違って茜に身の堅い女になってほしいと言う。そこへ茜の様子を見に、養子のユウジ(田村正和)を連れて茜の父がやってくるが、立松は追い返す。
情婦が帰って来て、抱いてくれと立松にせがむが、彼は暴力で答える。
教師の貝塚(川津祐介)は、読書をしている茜に声をかけ、成績優秀な彼女に大学に行くことを勧めるらめに、茜の兄と会おうと言うが、茜は兄が先生を殴るだろう、と言う。
一方、石川組の社長は、縄張りを荒らしている東風会のメンバーの写真を見せ、トップの殿山を立松が殺すことになるが、立松は妹の世話があるので、警察には別の人間を立ててもらうように頼む。
社長からもらった金で茜に着物を買ってやるが、情婦の女は嫉妬し、茜に男を近付けないのは異常だと言うと、立松はいつものように暴力を振るい、レイプしようとするが、茜が止める。情婦の女は「夫婦気取りで楽しみな」と捨て台詞を残し、出て行く。
茜は部屋に閉じこもる。立松はサウナに入っている殿山を殺し損なう。その留守のすきに茜は貝塚の家を訪ね、抱いてと迫り、貝塚のものになる。貝塚は責任をとって将来結婚しようと言うが、体を汚せば兄と離れられると思ってやったのだから、今後は他人になってほしい、と茜は言う。
家に帰った茜が男に抱かれたことを話すと、立松は「相手を言え」と迫り、茜を殴る。茜はこれからは自分の思った通りに生きると宣言する。
立松はやけ酒を飲みに行ったバーで東風会の連中とケンカになり、駆け付けた警官も殴り倒し、逮捕される。面会に来た茜に、立松は70万の入った通帳をやると言い、茜は兄が自分から離れるために刑務所に入る決心をしたことを知る。
父が訪ねて来て、茜に一緒に住もうと言うが、茜はここで兄を待つと言う。そして父に仕事を見つけてもらう。夜にユウジが訪ねて来て、父の命がもう長くないので、見舞いに来てほしいと言い、茜は兄と似て優しいと言う。ユウジが家に電話すると、たった今父が死んだと言う。ユウジは茜を連れていくが、父の妻は茜を家に入れず、叩き帰す。
面会で本田が立松に、石川組の連中が殺しが嫌で刑務所に入ったと立松のことを笑っていると伝えると、保釈金を払って留置所から出る。
ユウジと茜は恋人になる。養子を脅しの種にして父の妻を立松はゆすり、14万円を手に入れる。一時はバーの社長の妾になることも考えるが、茜はユウジが忘れられず、彼を呼んで、彼の体を求める。茜はユウジと一緒になることを兄に言うと、兄はユウジを殺すと言う。茜はユウジに兄を殺してくれと言うが、ユウジが拒むと、アカネはユウジに帰れと言う。茜は兄を刺そうをする。茜は一生兄と一緒に暮らしてもいいが、兄妹だから結婚できないので死ぬしかないと言う。兄は茜を死なす訳にはいかないと言い、ユウジと結婚して幸せになってくれと言い残し、東風会の殿山を殺しに行き、殿山を殺した後、手下に殺される。
妾の母を早く亡くした兄(勝新太郎)が父違いの妹(大谷直子)を育て、彼女が大人になっても言い寄る男をことごとく撃退します。妹はそんな兄に反発し、好きでもない男と寝て、自分は兄とは結婚できないことを兄に思い出させ、好きな男と結婚することを宣言します。兄は妹の言い分を認め、生きがいを失った人生に別れを告げるため、自分の属する暴力団を対立する暴力団のボスを死を覚悟で単身殺しに行き息果てる、という物語です。
増村監督独特の暗く激しい情念が兄と妹の間に燃え盛り、悲劇的な兄の生涯が叩き付けるような勝新太郎の演技とともに浮き彫りにされます。まさに正面から人間を描いた傑作と言えると思います。照明が暗く、私の好きは大谷直子の顔がはっきりと見えなかったことは悔やまれますが、彼女独特の柔らかい声が聞こえただけでも良しとしなければならないのでしょう。また見ていない方には、オススメです。
以下、少し長くなりますが、詳細なあらすじを載せておきましたので、興味のある方はご覧ください。
女に拷問を加える男2人。そのそばでタバコを吸う黒メガネの男・立松(勝新太郎)は、拷問を止めさせ、これからは客から取ったかねは石川組にきちんと入れろと言い、女を解放する。立松は男たちに、社長に確かにヤキを入れといたと伝えとけ、と言い、去る。
石川組の立松の子分・本田は3人の男に半殺しにされている。そこへ立松が現れ、3人を殴り倒し、3人から治療代を巻き上げようとするが、パトカーの音が聞こえると、立松と本田は逃げ出す。
指輪を買う立松。家に帰って情婦にやると、情婦は大喜びする。18才の妹の茜(大谷直子)が帰ると、一緒に来た本田を立松はボコボコにする。立松は茜に言い寄る男は許さない。そんな兄に抵抗する茜に対して、立松はちゃぶ台をひっくり返すが、茜は暴力を振るうなら家を出ると言い、立松は謝る。
立松は妾だった母と違って茜に身の堅い女になってほしいと言う。そこへ茜の様子を見に、養子のユウジ(田村正和)を連れて茜の父がやってくるが、立松は追い返す。
情婦が帰って来て、抱いてくれと立松にせがむが、彼は暴力で答える。
教師の貝塚(川津祐介)は、読書をしている茜に声をかけ、成績優秀な彼女に大学に行くことを勧めるらめに、茜の兄と会おうと言うが、茜は兄が先生を殴るだろう、と言う。
一方、石川組の社長は、縄張りを荒らしている東風会のメンバーの写真を見せ、トップの殿山を立松が殺すことになるが、立松は妹の世話があるので、警察には別の人間を立ててもらうように頼む。
社長からもらった金で茜に着物を買ってやるが、情婦の女は嫉妬し、茜に男を近付けないのは異常だと言うと、立松はいつものように暴力を振るい、レイプしようとするが、茜が止める。情婦の女は「夫婦気取りで楽しみな」と捨て台詞を残し、出て行く。
茜は部屋に閉じこもる。立松はサウナに入っている殿山を殺し損なう。その留守のすきに茜は貝塚の家を訪ね、抱いてと迫り、貝塚のものになる。貝塚は責任をとって将来結婚しようと言うが、体を汚せば兄と離れられると思ってやったのだから、今後は他人になってほしい、と茜は言う。
家に帰った茜が男に抱かれたことを話すと、立松は「相手を言え」と迫り、茜を殴る。茜はこれからは自分の思った通りに生きると宣言する。
立松はやけ酒を飲みに行ったバーで東風会の連中とケンカになり、駆け付けた警官も殴り倒し、逮捕される。面会に来た茜に、立松は70万の入った通帳をやると言い、茜は兄が自分から離れるために刑務所に入る決心をしたことを知る。
父が訪ねて来て、茜に一緒に住もうと言うが、茜はここで兄を待つと言う。そして父に仕事を見つけてもらう。夜にユウジが訪ねて来て、父の命がもう長くないので、見舞いに来てほしいと言い、茜は兄と似て優しいと言う。ユウジが家に電話すると、たった今父が死んだと言う。ユウジは茜を連れていくが、父の妻は茜を家に入れず、叩き帰す。
面会で本田が立松に、石川組の連中が殺しが嫌で刑務所に入ったと立松のことを笑っていると伝えると、保釈金を払って留置所から出る。
ユウジと茜は恋人になる。養子を脅しの種にして父の妻を立松はゆすり、14万円を手に入れる。一時はバーの社長の妾になることも考えるが、茜はユウジが忘れられず、彼を呼んで、彼の体を求める。茜はユウジと一緒になることを兄に言うと、兄はユウジを殺すと言う。茜はユウジに兄を殺してくれと言うが、ユウジが拒むと、アカネはユウジに帰れと言う。茜は兄を刺そうをする。茜は一生兄と一緒に暮らしてもいいが、兄妹だから結婚できないので死ぬしかないと言う。兄は茜を死なす訳にはいかないと言い、ユウジと結婚して幸せになってくれと言い残し、東風会の殿山を殺しに行き、殿山を殺した後、手下に殺される。
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