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オリバー・ヒルシュービーゲル監督『ヒトラー 最期の12日間』

2007-11-26 15:15:35 | ノンジャンル
 WOWOWでオリバー・ヒルシュービーゲル監督の'04年作品「ヒトラー 最期の12日間」を見ました。以前にも一度見ていた気がして、見始めると確かに見覚えのある役者が演じていたので、初めて見るのではないな、と思いましたが、細部は一部を除いて全く忘れてしまっていたので、新鮮な気持ちで見れました。ちょっと長くなりますが、あらすじを紹介すると‥‥。
 ヒトラーの秘書候補がドレスデンの総統本部に真夜中に連れて来られます。ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)は「こんな時間に申し訳ない」と言い、1人1人に名前と出身地を聞き、ヒトラーの故郷ミュンヘン生まれの22才の娘が選ばれます。彼の部屋には愛犬がいて、彼女にもリラックスするように言います。さっそくタイプを使った口述筆記が始まります。彼女のミスにヒトラーはとても寛大でした。
 ヒトラー56才の誕生日、敵の砲撃が市の中心部を襲います。敵が12キロのところまで迫っていると聞き、怒り狂ったヒトラーは空軍司令官を全員クビにします。側近はヒトラーに首都から避難し、外交での解決を進言しますが、拒否されます。役人には全員退去の命令が下され、書類が燃やされます。内部に撤退する、しないで争いが起きます。SSはヒトラーの意思に反し、連合軍との交渉を開始します。また陥落後の首都の治安も担当しようとします。ヒトラーはこの期に及んでも戦争に勝ち、文化の華である新都市の計画を語ります。
 市街戦に備え、市民は避難し、道路には迫撃砲が備え付けられ、子供が志願して、兵隊の制服とヘルメットを身につけ集まって来ます。なお戦おうとする若い兵士に撤退を勧める上官。側近の現状報告に怒り狂って不可能な反撃命令を出すヒトラー。そして首都を前線とした特殊作戦の実行を命じます。市民の命は無視しろとも言います。ヒトラーへの忠誠をめぐって言い争う側近たち。ヒトラーはヒトラー・ユーゲントとして正式に子供の兵士を戦場に送りだします。
 ヒトラーの愛人エヴァは地下の参謀本部のホールでパーティーを催しますが、砲弾を浴び、電灯が点滅する中で、人々は逃げまどいます。地上では集中砲火を浴び、軍は既に機能していませんでした。西への撤退を命じた軍の指導者は、銃殺命令を受け、抗議のためにヒトラーのもとに出頭し、逆に首都防衛司令官に任命されます。医師が病院を訪ねると、入院患者は老人を除いて皆殺されていました。
 市街戦が始まります。手足をもがれた者、頭を撃ち抜かれた者らが路上の至るところに転がっています。相変わらず怒り狂いながら、実行不可能な作戦の実行を迫り、実行できない将校たちを侮辱するヒトラー。そして落ち着きを取り戻したヒトラーは戦争の負けをやっと認め、指揮を放棄し、秘書には1時間後の飛行機に載るよう言いますが、秘書たちは最期までヒトラーに仕えると言います。
 砲撃後の静かな市街を散歩するエヴァと秘書。市街戦が再開されます。SSは市民狩りを始めます。首都防衛司令官と医師は避難所に食料と医療品を運びますが、そこは悲惨を極めていました。ゲッペルスは市民軍を召集し、虐殺されるに任せます。自ら地下の総統本部へ家族を連れて行き、ヒトラーを慰めようとします。ヒトラーはヒムラーが置いていった自殺用の毒薬を取り出すと、秘書たちもほしがり、ヒトラーは与えます。エヴァは別れの手紙を妹に書き、宝石類を贈ります。
 市街戦で死にゆく少年兵たちと嘆き悲しむ母たち。ヒトラーはまた実行不可能な攻撃の妄想に駆られます。ゲーリングはヒトラーの死後、ヒトラーの地位を引き継ぎたいとテレックスを送ってきますが、ゲッペルスの一言で、ゲーリングは裏切り者のレッテルを貼られ、処刑命令が下されます。食事の席で、弱者への同情は自然に反すると説くヒトラー。その場でヒムラーの裏切りを知り、また怒り狂います。
 SSの医師団長は家族のことを思い、集団自決します。エヴァの懇願にもかかわらず、エヴァの妹の夫は裏切り者として処刑されます。犠牲者の多さを理由に、首都防衛司令官はじめ側近はヒトラーの首都脱出を進言しますが、ゲッペルスの助けを借りて、その進言を拒否します。ヒトラーは政治的遺言書を秘書に口述筆記させます。ヒトラーとエヴァは結婚式を行い、ヒトラーは自分とエヴァの遺体を完全に燃やすよう側近に言います。酔っぱらう将校たち。愛犬を毒殺するヒトラー。エヴァは秘書にヒトラーとの今までの関係を語り、必ず逃げ延びるように言います。エヴァは死に化粧をし、ヒトラーは「時が来た」と食卓で言い、側近やその家族たちと別れの挨拶をして、2人は個室にこもり銃で自殺します。遺体はすぐに地上に掘られた穴に運ばれ、200リットルのガソリンで焼かれます。SSは相変わらず、市民の虐殺を続けます。
 ソ連軍の代表がやってきますが、ヒトラーの側近たちは無条件降伏を拒否します。ゲッペルス夫妻は子供たちを全員毒殺し、ゲッペルスは遺書を秘書に口述筆記させます。エヴァに生きるように言われた秘書は地下壕の外に出ます。首都防衛司令官は、ソ連との合意に基づき、即時戦闘中止を呼び掛けます。ゲッペルス夫妻は地下壕を出て、銃で自殺し、遺体はやはりガソリンで燃やされます。秘書は兵隊の制服を着て、ヘルメットを被り、脱出し、兵士の集合場所に着きますが、そこは既にソ連軍に包囲されていました。降伏する者、あくまでも戦うというSSたち、その中で秘書は少年と手をつなぎ、ソ連軍の包囲を通り抜けることに成功します。結局SSも降伏を決めますが、その瞬間拳銃自殺、服毒自殺する者が出ます。秘書は少年と自転車で草原を賭け降りていくのでした、という話です。

 ヒトラーは非常に人間味のある人物に描かれ、エヴァもとても好感が持てる人物で、彼女もまたナチズムを信じたばかりにその犠牲になったことが分かります。映画自体も残酷描写がかなりあるものの、ドキュメンタリー・タッチで見ごたえがありました。ただ、惜しむらくは、映画が長過ぎるということでしょうか? 録画して見ましたが、早回しで見たところがいくつかありました。題材自体が面白いと思うので、ナチズムに興味のある方は一層楽しく見ることができると思います。

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