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森のみ込む牧牛

2007-11-17 18:36:04 | ノンジャンル
 10月28日の朝日新聞の朝刊に「森のみ込む牧牛 7500万頭飼育へ違法焼き畑 『大豆道路』急ピッチ」という見出しでかなり大きい記事が載っていました。
 ブラジルの熱帯雨林を違法に焼き、7500万頭の牛が放牧されていて、大豆の栽培も進み、その収穫した大豆を運ぶための道路の舗装を急ピッチで進めているという報告です。
 その結果、森を焼くことによって生じる煙りで肺炎になる子供が急増し、牛の増加でCO2の排出量は増加し、地球は世界で最大のCO2吸収量を誇るブラジルの熱帯雨林を失っていくことになります。
 こうした事態を招く最大の原因は、農産物の価格低下による農家の貧困化、もしくは資本主義の農家への浸透による農家への物欲の刺激にあるのでしょう。この点に関しては記事では触れられていませんでした。
 では、今後こうした状況を放置しておいていいものだろうか、CO2の吸収量が多い森林を再生させることはできないのか、というと、これはできるのだそうです。
 日本からの移民が約80年前に開いたトメアス移住地。森を再生する農業「アグロフォレストリー」というものが紹介されていました。「2世の坂口渡さん(47)の農園は118ヘクタール。マンゴスチン、ププーニャ、プシュリ‥‥多くの熱帯果実の名前が挙がる。『いろんな木が混じる原生林のように、全部が枯れることはない。バランスがとれているんだ』と話す。
 移住者はかつて、高値で売れるコショウの栽培のため、木々を切り焼き払い、広大な畑を作った。60年代後半には国内生産の4割を占めた。だが、病害と水害で壊滅し、多くの人がサンパウロなどに移った。
 それから約20年。1面のコショウ畑はカカオ、ライチなどが共に育つ深い森に姿を変えた。
 ブラジルは今、世界の食糧庫として単一栽培の道をひた走る。『病気、害虫が発生したらどうするのか。昔のトメアスと同じことをしているようだ』と坂口さん。」
 やはり単一栽培は非常に危険なようです。農業の再生にも「多様性」という言葉がキーワードになっているようですね。