スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」にて、ダニエル・シュミット監督の'74年作品「ラ・パロマ」を久しぶりに見ました。
賭博場で歌うヴィオラ(イングリット・カーフェン)は、余命数週間と告げられて、花束を贈り続けてきた客のイシドールの愛人になります。彼女はイシドールの母(ビュル・オジェ)に説得されて、イシドールと結婚しますが、イシドールの友人のラウルが来ると、彼と浮気し、イシドールにお金を出してもらい、2人で出て行こうとしますが、イシドールはお金を出す事を断ります。イシドールの自分に対する無償の愛を信じられなくなったヴィオラは部屋にこもり、毒物学を勉強し始めます。病気が再発し、美顔薬の研究に没頭し、彼女はついに死にます。3年後、彼女とかわした誓いを守るため、彼女の遺書をラウルと一緒に読みますが、そこには自分の遺体を掘り起こして、骨を礼拝堂に納めてほしいと書かれていました。これはイシドールの一族の慣習でもあったのです。実際に掘り起こしてみると、彼女の遺体は生きてるかのごとく、美しいままでありました。イシドールは彼女との約束を果たすため、ナイフで肉を削ぎ取り、骨だけにしていくうち、狂ってしまいます。と、場面は賭博場に戻り、今までの話はイシドールの一瞬の夢だったことが分かります。奇術師がトランプを繰りながら、「みなさん、永遠に忘れないで、忘れないで、‥‥」と語って映画は終わります。
非常に変わった映画です。私は初めてこの映画を見た時、あまりの面白さに「これこそ本物のエンターテイメントだ」と心の中で叫びました。映像的にも、幻想的な人物と音楽についても、とても独特な魅力があり、飽きさせません。特にほとんどのシーンで流れる不協和音のような不安な音が、時に映画を無声映画に変えたり、人の表情を奪ったりして、この映画のオリジナリティを強めています。デビュー作の「今宵かぎりは‥‥」でもそうでしたが、日常とは違う時間が流れている映画でした。最後に、イシドールの母を演じているビュル・オジェには一目惚れしてしまいました。この映画での彼女は本当に魅力的です。まだこの映画を見ていない方、騙されたと思って是非見てみてください。オススメです。
なお、詳しいあらすじは「Favorite Movies」の「その他」の項に載せておきましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
賭博場で歌うヴィオラ(イングリット・カーフェン)は、余命数週間と告げられて、花束を贈り続けてきた客のイシドールの愛人になります。彼女はイシドールの母(ビュル・オジェ)に説得されて、イシドールと結婚しますが、イシドールの友人のラウルが来ると、彼と浮気し、イシドールにお金を出してもらい、2人で出て行こうとしますが、イシドールはお金を出す事を断ります。イシドールの自分に対する無償の愛を信じられなくなったヴィオラは部屋にこもり、毒物学を勉強し始めます。病気が再発し、美顔薬の研究に没頭し、彼女はついに死にます。3年後、彼女とかわした誓いを守るため、彼女の遺書をラウルと一緒に読みますが、そこには自分の遺体を掘り起こして、骨を礼拝堂に納めてほしいと書かれていました。これはイシドールの一族の慣習でもあったのです。実際に掘り起こしてみると、彼女の遺体は生きてるかのごとく、美しいままでありました。イシドールは彼女との約束を果たすため、ナイフで肉を削ぎ取り、骨だけにしていくうち、狂ってしまいます。と、場面は賭博場に戻り、今までの話はイシドールの一瞬の夢だったことが分かります。奇術師がトランプを繰りながら、「みなさん、永遠に忘れないで、忘れないで、‥‥」と語って映画は終わります。
非常に変わった映画です。私は初めてこの映画を見た時、あまりの面白さに「これこそ本物のエンターテイメントだ」と心の中で叫びました。映像的にも、幻想的な人物と音楽についても、とても独特な魅力があり、飽きさせません。特にほとんどのシーンで流れる不協和音のような不安な音が、時に映画を無声映画に変えたり、人の表情を奪ったりして、この映画のオリジナリティを強めています。デビュー作の「今宵かぎりは‥‥」でもそうでしたが、日常とは違う時間が流れている映画でした。最後に、イシドールの母を演じているビュル・オジェには一目惚れしてしまいました。この映画での彼女は本当に魅力的です。まだこの映画を見ていない方、騙されたと思って是非見てみてください。オススメです。
なお、詳しいあらすじは「Favorite Movies」の「その他」の項に載せておきましたので、興味のある方はぜひご覧ください。