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ジェフリー・ディーヴァー『汚れた街のシンデレラ』

2007-11-09 18:12:58 | ノンジャンル
 ジェフリー・ディーヴァーの初期の作品「汚れた街のシンデレラ」を読みました。
 レンタルヴィデオ屋で働く若い女性ルーンは、ビデオを回収しにいってケリーという老人が殺されているのを発見します。彼は40年代に作られた映画「マンハッタン・イズ・マイ・ビート」のビデオを1ヶ月の間に18回も借りていました。その映画は銀行強盗の盗んだ100万ドルを警官が横取りし、そのことがばれて警官は刑務所に入り、出て来たところを射殺され、結局100万ドルの行方はわからなかった、という内容で、実話に基づいた映画でした。ルーンはこの映画とケリーが殺されたことが関係あると思い、ケリーは100万ドルのありかを知ってそれを誰かに教えたので殺されたのだと考え、危険だからと警官に止められたのにもかかわらず、独自に調査を開始します。
 ケリーの部屋に不法侵入し、手がかりを探していると、上に住むサイミントンという男が様子を覗いていて、ルーンがそれに気付くと、逃げ出します。すると、サイミントンの娘だというアリスンという女性が現れて、200ドルを出して父を探してくれ、と言います。ルーンは仕事仲間のステファンにも調査を手伝ってくれ、と報酬を渡し、ルーンはサイミントンが100万ドルのありかを知っていると思い、彼の現在の家を二人で探し出します。そして家に入っていくのですが‥‥。

 初期のこの作品から、既にスピーディーなストーリーの流れが確立され、一気に読めます。人物の性格描写も巧みで、ドンデン返しは何と3回もあり、ハッピーエンドで終わるのも後期の作品と同じです。こんなに面白い小説が今は絶版になって古本の文庫本でも2500円以上出さないと手に入らないというのは悲しいことです。しかし、2500円出しても読む価値のある本でもあります。ジェフリー・ディーヴァー・ファンの方、文句無しにオススメです。
なお、詳しいあらすじは「Favorite Novels」の「ジェフリー・ディーヴァー」の項に載せてありますので、興味のある方はご覧ください。