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クロード・シャブロル監督『美しきセルジュ』

2011-04-23 08:29:00 | ノンジャンル
 昨日、今年初めてのツバメを目撃しました。やはり季節は着実に夏へと進んでいるようです。

 さて、クロード・シャブロル監督・脚本の'58年作品『美しきセルジュ』をスカパーの洋画★シネフィル・イマジカで再見ました。
 「この映画はクルーズ県サルダンで撮影された。その地の住民および関係機関に感謝する」の字幕。結核の療養のため、一冬過ごすため12年ぶりに里帰りしたフランソワ(ジャン=クロード・ブリアリ)は、かつての親友・セルジュ(ジェラール・ブラン)が昼間から飲んだくれているのを見ます。セルジュは建築家になるため、奨学金を得て大学に進学することが決まっていましたが、イヴォンヌを妊娠させてしまったため、進学をあきらめて結婚するも、奇形児の死産に終わって以来、酒びたりの生活が続いているのでした。義父のグリモーとカフェで酔いつぶれ、妻とその妹マリー(ベルナデット・ラフォン)に手押車で家に運ばれるセルジュ。翌朝フランソワは家にセルジュを訪ねますが、セルジュは朝食も取らずに酒を飲み、材木屋の運転手の仕事に出ていきます。フランソワはマリーとすぐに親しくなり、彼女と寝ますが、彼女はグリモーが自分の実の父親ではないことを明かします。二人目の子供を身ごもっている妻に冷淡なセルジュは、どうせ次の子も奇形児だと言って妻を悲しませます。セルジュの留守中に彼の家を訪ねたフランソワは、イヴォンヌからほっておいてくれと言われますが、彼はあくまでもセルジュを助けようと、イヴォンヌと別れることをセルジュに勧めます。ある日グリモーにからまれたフランソワは、ついグリモーがマリーの実の父ではないことを言ってしまい、それを聞いたグリモーは笑いながら出ていきます。その日の午後、待ち合わせの場所にマリーが現れないのを不審に思ったフランソワは、マリーの家に行くと、彼女はグリモーに犯されたと言います。フランソワはグリモーを墓場に追い詰め、彼に掴みかかると、グリモーは発作を起こして倒れ、フランソワは逃げ出します。事情を知ったセルジュは、貧しさゆえのことでしかたがないとフランソワに言い、反発を買います。翌日の祭りで、マリーはフランソワにダンスをしようと誘いますが、フランソワはその気になれず、セルジュとマリーは踊り続け、やがて二人は激しくキスすると、闇に消えていこうとします。それを止めようとしたフランソワはセルジュに手ひどく殴られますが、それでもセルジュを救おうという気持ちは消えません。久しぶりに外出したフランソワはイヴォンヌに出会い、生まれる子への不安から鶏小屋でセルジュが寝起きし、仕事も辞めてしまったことを聞きますが、イヴォンヌは今度の子は前の子とは違うと言います。数日後フランソワは陣痛の始まったイヴォンヌに呼び出され、酔いつぶれたセルジュを吹雪の中探し出し、連れて来ます。イヴォンヌは無事に男の子を産み、その産声を聞いたセルジュは初めて心からの笑顔を浮かべるのでした。
 ジェラール・ブランとベルナデット・ラフォンの若々しい魅力が横溢していました。ジャック・リヴェットという役名の登場人物がいたことも記しておきたいと思います。ラストの古典的なカットバックも見物です。