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ジャン=リュック・ゴダール監督『女と男のいる鋪道』

2011-04-03 08:05:00 | ノンジャンル
 ジャン=リュック・ゴダール監督の'62年作品『女と男のいる鋪道』をDVDで見ました。
 ナナ(アンナ・カリーナ)の逆光の横顔と正面のクロースアップをバックに「12景からなる映画」などのタイトル。「他人に自分を貸さねばならない、ただし自分を与えるのは自分だけに限ること モンテーニュ」の字幕。「1 カフェ ナナのあきらめ ポール ピンボール」の字幕。食堂のカウンターに向うむきに座り口論をするナナと別居中の夫。ナナは写真家の彼に頼んで舞台女優になると言います。仲直りにピンボールをやる二人。「2 レコード店 2000フラン 自立」の字幕。レコード店で働くナナは、同僚に2000フランの借金を断られます。「3 管理人 夫 裁かるるジャンヌ 写真家」の字幕。管理人から鍵を奪って部屋に入ろうとして失敗するナナ。夫と会い子供の写真を見せられます。「裁かるるジャンヌ」の火刑を告げられるシーンを見て涙するナナ。深夜の食堂で写真家と会い、ヌード写真を撮ることになります。「4 警官 ナナの尋問」の字幕。女性が落とした1万フラン札を拾っただけだと警官の尋問に答えるナナ。「5 鋪道 最初の客 売春宿の部屋」の字幕。売春婦の溜まり場の鋪道を歩いていて、客に声をかけられ、部屋に入ったナナは、客のキスを嫌がります。「6 イベットに会う 郊外のカフェ ラウール 外では銃声」の字幕。売春婦になっていたイベットに鋪道で会い、カフェで彼女のヒモであるラウールに紹介されますが、外でマシンガンが撃たれ、血まみれの顔の男が「目が‥‥」と言いながら店に飛び込んできます。「7 手紙 再びラウール シャンゼリゼ」の字幕。雇ってもらいたい旨の手紙をカフェで書いていると、ラウールが現れ、手紙を取り上げてナナをスカウトします。「8 昼下がり 金 洗面台 快楽 部屋」の字幕。仕事の内容について話すラウールとナナのナレーションをバックに、次々と客を取るナナ。「9 若い男 ルイジ ナナは自分が幸福かどうか考える」の字幕。映画に行けなくてむくれるナナを笑わせるために、ラウールの知人のルイジは、風船を膨らませる少年のマネをします。若い男がタバコを買ってきてくれると、ナナはジュークボックスの曲に合わせて踊りまくります。「10 鋪道 ある男 幸福は楽しくない」の字幕。鋪道の壁に寄りかかり、タバコを吸うナナ。客のために他の娘を呼び、遠くを見るナナ。「11 ショトレ広場 見知らぬ人 ナナは知らぬ間に哲学を‥‥」の字幕。カフェで隣で読書する男に話しかけ、話すことについて対話するナナ。「12 若い男 楕円形の肖像 ラウール、ナナを売る」の字幕。ナナのクロースアップを前にして、ポーの「楕円形の肖像」を朗読する若い男。ナナと男が抱き合う様子を、字幕で無声映画として見せます。自分の部屋から乱暴にラウールに連れ出され、車に乗せられるナナは、客を断ることから売られることになったと言われます。金の受け渡しで金額が足りないと言うラウールに対し、相手は拳銃で脅し、双方の盾にされたナナは両方から銃弾を浴び、鋪道に倒れ、2台の車は走り去るのでした。
 アンナ・カリーナのクロースアップの美しさと、ジュークボックスで踊るダンスの素晴らしさが白眉の映画です。詳細については山田宏一さんの著書『ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代』を是非お読みください。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)