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ジャン=リュック・ゴダール『気狂いピエロ』

2011-04-19 01:38:00 | ノンジャンル
 ジャン=リュック・ゴダール監督の'65年作品『気狂いピエロ』をスカパーの洋画★シネフィル・イマジカで再見しました。
 テレビ局をクビになったフェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド)は、ブルジョワの妻の父から仕事を紹介してもらうように妻に言われ、妻の実家のパーティに連れていかれます。そのパーティに退屈した彼は先に家に帰ると、子供のお守をしていたマリアンヌ(アンナ・カリーナ)が終電が終わったにもかかわらずまだいたため、彼女を家まで車で送ることになります。彼女と5年ぶりに会ったフェルディナンは彼女と恋に落ち、彼女の部屋で朝を迎えますが、そこにはハサミで首を刺された男の死体があり、訪ねてきたマリアンヌの叔父を二人で倒した後、車で逃げ出します。犯罪を重ねながら地中海に至った彼らは、そこでヤスで魚を採り、弓で獣を狩る生活を始め、フェルディナンは日記をつけ始めますが、マリアンヌはやがてそうした生活に飽き、またスリルに満ちた犯罪の生活に戻ろうと言います。アメリカ人相手にベトナム戦争の芝居をして、金をせびる二人。マリアンヌは浜辺で「私の生命線」を歌います。やがて小人が現れると、マリアンヌはその小人と姿を消し、まもなくフェルディナンの元に助けを呼ぶ電話がかかってきます。フェルディナンが駆け付けると、そこにはマリアンヌのハサミをが首に刺さって殺された小人の死体だけがあり、やがて現れた二人の男はフェルディナンを拷問し、マリアンヌの居所と彼女と共に消えた5万ドルの行方を尋ねます。マリアンヌがディスコにいるかもしれないと言ったフェルディナンは解放され、彼女を裏切ったことで自殺を試みますが死にきれず、その後マリアンヌの姿を探し求めます。しばらくするとマリアンヌは彼の前に偶然を装って現れ、マリアンヌの兄のいる島へ二人で向かいます。フェルディナンは、彼を拷問した二人組から金を奪うため、マリアンヌと兄に協力させられることになり、それに成功しますが、マリアンヌは兄を装っていた彼女の情夫とともに金をフェルディナンから奪って船で逃げます。それを追ったフェルディナンは裏切ったマリアンヌを射殺しますが、自分も絶望し、頭にダイナマイトを巻いて自爆するのでした。
 そもそもあらすじが意味をなさないぐらいに、様々な文章や映像の引用に満ちていて、鮮烈な赤が印象に残る映画でした。アンナ・カリーナの魅力も横溢していたと思います。詳細に関しては、この映画の評論としては決定版とも言える山田宏一さんの『ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代』の文章を是非ご覧ください。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)