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アリ・フォルマン監督『戦争でワルツを』

2011-04-11 00:01:00 | ノンジャンル
 アリ・フォルマン監督・製作・脚本の'08年作品『戦争でワルツを』をWOWOWで見ました。
 凶暴な野良犬たちが走る姿をバックにタイトル。野良犬たちは上階の窓に現れた男に向かって吠えます。その男・ボアズは、その夢のことを映画監督である私に語り、それは20年前にレバノンに侵攻した際に、侵入者に対して吠えるパレスチナ人の村の犬を26匹射殺したことから来ているのだと言います。その話をボアズから聞いて以来、私はサブラ・シカティーラの虐殺に参加した夜に、海に裸で浸かった後、服を着て町に向かった場面がフラッシュバックするようになります。その時に一緒だったカルミの元に行き、話をしますが、彼はその時の記憶はないと言い、その代わり、戦車でのんびりと国境を越えて進軍し、突然隣の先輩が狙撃され、2分後には戦車も爆破され、武器も持たずに逃げ出し、他の仲間は全て殺された後、自分だけは岩陰に隠れて助かり、夜になって海を泳いで自国に戻った記憶を語ります。別の仲間フランケルに話を聞きに行くと、仲間に自分の存在を知らせるために体にオイルを塗り、テロ分子の捜索をしている時、ロケット砲を撃った子供を攻撃した記憶を語ります。心理学者のソロモン博士は、記憶が消える可能性もあることを私に語ります。私はボアズと再会して、休暇後にベイルート郊外の邸宅に集合させられたこと、その夜に自動車爆弾の疑いのある赤いベンツを迎え撃つために出動したこと、その時、レバノンの親イスラエルであるバシールが暗殺されたと知らされたことを思い出します。ベイルート行きのヘリで移動し、市街戦となり、その中をテレビ特派員のイシャイが背筋をピンとしたまま、道路を歩いてレポートしていたこと、フランケルが仲間のマシンガンを奪って、道で踊るようにマシンガンを乱射させていたことを思い出します。カルミと再会すると、ファランヘ党によって虐殺が行われたこと、パレスチナ人がなぶり殺しにされたと聞いたこと、バシールの写真が町中に張り出されていたことを思い出し、関係者への聞き取り調査を進めていくと、女性や老人、子供が競技場に集められたこと、パレスチナ人のケガ人たちが移送されていたこと、住民が壁の前に並ばされて射殺されるのを目撃したこと、それを本部に知らせると承知していると答えられたこと、イシャイがシャロン国防相に知らせても反応が鈍かったこと、翌朝イシャイが現場を訪れてると、夥しい虐殺死体が発見されたことが語られ、最後に嘆く女性と死体の実写フィルムが示されます。
 淡い色彩で、写真をなぞって描いたようにリアルな画面が特徴的なアニメでした。果樹園を機関銃を乱射しながら装甲車で進むシーンや、市街戦でレバノン人たちがベランダに出て戦闘を見物するシーンなど、幻想的なシーンもいくつかありました。変わったアニメが見たい方にはオススメかも。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)