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ジョン・フォード監督『馬上の二人』

2010-06-08 19:34:00 | ノンジャンル
 今日、鎌倉ガイド協会主催のイベントに参加してきました。私たちの班のガイドについてくれた千葉さんの楽しいガイドのおかげで楽しい一日を過ごすことができました。またお会いできるのを楽しみにしています。

 さて、ジョン・フォード監督の '61年作品『馬上の二人』をNHK・BS2で見ました。
 60キロ先のグラント砦からジム(リチャード・ウィドマーク)率いる陸軍の一隊がやってきます。彼は少佐(ジョン・マッキンタイア)の命令で、保安官のガスリー(ジェームズ・スチュアート)を連れていくと言い、酒場の主人であるベルに結婚を迫られ困っていたガスリーはその話に乗ります。少佐はコマンチ族の族長クアナと取引した経験があるガスリーに、この20年間にコマンチにさらわれた開拓者の家族たちを全員助け出す計画を陸軍の月給80ドルで引き受けてくれるように言いますが、金の亡者と化しているガスリーは助け出した者の家族から一人当たり500ドルを徴収するならと言い、少佐を激怒させます。ガスリーはジムと一緒に開拓者の家族一人一人から話を聞き、金を出せそうな開拓者からは誘拐された者の詳しい情報を聞き出します。7年前に8才だった娘フリーダをさらわれた男は、もうコマンチになりきって2、3人子供も産んでいるだろうと言って諦めさせようとするガスリーに全財産の285ドルを出すので頼むと言い、酒の製造会社の社長リングルは妻が連れ子をどうしても探してほしいと言って聞かないので、年齢が同じくらいなら誰でもいいから連れてきてほしいと1000ドルを提示します。トラブルメイカーである、牧師の2人の息子から言い寄られている勝ち気で美しい娘マーティは、9年前に8才だった弟がさらわれた時、当時13才だった自分が隠れていて何もしなかったことを悔やみそのことに責任を感じているとジムに語りますが、ジムは何もできなくて当然だったのだと慰めます。マーティはジムに付き添われてガスリーに弟を探してほしいと言いますが、リングルの酒で酔っていたガスリーは、弟は今頃完全なコマンチとなり、姉に会えばその場で強姦し、それに飽きたら姉を物と交換してしまうだろうと言って、端で聞いていたジムは泣き出したマーティを慰めます。そこへまた牧師の息子らがやって来てジムに難癖をつけ、ジムと二人はケンカを始めますが、そこへ駆けつけたジムの部下の軍曹(アンディ・ディヴァイン)は二人を川に叩き込みます。少佐はコマンチと陸軍が休戦協定を結んでいて陸軍の兵士がコマンチと接触することを禁じられていることから、ジムを脱走兵扱いしてガスリーに付き添わせることに決めます。足手纏いになると抵抗するガスリーをジムは無理矢理説得し、開拓民に気付かれないように早朝に出発しようとしていた二人は、突然現れたコマンチの一団に捕えられ、連行されます。族長クアナは以前交渉の場にいたジムのことを覚えていて反発しますが、ガスリ-は新品の連発銃を見せて交渉に入ろうとします。そこへ素手で白人を殲滅できると信じる族長ストーン(ウディ・ストロード)が現れ、すぐにジムらを引き渡すようにクアナに要求しますが断られ、ストーンは怒りを爆発させながらも一旦その場は引き、その夜クアナを挑発する踊りを踊り続けます。ガスリーは商品の替わりに白人を連れて帰りたいと言うと、クアナはもう完全にコマンチに同化しているウルフ青年と、コマンチの二人の子供を産んだワカナ、そしてストーンの妻の名前を上げ、しばらく考える時間がほしいと言います。ガスリーはワカナがフリーダであることを確認しますが、彼女は英語も忘れていてただ脅えるだけで、ガスリーは連れて帰ることを断念します。リングルの妻の息子用にウルフを、そしてクアナの好意でストーンの妻も連れて帰ることになったガスリーは、ストーンの妻自身から、彼女がメキシコ人のエレナという女性で、米陸軍のトンプソン中尉の恋人だったこと、彼の赴任地に向かう途中でさらわれたことを語り、自分を連れて帰るとストーンにガスリーが殺されるからと自分を連れ帰ることに反対しますが、ガスリーは危険なストーンをこの機会に殺す決心をします。わざと焚き火を起こしてストーンをおびき出し彼を射殺することに成功するガスリー。無意識にコマンチの葬儀の儀式を始めるエレナをガスリーが制すると、エレナは正気に戻って泣き出します。先に砦に戻ったジムはウルフを少佐に預けますが、暴れるウルフを留置所に入れると開拓民たちは好奇の目で彼を見ます。後に戻ったガスリーはフリーダは見つからなかったと彼女の両親に嘘を言い、ウルフは彼を息子と信じる少し頭がおかしくなっている女性のために彼女の夫のマッキャンドレスが引き取ることになります。マーティを陸軍のダンスパーティに誘うジムと彼のプロポーズを待つマーティ。少佐はガスリーとの雇用契約解除を言い渡し、銃のコマンチへの売買などの罪を許して釈放します。自分を頼るエレナにほだされてパーティに誘うガスリー。パーティの合間に明日早朝に遠くの故郷にマーティが帰ることを聞いたジムは、3ヶ月後の休暇に彼女の元へ行く約束をし、二人はキスを交わします。ドレスアップしたエレナを伴ってガスリーが現れると、エレナは好奇と軽蔑の目で開拓民らに見られます。ジムは部下たちにエレナと踊るように言いますが、皆態良く断り、頭にきたガスリーは彼らの足をわざと引っ掛けます。エレナに不躾な質問を浴びせる婦人たちに耐えられず、エレナは逃げ出そうとしますが、ガスリーは引き止め戦うように勇気づけ、戻った彼女は全員の前で真実を話し、ガスリーも彼女が自殺しなかったのは彼女がカトリックだからだと言い、コマンチの女の重労働の方がここで彼女の受けた苦痛よりも楽だっただろうと言い放ちます。そこへ外の騒ぎが聞こえて来ます。ウルフに食事を取らせようと縄を解いたしたマッキャンドレス夫人がウルフに刺殺されたのでした。牧師とリングルらによる私的裁判を理由にリンチしようとする開拓民たちをジムは制しようとしますが、後頭部を殴られて排除され、たまたまその時マーティがかけていた、弟のお気に入りだったオルゴールの音にウルフは反応しますが、彼女の絶叫にもかかわらずウルフは連行されてその場で縛り首にされます。茫然としてたたずむジムの胸で泣くマーティ。翌朝、砦から町に戻るとガスリーの留守の間に新しい保安官が選挙で選ばれていました。ガスリーの連れて来たエレナを侮辱したベルに怒ったガスリーは彼女に対する借金を精算し、エレナとともに遠くの地に向かって駅馬車で旅立ちます。ジムとベルは遠ざかっている彼らを暖かい目で眺めるのでした。
 過去にも見ていたはずなのに、こんなに凄惨で重い映画であったことに初めて気付きました。軍曹や少佐とジム、ガスリーのからみはユーモラスに描かれていて、それが救いだったかなあと思います。画面の特異性には目をやる余裕もなく物語に引きづり込まれる映画でした。重いフォード映画が好きな方にはオススメです。