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谷崎潤一郎全集 第七巻

2010-06-17 18:15:00 | ノンジャンル
 '81年中央公論社刊行の『谷崎潤一郎全集 第七巻』を読みました。
 '20年1月『途上』は、会社員・湯河が前妻を故意に死に至らしめたことを私立探偵に暴かれる話。
 '20年1月『検閲官』は、劇作家のKが自作に改作を迫る検閲官を芸術論で追い込む話。
 '20年1~10月『鮫人(こうじん)』は、大正期の浅草の劇団の人間模様を描いた話。
 '20年8月『蘇束坡(三幕)―或いは「湖上の詩人」―』は、詩人で宋・杭州の裁判官だった蘇束坡をめぐる楽しいエピソード。
 '21年1~4月『月の囁き(映画劇)』は、温泉場で出会った女性に殺されかけた青年が、東京に帰って彼女が殺人鬼の狂人であると知る話。
 '21年3月『私』は、一高時代に盗難の嫌疑をかけられた話。
 '21年3月『不幸な母の話』は、生前の母と兄との確執の話。
 '21年7月『鶴唳』は、近所に住む父娘と父の良人である中国人女性との悲劇。
 '21年8月『AとBの話』は、善を希求するAと悪を希求するBという若い二人の文学者の相克の話。
 '21年9月『廬山日記』は、'18年に中国を旅行した時の日記の抜粋。
 '21年9月『生れた家』は、自分の生家を描いた話。
 '21年10月『或る調書の一節―対話』は、殺人犯と取調官の対話を描いた話、です。

 面白さでは『月の囁き』が一番楽しめました。まさに映画的映像がそのまま描写されているような作品で、しかもストーリー自体も面白く書かれていたと思います。しかし『鮫人』以降は飛ばし読みしてしまいました。やはり谷崎作品は長編の方が面白いのではないでしょうか?