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澤井信一郎監督『日本一短い「母」への手紙』

2010-06-28 18:49:00 | ノンジャンル
 澤井信一郎監督・共同脚本の'95年作品『日本一短い「母」への手紙』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 「福井」の字幕。目の不自由な義母(加藤治子)を見舞うタエ(十朱幸代)は夫の手紙を持参します。街角のラジオからは福井の新聞社が主催する「日本一短い『母』への手紙」の入選作が発表されています。「松本」の字幕。東京の下宿先から帰郷している宏は姉の真紀(裕木奈江)に入選の知らせが入ったのを知らせます。彼らの母であるタエは彼らが幼い時に愛人と家を去り、男手一つで彼らを育てた父は最近亡くなっていました。東京に戻った宏はスナックで金を持ち逃げしたとして追われている由美子を匿うことになります。宏は銀座でママとして働くタエを訪ねて行き、タエを松本に呼びますが、タエは真紀に話しかけることができません。真紀は東京へタエに会いに行き、18年間自分たちを放っておいたことをなじり、二度と宏と会わないでくれと言います。馴染みの小説家の前で酔うタエは希望を失い死を望みます。倒れたタエを病院に担ぎこむ宏。タエは強引に退院しますが、その時たまたま子猫を救おうとした宏はトラックにはねられ重体になります。真紀と真紀が思いを寄せる坂田が駆けつけたところで意識を取り戻した宏は、タエを呼び、泣いて駆け寄るタエと抱き合う宏の姿を見た真紀は、坂田に促されて去って行くタエを呼び止め、許しを請います。和解する二人。冒頭のシーンに戻り、義母は息子が3年前に死んでいて、タエが代わりに手紙を書いてくれていたことを感謝します。宏は全快し、タエを呼んで由美子と真紀、坂田と会うことにしますが、タエは今回の思い出を胸にシンガポールで仕事をする決心をし、宏に一目会った後、真紀と電話で話すのでした。
 デビュー作『野菊の墓』での見事な夕日が印象的だった澤井監督は、ここでもタイトルバックと、ラストでタエがシンガポールに向かう飛行機の場面で素晴らしい夕日のシーンを見せてくれています。意識を取り戻した宏が母を呼ぶシーンも感動的なのですが、悪名高い裕木奈江の声の出し方と演技はここでも健在で、彼女の登場シーンはとても居心地の悪い思いをしました。最近もあまり活躍されていないようですが、実際のところどうなのでしょう? いずれにしてもマキノ監督の直弟子である澤井監督の映画としてオススメです。