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マキノ雅弘監督『江戸の悪太郎』

2010-06-02 16:29:00 | ノンジャンル
 マキノ雅弘監督の'59年作品『江戸の悪太郎』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 家の意向で嫌いな男に嫁がされることになった浪乃(大川栄子)は、祖父に促され結婚式の当日に江戸の知り合いを頼って逃げ出しますが、少年の格好をして三吉を名乗る彼女に知り合いは気付いてくれません。彼女は長屋で寺子屋をしている浪人・三四郎(大友柳太郎)に引き取られます。三四郎は三吉が女であることにすぐ気付きますが、訳ありと察して寺子屋の雑用係として寝泊まりさせます。一方、いんちき占い師の道満(三島雅夫)と組んで悪どい金儲けを企む武士の秋山(山形勲)は、三四郎たちが住む長屋をつぶして街道を作り、一儲けしようと考えます。行方不明の夫の帰りを待っている長屋のお八重は、無理を言って金貸の女(浪花千栄子)から借りた一両を幼い息子の弥一にに持たせて買い物に行かせますが、その一両を弥一は落としてしまいます。帰りの遅い弥一を心配した長屋の仲間たちは弥一を探しに行き、川辺で黄昏れる弥一を見つけますが、お八重は弥一の行き先を道満に占ってもらおうとして、道満の催眠術にかかり犯され、絶望した彼女は身投げしてしまいます。長屋の家主も秋山らに脅されて50両で長屋を売る約束をさせられ、三四郎らは50両で長屋を買い戻すために、名人会を催します。秋山らは出演予定者を脅迫して名人会に行かせないようにしますが、浪乃が急遽見事な踊りを披露し、名人会は大成功を収めます。秋山らはそこへ乱入して騒ぎを起こそうとしますが、三四郎は見事な剣さばきで殺陣に見せかけ敵をやっつけます。浪乃は自分の発見に実家が賞金をつけているのを知り、いつまでも三四郎のそばにいたい気持ちを抑えて、長屋のために身分を明かし、探しに来ていた祖父の元へ戻ります。そして結局祖父は花嫁姿の浪乃を三四郎の元へ届け、長屋の皆はそれを祝福するのでした。
 傍役に芸達者が揃っていたのですが、大事な役どころの役者が皆今一つ魅力に欠けているのが残念でした。それにしても陳腐なシナリオながら、骨格となっている話はほとんど『日本侠客伝』シリーズと同じであることに驚き、画面構成、カメラの動きなどもまさにマキノ映画という見事さにはうなるしかありませんでした。改めてマキノ監督の偉大さを知りたい方には特にオススメです。