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ロマン・ポランスキー監督『反撥』

2008-05-14 16:20:28 | ノンジャンル
 NHK・BS2でロマン・ポランスキー監督の'65年作品「反撥」を見ました。
 ロンドンでエステの従業員をしているキャロル(カトリーヌ・ドヌーヴ)。従兄から夕食を誘われるが姉の手作り料理を食べることになっていると言って断り、明日の夕食の約束を結ばされます。姉の彼氏が来ますが、メニューが気に入らないと、姉を連れて外食に出かけてしまいます。そして夜寝ていると、帰宅した姉のあえぎ声が聞こえてきて、キャロルはイライラします。翌朝、姉の彼氏のものが洗面所に置いてあるのを見て、キャロルは捨ててしまいます。翌日店に出るとブジリットが男に騙されたと泣いていて、キャロルは放心状態に。キャロルは夕食の約束を忘れていて、キャロルを見つけた従兄になじられますが、彼の誘いに乗り車に乗り込み、彼のキスに応じますが、逃げ出して、口びるを拭い、狂ったように歯磨きをします。夜にまた聞こえて来る姉のあえぎ声。洗面台のカミソリに魅入られ、精液で汚れた姉の下着の匂いを嗅いで吐き気を催すキャロル。この頃からキャロルは幻覚を見始めます。異常行動も目立ち始め、足音の幻聴、男に犯される妄想、壁に亀裂が入る幻覚。彼女は正気を失っていきます。そして3日ぶりに出た店で客の指を切ってしまい早退することになり、ブリジットに映画の話で元気をもらいますが、ブリジットはキャロルのカバンの中に腐った生肉が入っているのを見てしまいます。うつろな目で街を歩くキャロル。キャロルと一緒にいたいと訪ねて来た従兄は撲殺してしまい、死体は水を張った浴そうに入れ、扉を板で塞ぎます。男とのセックスの妄想の後、裸で床に寝るキャロル。壁からは手が出て来て彼女の乳房をつかみます。大家が訪ねて来て、無理矢理ドアを開け、家賃滞納の件を迫ると、キャロルは姉から預かっていたお金を払い、その件はすぐに解決します。が、大家は姉がしばらく旅行で帰ってこないのをいいことに、彼女と寝ようとし、ナイフで首を切られ、倒れこんだところをナイフでメッタ刺しにされ殺されます。それからも様々な幻覚に悩まされ、また男に犯される幻覚に襲われます。姉と彼氏が旅行から帰って来ると、ドアが開いており、死体を発見し、ベッドの下には目が開いたままの瀕死のキャロルを見つけます。闇に閉ざされた部屋の中に置いてある家族写真に映っている、少女の頃のキャロルの異様な目つきがアップになり、映画は終わります。

 舞台がロンドンということもあって全編英語。ですがドヌーヴの台詞は少ないので不自然さは全くありませんでした。白黒映画というのは映画のテーマもあっての選択だったのでしょうが、全盛期のドヌーヴの美しさをカラーで見たかったと思いました。「シェルブールの雨傘」が20才の時。この映画の時が22才と2才しか違いませんが、「シェルブール」の時の初々しさ、子供っぽさは完全に抜けて、美しい女性の美しさになっていました。特に彼女は上を見た時の表情が素晴らしく、映画はどうも好きになれませんでしたが、彼女の美しさを随所に見られるのが最大の収穫でした。主人公の不安な心情を表すためか、カメラアングルに凝っていて、窓からかなりの急角度で路上の様子を見るシーンは新鮮でした。ドヌーヴの全盛期の美しさを見たい方、様々な幻覚を味わいたい方にはオススメです。