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アル・ゴア主演『不都合な真実』

2008-05-11 15:58:46 | ノンジャンル
 昨日の朝日新聞の別冊で、演歌についてのアンケートがあり、一番好きな演歌の第1位にちあきなおみさんの「喝采」が選ばれていましたが、この歌って演歌ですか? 私は違うと思うのですが。

 さて、米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した'06年作品「不都合な真実」をWOWOWで見ました。
 穏やかな川の流れ、小鳥のさえずり。心なごむ森の自然の描写から、映画は始まります。全編、巨大スクリーンを使ったアル・ゴア氏の講演の様子が紹介されます。世界中で1000回以上行なわれた講演。「地球の写真が撮られて数年後に環境保護運動が始まった」という言葉から講演は始まり、彼がなぜ環境問題に関心を持つようになったが語られます。大学での教授が地球における二酸化炭素濃度の観測を世界で最初に行なった人だったこと、息子を交通事故で失いかけてから、子供に美しい地球を残すことに人生を賭けようと思ったことなどが語られます。
 そして二酸化炭素濃度の増加が、どのような現象を引き起こしているかが、画面とともに描写されていきます。海水温度の上昇で大型ハリケーンが多発するようになり、地温の上昇で干ばつと大雨が降るようになり、温度の上昇で北極と南極の氷が溶け、海面が上昇し、海に沈む都市が出て来ていること、などなど。そしてその合間にゴアがブッシュと戦った大統領選の様子が映され、ゴアを気狂い扱いするブッシュ大統領が描かれます。
 話題は具体的な国の話になっていきます。中国での火力発電所の劇的な増加。中国もアメリカと同様に、環境破壊型のライフスタイルから脱却するのに苦労していることが示されます。古い習慣と新しい技術が結びつくと、予想不可能な劇的な変化が起こるとし、自然環境にヘタに手を加えると、とんでもないしっぺ返しを喰う可能性がある、と示唆し、現実にそうなっていることを示します。
 そして、温暖化ガスを断トツで最も多く出すライフスタイルをしているアメリカは、既得権益を守ろうとする少数派の人たちによって、温暖化対策をつぶすための政治工作が行なわれ、様々な政治的手法で温暖化が単なる理論であり現実でないことを訴えています。我々はこうした妨害と戦い、正確な情報を手に入れなければなりません。そして最後に温暖化を止めることができるのは、我々1人1人の意識なのです。私たちの先人は多くの困難を意識改革によって乗り越えて来ました。奴隷解放、婦人参政権の確立、ファシズムへの勝利、共産主義への勝利などなど。私たちはできるのです。さあ、すぐに始めましょう。新しいライフスタイルの確立を。
 こうして最後に盛り上がったところで、実際に私たちが行えることが字幕で次々に語られ、勇気と元気をもらって映画は終わります。
 さすがアメリカだけあって、講演の合間にアニメが入ったり、演出上の様々な工夫がされていて、楽しみながら温暖化に関して勉強し、そして最後には「よーし、やるぞ!」という気にさせるところなど、さすがだな、と思いました。そしてゴア氏がもともと環境問題から政治の世界に入って来た事を知り、それだけに彼に言うことはデータに常に基づいていて説得力があるのだなあ、と思いました。アカデミー賞にごまをする訳ではありませんが、とても優れたドキュメンタリーだと思います。文句無しにオススメです。!