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深作欣二監督『資金源強奪』

2008-05-03 17:33:21 | ノンジャンル
 WOWOWで深作欣二監督の'75年作品「資金源強奪」を見ました。
 清本(北大路欣也)はむしょを出たら組の幹部にしてやるという羽田組の国代(名和宏)に頼まれ、別の組の組長を射殺し、8年の刑期を終えて出て来ます。彼は国代に足を洗って堅気になる、と言い、1千万づつやると約束して2人の仲間を協力させ、羽田組が他の組との手打ち式に花会をしているところを襲撃し、3億5千万円を強奪します。仲間には1千万円ずつやり、残りは自分が取り、1年たったら5千万づつやるから、と言って清本は去りますが、仲間はどうせあいつは自分で残り全部取る気だと、清本を探し始めます。国代は汚職刑事の能代(梅宮辰夫)に犯人の捜査を依頼し、能代はすぐに仲間の1人、フーテンの鉄(川谷拓三)を見つけ、国代のところに連れて行きます。フーテンの鉄は拷問に会いますが、金のありかは知らないので、当然言えません。そこに覆面をした能代が現れ、フーテンの鉄を救い出し、金を山分けするために組もうと言います。もうひとりの仲間オッサン(室田日出夫)にも声をかけ、清本に連絡を取り、大事な件があるので駅前の喫茶店で待つと言い、待っていると、清本は車で現れますが喫茶店を素通りし、若い女性に銃をつきつけ無理矢理自分の車に乗ると逃げ出します。仲間2人とそれを監視して国代に連絡を取っていた能代も車で追いかけますが、清本はラブホテルに逃げ込み、仲間二人は清本の車のトランクから現金を入れたジュラルミンケースを取り出し、逃げ出します。しかし、オッサンが車道に飛び出たところをトラックにはなられ、オッサンは死に、ジュラルミンケースに中身は白紙の束でした。清本はラブホテルに入るために連れて来た女性にお礼だと言って現金をたっぷり渡し、逃げて行きます。そしてコインロッカーから現金を出した瞬間、背後から能代に教われ、現金を奪われる。能代はその足で国代のところに行くが、5億あるはずが3億5千万しかない、と難癖をつけられ、自分が汚職で警官をクビになったことも知らされ、出て行きます。そして家に戻ると、そこには清本が来ていて、二人で金を取り戻そうと言います。清本は正面からどうどうと羽田組に入って行き、組長の部屋に入ると、ビニール袋に現金をせっせと詰め込み始めます。組長らが止めようとすると、窓の外から通天閣の上から海田がスコープ付きのライフルで組員を次々に射殺して行きます。ビニール袋に現金を全部詰め込むと、非常階段の踊り場からビニール袋を落とし、二人はまんまと強奪に成功します。が、フーテンの鉄の隠れ家の近くで車を止めると、清本がやっぱり全部俺がもらっておく、と言い出し、そこへフーテンの鉄が爆弾を投げ込み、大騒ぎになります。結局フーテンの鉄は自爆してしまい、能代も清本の車に轢かれ死んだようなので、清本は立ち去りますが、能代はちゃっかり生きていて、腹の下に3千万の現金を隠していました。清本は偽造パスポートで海外に逃げようとしますが、空港でラブホテルに入るために人質にとった女性に見つかりますが、彼女の胸には高価なペンダントが光っていて、彼女は通報しませんでした。清本は無事海外に行き、めでたしめでたし、という映画です。

 これ以外にも物のように扱われる清本の恋人で、入所中に国代の女にされてしまう静子(太地喜和子)など、女性も出演していますが、ほとんど傍役です。ここでも友情も愛情もそんなものを大切にするぐらいなら金、金、金という世界で、北大路欣也と梅宮辰夫のキャラクターが明るいのが救いでした。川谷拓三も彼しかできない役といった感じで代表作の一本となるのではないでしょうか? 音楽もコメディータッチなのですが、描いている世界が世界なので、まあひどい世界もあったものだ、といった感じです。あまり深く考えずに気楽に見てしまえば、見れる映画だとは思いました。そういう映画が見たい方にはオススメです。
 それにしてもこのところ見て来た深作作品はすべて'75年の製作。この年は4本もの映画を撮っています。仁義なき戦いシリーズ後も彼のエネルギーは衰えをしらなかったんですね。脱帽です。