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深作欣二監督『北陸代理戦争』

2008-05-04 16:25:54 | ノンジャンル
 WOWOWで深作欣二監督の'77年作品「北陸代理戦争」を見ました。
 昭和43年、越前海岸、冬。地面に頭だけ出して埋められている安浦組長(西村晃)に川田(松方弘樹)はジープで頭の周りを駆け回って脅し、競輪と競艇のテキ屋のショバ代の権利を渡すと言わせます。ムショを出たら権利を渡すという証文を川田は万谷(ハナ肇)に見せ、自分の正当性を主張します。日本最大の暴力団・浅田組の切り込み隊・金井組は、北陸へ侵略の手を伸ばし、敦賀に支部を構えていました。丸谷はそこを訪れると安浦も来ていて、金井(千葉真一)に対して川田をかばいますが、金井は安浦に川田を殺してくれと頼まれたと言います。金井は50人の殺し屋を安浦に寄越し、その接待で安浦は散財させられます。川田の愛人の菊(野川由美子)は川田に逃げるように言いますが、川田は菊の体をまず求めます。そこへ万谷が来て殺される前に安浦に詫びを入れろと言いますが、川田は銃を乱射し、万谷を人質に安浦のところへ乗り込むと、そこには金井もいました。金井はあくまで安浦と川田の仲介をするために来たと言いますが、そういうことなら福井県人同志で話をつけるから金井は手を引いてくれ、と川田は言います。金井が安浦につくなら川田を応援すると京都の岡野がやってきます。川田は申し出を断り、貧乏な土地なので別の土地の組に預けると利益を他の土地に持って行かれ地元が生活できなくなるので、とその理由を言います。万谷からの電話で安浦が川田に会いたいと言ってきます。待ち合わせ場所に川田が行くと、殺し屋からの銃弾が雨霰と降り、屋外に出ると大勢が刀で斬りつけてきます。菊が体を張って川田を守り、警察も来て病院に運ばれますが、危篤状態が続き、病状が落ち着いたところで菊の故郷の輪島に逃れます。安浦は万谷に組を譲り、万谷は浅田組の支配下に入ります。輪島では菊の妹の信子(高橋洋子)らの世話になり、川田は傷を癒しますが、輪島の地元のやくざに知られ、輪島を出ていくように言われます。丸谷は務め先の店で酔った菊に迫り、川田をかばうために菊は万谷の愛人になることにします。川田は信子と結ばれ、地元のやくざを襲撃し、万谷が京都にいることを聞き出します。川田は信子と万谷のもとへ行き、万谷の手首を斬り落とし、岡野の部下(成田三樹夫)も斬り殺します。刑務所に入った川田は金井組の連中に殺されかけますが、父を金井組に殺された武井(伊吹吾郎)に助けられます。川田は面会に来た菊に堅気になるので、金井組に自分を殺させないように浅井に命乞いに行ってくれと頼み、菊は浅井の愛人になることで命乞いをします。川田は出所するところを金田組に狙われますが、時間をずらして出所し、元の舎弟と輪島の菊のところを訪れますが荒れ放題になっていて、その中で信子は待ってくれていました。金井はその横暴さから浅井組の中でも邪魔な存在になります。川田は丸谷に詫びを入れに行きますが、丸谷に殴る蹴るの暴行を受け、川田は信子と結婚して堅気になると言って去ります。川田は岡野にも会いに行き、浅井の盃をもらって金井から福井を取り戻したいと言います。岡野は盃はやれんが、金井に関しての行動は邪魔しないと言います。川田は金井組を襲撃し、金を強奪すと、金井組の幹部の乗った車をブルドーザーとショベルカーで破壊し皆殺しにします。名古屋の龍ケ崎組に川田と武井は乗り込み、銃で脅して武器を調達させます。岡野は金井が戦争の準備をしていると警察にたれこみ、金井は逮捕されます。川田と武井は福井を返してもらった礼を岡野に言いにいきますが、その場で無理矢理舎弟にさせられます。万谷は川田を殺しを信子の兄に命じ、兄は信子を人質に取り、川田を呼び出しますが、マシンガンで乗り込んだ川田に幸福した後、信子に刺し殺され、信子は川田の胸で号泣します。信子は刑務所に入り、川田は自分の命より大切な女だと言います。万谷は川田と安浦を訪ね、金井の後釜に座った岡野を一緒にやっつけようと持ちかけます。武井は1人100万でチンピラを雇い、菊がママをする岡野のキャバレーをメチャメチャにします。川田は金田組の残党がやったと言い、岡野は万谷がやったと見て万谷に会いに行きますが、万谷は川田がやったと言い、川田はそんな嘘をつくなと言い、最後には万谷がもう引退すると弱音を吐きます。金井組の残党にさせられたチンピラたちは雪の中、首だけ出して埋められ、車で首をはね殺すところを岡野に見せます。岡野に川田は牙を向き、部下がマシンガンを構え、とりあえず岡野は退散します。菊も川田の元を去っていきます、という映画です。

 暴力また暴力、その目的は福井を守るとかいいながら、結局利権争い。ただこの作品では川田と信子の場面だけは愛が感じられます。さすがにジープで地面に埋まる首を蹴散らして行くシーンの残酷さは強烈で、それを平然とやってのける登場人物たちがいかに異常な人間たちか、がよく分かります。あくまでものめり込んで見てほしくない映画でした。