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海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「イスラム狂信主義の背後に隠れている無信仰」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2005年08月02日 | テロリズム
ロンドンの地下鉄テロの一年前、イギリス人の監獄精神科医セオドア・ダルリンプルは、英国の監獄に入っている若いイスラム教徒が、他の少数派に所属する者を出し抜いていることに気づいた。それどころか、彼らはジャマイカ出身の若者をも追い抜き始めた。彼らの数だけでなく、彼らの犯罪の重さにおいても他の少数派を追い抜いた。もっと別の点もダルリンプル博士は気づいた。若いモスレム達は、彼らの宗教にいかなる関心を全く持たなかった。彼らが固執した唯一の問題は、女奴隷が家にいるが、白人の下層出身の愛人と楽しんでいるという彼らの結婚の伝統だった。だが、それ以外には何も彼らが固執するものがない。若いモスレムは、獄中ではお祈りをしない。彼らはハラルの掟に従ってされた肉を望まなかった。(イスラム教徒は、普通、ハラルの掟に従ってされた肉しか食べてはならないと定められている。訳注)彼らは『コーラン』を読みふけらない。彼らはイマムが彼らを訪問することを望まない。彼らは宗教的な所属を示すいかなるシンボルも身につけず、ただ前歯に金をかぶせる。それは彼らが犯罪的な下部組織のメンバーであることを示している。この目印を彼らはジャマイカ人と共有しているが、ジャマイカ人と彼らとの間には敵意しかない。
セオドア・ダルリンプルは言う。「イスラム教は、私の町のモスレムの若い男に対していかなる道徳的に改善する影響も、道徳的に妨げとなる影響も持っていなかった。彼らの驚くべき数がヘロインの常習者だった。それは、彼らと同年代のシーク教徒やヒンヅー教徒では知られていないも同然の習慣である。彼らはヘロインの取引をし、この商売に属するあらゆる形の犯罪をやってのける。」
この描写の中に、7月7日の爆弾テロについての意味を見るとしたら、それは行き過ぎだろうか。そうだとするなら、狂信主義の秘密、彼らの閉じられ、閂をかけられた部屋は、全くの無信仰であるだろう。コーランの暴力的レトリックによって非常に野蛮化されて、彼らの犠牲者達と一緒に自爆するしかなかったあの若いモスレム達は、彼らの大音響の爆発でもって、アラーに対する密かな疑いにけりをつけようと試みたのだろう。イスラムの狂信者達が、言葉巧みに乱暴に西欧の魂のなさ、精神的価値の欠如、デカダンス、唯物論、不品行を非難する場合、その背後には、ポルノ映画館で耳をつんざくロック音楽に合わせてバケツ一杯のコカコラを頭から被りたいという深い願望が隠れている。
女流作家カミラ・シャムシーは、ロンドンの地下鉄テロの実行犯は、全く普通のイギリス人であったことを指摘している。それは、疑いもなく正しい。しかし、それからは彼らがまた全く普通のモスレムであったという認識は出てこない。彼らを犯罪に導いたのは、イギリスの多数派社会の人種主義であったとしたら、直ちに問われるのは、なぜ、他の少数派に所属する者、例えば、ヒンヅー教徒やシーク教徒や中国人は、生きた爆弾にならないのかという問いである。このテロ攻撃が英国人がイラクに侵攻したことに対する罰だと言うなら、サダム・フセインに対する戦争に参加しなかったエジプト人は、なぜ、シャルム・エル・シェイクで罰せられなければならなかったのかと問われなければならない。
実際には、西欧の死に値する罪は、その「ジャーヒリア」である。もともとは、この言葉は、「無知」を意味し、アラブ人達がまだ偶像を崇拝していたモハメッド以前の時代を意味していた。イスラム原理主義の精神的基礎を築いたエジプト人サイード・アル・クトブは、しかし、「ジャーヒリア」を何か別のものであると理解した。われわれの時代に国家と信仰との分離において頂点に達しているコーランからの背反であると解した。それは彼にとっては、野蛮の最も悪い形式であった。若いロンドン子が自分の周りに「ジャーヒリア」しか見ず、それゆえ激しい憎悪を感じるようにし向けたものは何であろうか。答えは次の通りである。彼らはモスレムである。彼らを内部から浸食していたのは、この色とりどりの、開かれた、あらゆる点で彼らよりも絶望的なほど優れている社会に対して対置することのできるものをモハメッドの宗教は彼らに何も与えないだろうという予感である。
[訳者の感想]8月2日付けのハンネス・シュタインの記事です。テロリスト達を捉えていたのが一種のニヒリズムだったとするかなり大胆な推測が展開されています。かなりイスラム教徒に対する悪意がむき出しになっている文章だと思います。なぜ、ヨーロッパ育ちのイスラム教徒が、アラブ育ちの若者と同様に、テロに走るのか、もっと社会学的な解明が必要だろうと思います。
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