海外のニュースより

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ユダヤ人のテロリスト、リンチで殺される」『ヴェルト』紙の記事。

2005年08月05日 | テロリズム
イスラエル警察の述べたところでは、ユダヤ人の暗殺者がバスの中で5人のアラブ系イスラエル人を射殺したために、憤激した群衆によってリンチされた。
エルサレム発:イスラエル警察の発表によると、一人のユダヤ人の過激派が今週、木曜日バスの中で5人のアラブ人を射殺した。キッパを被り、イスラエル軍の軍服を着た髭を生やした暗殺者は、目撃者の証言によると、興奮した群衆によって、圧倒的にイスラレル国籍を持つアラブ人が住んでいるシュファラムでリンチの結果殺された。シャロン大統領は、この惨劇を「一人の血に飢えたテロリストの忌むべき行為」と断罪した。
イスラエルの政治家やメディアは、このアラブ系イスラエル人への攻撃を、8月17日に予定されているガザ地帯からのイスラエル軍の撤退を阻止しようとする試みであると考えている。保安省の大臣ギデオン・エズラは、「酷いテロ的な攻撃」について語った。イスラエル南部の都市オファキムでガザ地帯からの撤退に対して抗議デモを行っていたユダヤ人入植者達もこの行為を非難した。「殺人は殺人である。完全な拒否以外の反応はあり得ない」とデモの指導者であるベンジ・リーバーマンは言った。
イスラエルのテレビは、暗殺者を19才のエデン・ズベリであると確認した。彼はヨルダン川西岸の過激なユダヤ人居住地域の出身である。しかし、この地区の住民は、この言い分を退けて、ズベリは、タプア地区に住んだことはないと述べた。
イスラエルの保安省は、数ヶ月前から、ユダヤ人過激派の攻撃について警告た。彼らはあらゆる手段を使ってガザ地区のユダヤ人居住地域を明け渡すことを妨げようとしていた。「それは撤退とは切り離せない」と退職した元イスラエル軍大将ヨムトヴ・サミヤは述べた。アラブ系イスラエル人の国会議員モハメド・バラケはテレビの10チャンネルでテロの
犠牲者はすべてもっぱらアラブ人が居住しているイスラエル北部の町シュファラムの出身であると述べた。
過去において、既に、ユダヤ人過激派のアラブ系住民に対する攻撃がいくつかあった。最も酷い例は、1994年にヘブロンにあるアブラハムの墓の記念広場で、29人のアラブ系住民を射殺したバルーフ・ゴルドスタインである。
[訳者の感想]われわれはイスラエル国籍をもったアラブ人がいることを忘れがちですが、この事件で、ユダヤ系イスラエル人もまたアラブ系イスラエル人に対してテロリストになりうることが分かります。テロはイスラム教徒の専売特許ではなさそうです。統計によるとイスラエルでは、全人口の80%がユダヤ人、20%が少数派民族のようです。この大半がアラブ系のイスラエル人だろうと思われます。
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