海外のニュースより

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「トルコ人協会」は、今度は二重国籍を要求」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年04月12日 | イスラム問題
「ドイツ・トルコ人協会」(TGD)は、外国籍の両親を持つ移住民児童に対して二重国籍を認めるように要求している。
目下、外国人のドイツで生まれた児童は、一定の前提の下でドイツ人になるが、その際、最初は両親の国籍を得ている。18才の誕生日から23才の誕生日までの間に、彼らはどちらか一方の国籍を決定せねばならない。彼らが持っている旅券の一方を返却せねばならない。
「おそらく、9月の連邦議会の総選挙で、政治的多数派が代わり、われわれはこの決定の強制を廃止して二重国籍を可能にする新しいチャンスを手に入れるだろう」とTGDの議長のケナン・コラートは言う。ベルリンとブレーメンの州のイニシャチブは、2008年の選挙では、必要な多数を見出さなかった。
法的状況は、ドイツでははっきりしている。基本的に、ドイツの法律は、二重国籍を認めていない。二重国籍を認められるのは例外の場合で、たとえば、出身国が移住民にこれまでの国籍からの離脱を認めない場合である。
外国籍の両親から、ドイツで生まれた子供は、2001年1月1日以降、自動的にドイツ国籍を取得する。但し、両親のどちらかが、少なくとも8年間、犯罪を犯さないでドイツに生活していて、滞在許可を得ている場合である。
同時に、その子供は、両親の国籍も持つことができる。これは、2001年1月1日以前に生まれた子供にも、1990年まで遡って、当てはまる。満18才以後は、彼らはどちらか一方の国籍に決めなければならない。
「統合政策的には、現在の規則は無意味だ」とコラートは言う。この規則の根拠が法政策的に憲法上も確実に基礎づけられねばならない。「だが、統合政策上はそれからは、肯定的なシグナルは出ていない」とコラートは言う。
だが、ベルリンの「人口と発展のための研究所」が今年の1月に発表した研究報告によると、ドイツ在住のトルコ人移民は、統合されることを望んでいない。彼らは、住居地域で孤立し、ドイツ社会への組み込みを拒否している。その理由はたくさんある。はっきりしているのは、この状況の責任が一部彼らにあるということだ。
281万人いるトルコ人移民の多くは、ここに長年暮らし、彼らの約半数はドイツ生まれであるが、多くのトルコ人は、ドイツ社会にとけ込もうとはしていない。トルコ人は平均的に教育程度が低く、所得が平均より少なく、しばしば、失業している。彼らの32%だけが、これまでにドイツ国籍を取得したに過ぎない。(後略)
[訳者の感想]東欧からの移民は、トルコ人より多いのですが、彼らの場合は殆どドイツ社会にうまく「統合」されて、あまり問題はないようです。

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