海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「力強く勇気のある演説」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2008年07月25日 | 国際政治
ベルリン発:あらゆる方面からの賛辞。バラク・オバマは、「戦勝記念塔」の下での登場でドイツの政治家達を熱狂させた。
 ベルリン市長クラウス・ヴォーヴェライトは、民主党の大統領候補であるオバマの演説を、強力で勇敢な宣言であると評価した。「それは、米国の政策に新しいアクセントを与え、ベルリンに対する賛歌となった。」と述べた。
オバマは、60年前のベルリン空輸の時代を振り返った。ヴォーヴェライトは、「ベルリン空輸から始まる独米の友情は、世界でどのように前進できるかということの模範だ」と述べた。
 CSUの名誉総裁で元バイエルン州首相のエドムント・シュトイバーは、「若い上院議員には、多くの人間が憧れるカリスマと指導力がある」と『シュピーゲル・オンライン』に述べた。「しかし、ドイツの政策は、グローバルな問題を引き受けよという彼の要求と取り組まなければならないだろう。アメリカは、ドイツとヨーロッパに賭けているのだ。大西洋を挟んだ橋はもっと強力になる。」
 CDU/CSUの外交問題に関するスポークスマンであるエッカルト・クレーデンは、「印象的な演説」に触れて次のように述べた。「あの演説は最善の意味で、アメリカ的で、個人的なニュアンスの点まで、マケイン候補にもできるようなものだった。」彼はオバマの「完全な選挙戦演出」について語り、中心となる告知は、ヨーロッパとアメリカがが協力すれば、世界の諸問題を解決することができるという内容だった。それには、一緒に重荷と犠牲を担わなければならないということだ。」
 SPDの外交問題スポークスマンであるゲルト・ヴァイスキルヒェンは、「あれはドイツ人やヨーロッパ人だけでなく、米国人にも向けられた世界市民の演説だった」と述べた。
 SPDのブランデンブルク州代表ミヒャエル・ミュラーは、オバマがどのように大衆を動員したかに印象を受けた。彼の演説において、オバマは、グローバル化に対するアメリカ人とヨーロッパ人の共同責任を強調した。その限りでは、彼の演説は、他のアメリカの政治家の演説とははっきり別の語り口を持っていた。
 ベルリン市議会の「緑の党」議員であるフォルカー・ラッツマンは、演説がよく練られていたと言った。ベルリン市民が「米国の将来の大統領を体験したのは確かだ」と述べた。
[訳者の感想]オバマ候補のベルリン演説は、ドイツの政治家達にはおおむね好評だったようです。米国とヨーロッパ諸国の協力を強調した点、オバマが単独主義から協力主義へと外交方針を切り替えることを示唆していると言えるでしょう。「ベルリン空輸」というのは、1948年6月、ソ連が西ドイツと西ベルリンをつなぐ鉄道と自動車道路を封鎖した際に、米軍が西ドイツの飛行場から西ベルリンのテンペルホーフ空港まで軍用機を使って食糧や燃料を空輸したことを指しています。「戦勝記念塔」というのは普仏戦争の後でできた高さ67メートルの塔で、ブランデンブルク門から西に1.5キロほど離れています。
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