海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「G8に対する投石者の盲目的な怒り」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2007年06月03日 | 国際政治
状況は丁度落ち着いていた。いくつかの小競り合いにもかかわらず、成功したデモだったと、介入主義的的左翼のティム・ラウマイヤーは言っていた。ギリシャやイタリアからきた「自律派」は、警察車に投石した。百名ていどの警官が迫った。小さな殴り合いがあったが、総じて状況は速やかに平静になった。警官の一人は、「俺たちはまたずらかるさ」と言った。それから燃え始めた。黒い覆面をした人々が、ロストックの市港の近くで自動車を炎上させた。棍棒と鉄兜を被った警官達が急ぎ足で駆けつけた。それからは、状況はコントロールできなくなった。フランスのバンリューから送られた映像のように見えた。覆面した数百人が手に入るものなら何でも投げた。警官達は棍棒を抜いて覆面グループに殴りかかった。警官も「自律派」も怪我をして道路上に横たわったままだった。あるいは他の人たちによって道路脇に引きずられた。突然、もっと多くの「自律派」が現れ他の方向からもっと沢山の警官が現れた。包囲網ができたので、暴力がエスカレートした。
300メートル離れた市港で、バンドの「七月」が演奏をし、「公平な世界」と歌おうとしていた。デモ隊の演説者がマイクロフォンを握り、「警官は、状況をエスカレートしようとしている。ここに放水車を投入するのは無責任だ。本来平和的なデモであるはずだった。君たちはここでは招かれざる客だ。」だが、舞台からは、平和的デモ隊は状況を全く間違って捉えていた。デモは、激しい街頭の戦闘へと変わった。状況をエスカレートしたのは警察ではなく、極左の覆面部隊だった。
 暴力を躊躇わない「自律派」が逃げた後、数分間は、平和的なグローバル化反対派の間では、衝撃が支配的だった。左翼の陣営には、数名の負傷者や逮捕者がいた。警察も重傷者を出した。「われわれはこの攻撃とは距離を置く」と「アタック」のメンバーでデモの指導者であるヴェルナー・レーツは言った。今朝も彼は、デモが平和的に行われる予定だと言ったし、警察もそう信じていた。
大多数のデモ参加者も警察は暴力のエスカレーションの責任はないことを知っていた。「われわれは警官を非難しない。彼らの反応にわれわれは理解を持っている」と「平和的協力ネットワーク」のマンフレート・シュテンナーは述べた。
正午には、デモ参加者達は、ロストック広場で腕を高く差し上げて、拍手をした、「希望を失うまい。われわれは、いつも能動的だ。われわれの共同の努力によって、われわれは権力者に影響を与えるのだ!」「アタック」のメンバーであるトビアス・プリューガーの言葉に対する返事は、歓声・口笛だった。約3万人がロストックにやって来て、彼らの宿敵である資本主義に対して書かれた横断幕を張り、地球をフォークでつついているブッシュとメルケルの人形を空中に尽きだした。彼らは「お休み、G8!」と叫んだ。「民族の間に戦争反対、だが、階級間に平和はない。」「別の世界が可能だ。」(以下省略)
[訳者の感想]グローバル化反対運動もいささかルーチン化してきた感じがします。
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