海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「イスラエルとの武器取引を差し止められて、中国怒る」と題する『ワシントン・ポスト』紙の記事。

2005年06月29日 | 中国の政治・経済・社会
6月27日、北京発:アメリカからの圧力で、イスラエルが論議の的となっているイスラエルと中国の間の武器取引を中止した後、ブッシュ政府の「口出し」と「外部干渉」を非難して、中国は今週月曜日に激しい苦情を出した。
イスラエルの決定は、レーダー配置を探し出すことのできる航空機の売り込みを停止した。それは中国が台湾と台湾を支える米軍に対して使われるかもしれない進んだ軍事技術を手に入れないようにするアメリカの作戦の結果であった。
作戦の一部として、ブッシュ政府はまたヨーロッパの国々が中国に対する武器輸出禁止を止めることに対しても圧力を加えた。イスラエル政府の決定は、2000年にファルコン初期警戒レーダー搭載機を中国に売るという10億ドルの取引を撤回したのに似ている。
イスラエル政府の撤回は、北京にいらだちを引き起こした。というのも、北京は、人民解放軍をハイテク時代へと進め台湾が形式的な独立宣言をするのを思いとどまらせる力を高めようと軍の近代化を推進したきたからである。
コンドリーザ・ライス国務長官が武器取引に反対するブッシュ政府の主張を議論するために、エルサレムを訪れたのと同時に、李肇星外相は、先週、エルサレムを訪問した。イスラエル高官との議論の内容は漏らされなかったが、彼は売り渡しの完遂するよう要求したと信じられている。
撤回の報告に対して反応しながら、李・中国外相は、イスラエルと中国との間の協力は、両国にとってだけでなく、中東の平和と安定の見込みにとっても良いと述べた。このような接触は、他の国(つまりアメリカを指す)を損なうものではないと外相は付け加えた。
中国の声明によれば、「それゆえ、他の国々はこれについて口を出すべきではない。われわれは、両国が二国間の結びつきを発展することによって、独立と主権の原理を支持し、第三者の干渉を乗り越えるべきだと信じる。」
問題となった取引には、ハーピー型の探索機のための改良部品が含まれている。イスラエルの航空機産業は、1990年代の中期と後期に、5000億ドルで、中国に三角翼の探索機を約100機売った。航続距離500キロのこの航空機が重要なわけは、それが中国のミサイルと航空機による潜在的攻撃に対して台湾を防衛するのに役立つ地対空ミサイルを誘導するのに使われるレーダーを破壊できるからである。
アメリカは、イスラエルが中国にアメリカのテクノロジーを組み入れない探索機を売ったときは、抗議しなかった。しかし、アメリカ政府高官は、2004年の新しい部品の取引を知ると、抗議した。これらの部品は、スペアとなる部品であるが、実際は、それらは探索機の航続距離を伸ばし、敵のレーダーに向かって進む能力を増進するための重要なグレード・アップとなるとアメリカ政府高官は述べた。高官によれば、この取引は、中国への軍事的販売を停止して欲しいというアメリカの要請を無視している。
イスラエルの新聞によって報じられたワシントンとの新しい合意においては、イスラエルは、このような議論を防ぐために、アメリカ国防省が、将来の武器販売を閲覧することを許すことを約束した。イスラエルの新聞『ハーレツ』によると、イスラエルの使節団が今週、ワシントンを訪れる際に同意の期限が決定される。この合意によると、昨年夏に、中国がイスラエルに送ったハーピーの付属品は、送り返されないだろう。『ハーレツ』紙の報道は、イスラエル政府は、取引から退き、部品を返さない代償を支払うと予測される。
[訳者の感想]中国の人民解放軍の近代化に対して、アメリカが最近は、神経をとがらせていることが分かります。恐らく中国が今春、軍の圧力で「反国家分裂法」を制定して台湾の独立を軍事力を使ってでも阻止すると宣言したことが原因になっていると思われます。
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