海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「アメリカは、イラクの武装勢力と接触」と題する『シドニー・モーニング・ヘラルド』の6月10日の記事。

2005年06月11日 | イラク問題
バグダッドのアメリカ大使館は、イラクの武装勢力と間接的な話し合いをすることによって、テロリストやアメリカ人やイラク人の血で汚れた手を持つ連中とは話し合わないという立場からずれつつある。
「彼らはわれわれを撃つのを止めるならば、われわれやイラク政府は交渉する用意がある」とアメリカの高官は水曜日に語った。
アメリカは、武器を置き、政治的プロセスに参加するようにイラクの武装勢力を説得することを望んでいる。しかし、武装勢力は、戦士のばらばらの集まりから成り立っていると考えられており、どれほど広い部分がアメリカとの接触に関わっているかは、明らかでなかった。
火曜日に、イラクの暫定政府の元の大臣の一人は、武装勢力の二つのグループの指導者が彼らの攻撃カyンペーンを終わらせるための条件を議論する用意があると語った。
イヤド・アラウイ元首相の下で電力相を務めたアイハム・アル・サマラは、「イラクにおけるイスラム軍」と「ムジャヒディン軍」だと判明したグループがアメリカ及びイラク政府と話し合いに入ることに気乗りであると述べた。
武装勢力と結びついている人物とアメリカの役人との間の会合のニュースは、今年初めから漏れ始めたが、アメリカ政府当局は詳細を述べることを拒んできた。
イラクという戦争に引き裂かれた地域にいるアメリカ軍の司令官達は、部族長と宗教指導者を通じて、長いことオリーブの枝と最終条件を送ってきた。国防省の役人は、これらの相互行為をインフォーマルで重要でないと述べた。
「それらの連中といくらか対話はあったが、交渉はやっていない」と役人は述べた。
この役人によって確証された話し合いは、スンニー派アラブの政治的宗教的人物を仲介者として使った、武装勢力とアメリカの外交官の間のもっと形式的な接触であるように思われた。
「モスレム聖職者協会」の指導者であるアブドル・サラーム・クバイシは、武装勢力に近い人物が取引する見込みについてアメリカ大使館に接近した場合を三回知っており、最も最近の接触は、4日前に行われたと言う。
何ヶ月間も、イラクの暫定的指導者達は、武装勢力の代表者達と接触し、彼らを政治的プロセスに乗せようとした。しかし、このような話し合いにアメリカ人が新たに加わるということは、交渉が実質的な結果を持つだろうとゲリラが確信するのを助けるかもしれない。
議論は、ゲリラの側に武器を捨てようという気があることを示しているかもしれない。
スンニー派アラブ人との宗派的な緊張を更に強めるある動きの中で、イラクの指導者は、水曜日に、バドル組織として知られるイランで訓練を受けたシーア派の私兵の存在を強く支持し、国を治安を回復する試みにおいてこの私兵の役割を賞賛すると述べた。
これは、イラク政府が公に宗派の切れ目に沿って作られた武装グループの後押しをした最初である。これは政府は国内のすべての私兵を解散させるべきだとするアメリカ高官の希望の拒否であった。
その間、水曜日に、スンニー派アラブ人の指導者達は、新し憲法の草案を起草する議会の委員会の代表の数を二倍にするように要求した。シーア派主導の議会が彼らの要求を入れない場合には、彼らは起草プロセスをボイコットすると脅している。
ボルゾウ・ダラガニ記者による記事。
[訳者の感想]「モスレム聖職者協会」のクバイシ師といえば、高遠さん達が3人の日本人が人質になったときに、仲介を買って出た人ですね。かなり、重要な人物のようです。シーア派の支持で成立したイラク政府が、結局、シーア派の私兵を持つに到ったということは、今後、宗派の対立をますます激しくなることを意味すると思います。しかも、同じシーア派には、マフディ軍を率いているサドル師のような反米強硬派もいるとすると、イランの混乱はますますひどくなるのではないでしょうか。
コメント
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