杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

単純明快な生き方~こなみさんと石原先生の教え

2012-01-09 10:04:18 | 日記・エッセイ・コラム

 7日(土)初詣の日の続きです。神社の拝殿内は寒かろうと、朝、重ね着をしすぎてモコモコになっちゃったので、いつものダウンコートを着ずに自転車で飛び出してきたんですが、やっぱり寒くなって、伊勢丹のバーゲンコーナーで軽めのポンチョをゲット。そのまま羽織って、静岡駅で塚本こなみさんと待ち合わせし、グランシップで開かれた『すこやか長寿祭ふれあい交流会』((財)しずおか健康長寿財団主催)に行きました。

 

 

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 こなみさんは、ご存知のように、1月6日付け静岡新聞朝刊一面の著名人インタビュー記事『拓く2012』に登場されました。

 

 

 当ブログでも何度か紹介したこなみさん(こちらなど)とは雰囲気が変わっていて、ビックリされた方も多いと思います。樹木医というお仕事、そして数年前に経験された闘病生活等、いろいろな思いが重なって、ご自身のライフスタイルそのものが、よりシンプルにナチュラルにと変わっていかれ、いつからかまったくお化粧をされなくなり、1年ぐらい前からヘアカラーも止めてしまわれたのでした。

 もともとがお美しい方ですから、メイクやカラーなんて必要ないのでしょうが、マスコミ取材や講演会活動のときにもノーメイク・ノ―カラーを貫かれていて、この方はもはや、日本初の女性樹木医とか、フジの専門家云々という肩書きは不要で、「塚本こなみ」そのものが、ひとつの生き方のモデルになっているんだと実感しました。

 

 

 

 

 今は、各地のフラワーパークの指導の傍ら、浜松市の自家農園で畑作業に汗を流す毎日。朝採りの人参をお土産にいただき、次の日、さっそく皮付きのままレンジでチンして軽くバター炒めしたら、ものすごく甘みとコクがあって、これが本来の人参の味なんだ~と感激しました。年末に放送された『坂の上の雲』の秋山好古も、「単純明快であれ」と言っていたそうですが、シンプルに生きるって美しくて味わい深いなあと、こなみさんの人参に教えられた気がします。

 

 

 

 さて、グランシップの『すこやか長寿祭ふれあい交流会』は、実行委員のお一人である活き生きネットワークの杉本彰子さんからお声掛けをいただいたもの。彰子さんは、14時30分からの講演会の講師・石原
結實先生(医学博士・石原クリニック院長)からヘルスケアの指導を受けておられて、今回も先生の招聘に尽力されました。こなみさんも彰子さんの紹介で石原先生の指導を受けられています。

 石原先生ってテレビにもよく出演し、人参ジュースや生姜紅茶の効能を広めた方ですよね。講演会では、きみまろさん風の軽妙なトークで、中高年の聴衆を沸かせました。

 

 

 

 日本人は毎年、約114万人が亡くなっていて、その原因は、①ガン、②心臓疾患、③脳卒中、④肺病、⑤事故死、⑥老衰、⑦自殺、⑧腎不全、⑨肝硬変、⑩糖尿病―という順番だそうです。

 35年前と比較すると、ガン死亡者は13万人から35万人に増えました。この間、医師の数の倍増はしているんですが、ガン患者が減るどころか増える一方というのは、西洋医学は万能ではない証拠だと石原先生は強調します。

 

 

 食生活の変化によって、病気のタイプも変わってきています。昭和30年頃と比較すると、米の消費量は半分に減り、代わりに肉、卵、牛乳の摂取量が増えた。病気のタイプも欧米化してきて、今は大腸がん、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病が増えています。心筋梗塞で死ぬ人なんて、戦前はほとんどいなかったそうですね。脳卒中も昔は脳出血が多かったのに今は脳梗塞。糖尿病患者も戦前は20万人ぐらいだったのが、今はなんと2220万人!・・・やっぱり急激に動物性脂肪や動物性たんぱくを摂取し出したのが要因だと、素人でも想像できます。

 

 

 石原先生の長寿の秘訣は明快です。

①動物性脂肪を減らす。ラード、バター、ベーコン、マヨネーズ、肉はほどほどににして、魚や魚介類、植物性油中心の食事に切り替える。

②食物繊維を摂る。

③酒は5合ぐらいまでよし。善玉コレステロールを増やし、血栓を溶かす効果あり。

④40歳を過ぎると下半身の筋肉が衰えるので、筋肉運動を心掛ける。

 

 

 私的には、そりゃ~「酒は大いに飲め!」にビンビンきましたが(笑)、やっぱりなあと思うのは筋肉運動の重要性。筋肉を動かせば体温が上がり、体温が上がれば免疫力が上がるわけです。

 50年前の日本人の平均体温は36.89度だったそうで、私なら『微熱?』と思えるほどの高さです。昔の、自動車や電化製品のない時代は、そりゃあ一日中身体を動かして生活していましたよね。

 

 

 暮らしが豊かになり、絶対的運動量が減ってしまって、日本人の平均体温はどんどん下がった。代謝が悪くなり、免疫力が落ちて、ガンにかかりやすくなった。なんでも体温が1度下がると、代謝力が12%落ちるそうです。・・・平均体温は、午前3~5時に最も低く、午後3~5時に最も高くなり、平均体温を測るには午前10時が適時だそうですから、みなさんもぜひ自分の平均体温をチェックしてみてください。

 

 

 

 ガンのタイプで増えている大腸がんは、筋肉運動が何よりのケアだそうです。下半身の筋肉が増えて活発に機能すれば、食べてから便になるまでの時間が短くなり、便秘にもなりにくくなります。恥ずかしながら、私、日頃から座ったまま動かない生活をしているせいか、おならが多いのが悩みの種でした。・・・運動がなぜ大事なのか、極々シンプルな理由に、今さらながら、改めて肌身に感じました。

 

 

 こなみさんの生き方も、石原先生が提唱される健康法も、ロジックは本当にシンプルです。理屈や美辞麗句を捻り出さなければならないコピーライターとしては、いささかの自己矛盾を孕みながらも、「この文章の言わんとしていることは、単純明快だ」と評価されるような仕事をしたいな、と思います。


遅めの初詣

2012-01-08 10:46:12 | 歴史

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 昨日(7日)、ようやく今年の初詣に静岡浅間神社へ行きました。朝9時から、上川陽子さんの後援会が拝殿でご祈願をされるというので、それに便乗させてもらいました。拝殿内は床暖房になっていて、20分ちょっとの正座も快適でした

 

 

 参拝後は浅間神社会館で駿府木遣り保存会・北辰会の木遣りを拝聴しました。

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 駿府の木遣りって、駿府城下町の造成で石や材木を切り出す時に職人さんたちが唄った仕事唄=労作民謡なんですね。徳川家康公が気に入って江戸に紹介し、江戸でも一世風靡し、最後の将軍慶喜公が静岡へ蟄居したときに“里帰り”したとか。

 眼を閉じてじっくり聴くと、つややかで太く力強い歌声に、ジーンとしてしまいました。・・・昨夏に早稲田大学稲門グリークラブが大阪で披露した男声合唱「四つの仕事唄」を思い出しました(こちらを参照)。

 

 

 

 

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 終了後、浅間神社境内にある静岡市文化財資料館をのぞいて、開催中の『初春東海道旅のにぎわい~華ひらいた街道文化』を見学しました。

 朝鮮通信使が描かれた東海道図屏風(県文化財)がお目当てでしたが、江戸から京までの東海道の主要宿場町を大胆に簡略化した屏風絵で、朝鮮通信使も「清道」の旗があるからかろうじて解る程度で、ちょっと拍子抜け・・・。でもこういう屏風絵を眺めて、当時の人々は街道の旅の夢をふくらませたんでしょうね。江戸から京都まで、庶民がのんびり歩いて旅ができるなんて、世界では信じられないほど平和な国だったのだと改めて実感します。

 

見応えのある浮世絵もたくさん出展されていますので、ぜひご覧ください。2月12日(日)まで開催中です。

 

 

 

 

 昼前、中町の行きつけのカフェSCENEで遅めのモーニングセットをいただきました。ここはモーニングセット(ドリンク、卵料理+ソーセージ、サラダ、トースト、コーヒー)が昼過ぎまで頼めるので、軽いランチにも重宝します。厚切りトーストの厚さはビックリするほど!喫茶店でトースト食べた~って満足感満点です。

 関西出身のマスターとは、「今年は阪神どうかねえ~、地味な監督やね~」と相変わらずの野球談議です。阪神、ほんまに今年はどうやろ・・・

 

 


新春財テククイズ

2012-01-05 10:44:00 | ニュービジネス協議会

 今日は、昨年、取材したネタで、よくよく考えるとすごーく大事なのにブログで紹介するタイミングを逸したネタを。私が一番苦手で縁のない財テクのお話なんですが、年末年始のクイズ番組を観ていて、ハタと思い出しました。

 

 

 

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 (社)静岡県ニュービジネス協議会の西部部会長を務める原田道子さんは、浜松で税理士事務所と経営コンサルタント会社等を経営されていますが、私が知っている女性経営者の中でもグンを抜くクレバーな方。とにかく頭がよくて数字に強い、男性的な左脳派だと思っていたら、趣味の油絵はプロはだし。右脳の感性回路も常人以上なんです。

 そんな原田さんがニュービジネス協議会の定例会で、素人の私にも解るように、クイズ形式で財テク指南をしてくれました。

 

 

 まずはこんな身近な質問から。

 

 

 

 

 Q・今、いくら貯金があったら安心ですか? (病気やけがをした場合も想定して)

 

 あるアンケートでは「2000万円」という答えが最も多かったそうです。国の社会保障がアテにならない時代、自分の身は自分で守っていくしかないということでしょうか。しかし原田さんは冷静に問いかけます。

 

 

 

■サラリーマンが20~60歳まで40年間真面目に働いたとします。

■毎年50万円貯金したら、60歳で2000万円貯まります。

■30歳で結婚した時から貯めたとすれば、2000万円貯まるのは70歳になってしまいます。

・・・つまり、給料をけずっただけでは財産は築けないということ。個人も何かに投資して利益を得る手段を講じよ、というわけで、今回は不動産を例に解説していただきました。原田さんはこのコンサルによって、不動産会社や建設会社から“ノドから手が出るほど欲しい超優良営業ウーマン”と絶賛されているそうです。

 

 

 

 

 まずはとにかく「数字に強くなる」こと。原田さんはたたみかけるように質問します。

 

 Q・元金均等払いと元利均等払い、どっちがたくさん払う?

 

 

 Q・1億円を年2%で借りるとすると、10年後・20年後・30年後はそれぞれ元利合計でいくら払う?元金均等払いと元利均等払いではいくらの差がある?

 

 

 Q・利益が出るのはどちら? 資金繰りが楽なのはどちら?

 ■Aさんは1億円を借りて土地を5000万円で買い、建物を5000万円で建てた。家賃収入は1000万円。

 ■Bさんは自分の土地の上に1億借り入れて建物を建てた。家賃収入は1000万円。

 

 

 

 

 

 ・実例です。3500万円の物件を全額借金で購入。月額30万円の家賃収入あり。返済は15年。

 ■15年の表面利回りは?

 ■元金均等で合計いくら?

 ■手残りは?

 ■15年後もそのまま30万円で15年貸したら利益は?

 

 

 数字に自信のある方はぜひ計算してみてください。ちなみに最後の質問の最後の答えは「6930万円」で、これを3000万円で売却できれば「約1億円」の財産ゲットということになります。

 

 

 

 原田さんは、財産を築くのに大切なのは、

①数字に強くなれ!

 

②学ぶ時間の長さ

 

③情報

 

④時期・チャンス

 

⑤カン

 

⑥決断

 

⑦粘り強さ

 

 と説きます。財テクとは違うけど、自分の場合、仕事をする上で③から⑦ぐらいまでは多少の心得があるかなと思いましたが、肝心の、①と②がダメだな~と痛く実感しました。みなさんはいかがですか?

 

 

 

 

 

 最後に自己診断クイズを。

 

 Q・あなたはどちらの会社に応募するタイプ?

 

 ■A社の採用条件=①基本給20万円ただし無条件で10万円プラス。②基本給20万円ただしジャンケンに勝ったら20万円プラス、まけたらナシ。①と②どちらか選べます。

 ■B社の採用条件=①基本給40万円ただし無条件で10万円引く。②基本給40万円ただしジャンケンに買ったらそのまま。負けたら20万円引く。①と②どちらか選べます。

 

 

 

 

 各質問の回答は後日紹介します。ちなみに私の最後の質問の答えは「B社の②」。ギャンブラータイプなのかなあ

 

 


年始に想う

2012-01-04 16:28:28 | 日記・エッセイ・コラム

 2012年が本格始動しましたね。私は昨日3日から仕事を始めて、今週末〆切りの原稿執筆にまい進しています。・・・な~んて書き出すと、さも景気がよさそうな感じですが、たまたま〆切りが年始に当たっているだけで、レギュラー業務は年を追うごとに予算縮小で、イレギュラーのおいしい仕事もそうそうないし・・・。というか、当たり前ですが、今までと同じ感覚でやっていてもダメだなあと強く実感します。

 

 

 

 いただいた年賀状にも、同世代から、仕事を変えた、(やっと)結婚した、新規事業を始めた等などアグレッシブなメッセージがいくつかありました。今の時代、どんなことであれ、環境を変えるということはとても大きなエネルギーが要るでしょう。元気でパワフルな同世代~先輩世代のチャレンジには、本当に勇気づけられます。

 

 私のようなフリーランサーは、“保証”のない生活をしているので、つねに環境変化に晒されているように見えますが、目の前のちっちゃな変化に追われ、右往左往する状態にいつの間にか慣れてしまって、大きな変化を見据えて対応する大きな決断ができなくなっています。イカンですねえ、これでは。

 

 

 

 

 

 日々の出来事に丁寧かつ細やかに対応しつつも、ちゃんと芯の通ったスタイルを持つ勁さが欲しい・・・そんなことをつらつら思う年始です。

 

 

 

 

 


あけましておめでとうございます

2012-01-01 12:15:40 | 日記・エッセイ・コラム

 2012年がスタートしました。静岡市の元日の天気は曇りの予報でしたが、毎朝、静岡浅間神社でラジオ体操をしている父から「初日の出が見えるぞ~」と電話がありました。・・・といっても熟睡していたので家族は誰も電話に気づかず(笑)。

 

 

 とりあえず、おだやかな新年の幕開け。私は大みそかから、BSでなでしこJAPANのW杯~五輪アジア予選全試合に改めてくぎ付け。試合結果はわかっているのに、興奮しちゃうんですよねえ・・・。今は全日本選手権決勝を観ながら書いています。顔に黒アザを作ったり、頭を切って包帯をぐるぐる巻きにしてもピッチを疾走する彼女たちに、本当に元気をもらっています!

 

 

 以下は、某社社長さんに毎年頼まれて作成している年賀状コピーです。いつもその年の最後のコピーワークで、自分の年賀状作成よりも力が入ります(笑)。本年も『杯が乾くまで』をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

さきはひの年に<o:p></o:p>

 

 

「幸い」という言葉は、古くは「さきはひ」と書きました。「さき」と「はひ」がひとつになった言葉です。<o:p></o:p>

 

「さき」は、花が咲くの「さく」の名詞形。<o:p></o:p>

 

「はひ」は、ある状態が長く続くこと。「けはひ(気配)」「あじはひ(味わい)」といった使い方もします。<o:p></o:p>

 

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つまり、「さきはい」は、花が咲き続けるということ。いにしえの日本人は、きわめて具体的に表現していたんですね。幸せのかたちを。<o:p></o:p>

 

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現代に生きる私たちは、<o:p></o:p>

 

幸せって何?と訊かれても、抽象的な受け答えしかできませんが、<o:p></o:p>

 

昨年の震災で不幸のかたちをはっきり経験したことで、<o:p></o:p>

 

少しは変わったような気がします。<o:p></o:p>

 

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改まった年、まずはひとつ、どんな小さなことでもひとつ、<o:p></o:p>

 

幸せだと思えることを始めてみませんか?<o:p></o:p>

 

窓辺の鉢の花でも咲かせるように・・・。<o:p></o:p>

 

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