杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

2011年9月の地酒イベント情報

2011-08-20 09:45:17 | 地酒

 前回、9月10~11日の地酒サロンについてご案内しましたが、9月は毎週末に地酒イベントが予定されています。興味のある方は都合のつく日にぜひご参加を!

 

 

日比野ノゾミ展「光と影の間」

■日時 8月26日(金)~9月4日(日)

■会場 シェアオフィス・ボタニカ 403号 SND lab

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 当ブログでもお馴染み・陶芸家日比野ノゾミさんの静岡市内での個展です。会場はこちらの記事でも紹介した話題のシェアオフィス・ボタニカ。同じ記事で紹介したスノドカフェ(清水区)のオーナー柚木さんが、偶然にもここにギャラリーオフィスを新設されたのでした。

 私がボタニカやスノドカフェを取材したのはまったくの偶然で、ノゾミさんがここで個展を開くのも偶然。・・・こうなると、偶然じゃなくて必然ですね。

 

◎日比野ノゾミさんを囲む会/9月3日(土)19時30分~21時30分/会費2500円(飲食代込み)/問合せ SND lab  info@sndcafe.net

 ノゾミさんの陶器とご主人日比野哲さん(『若竹』大村屋酒造場副杜氏)の酒を味わう素敵なクロージングパーティーです。私スズキが、『若竹』以外に選りすぐりの静岡の銘酒をご用意し、酒宴を盛り上げます!

 

 

 

 

第37回蔵元を囲むしのだ日本酒の会

■日時 9月18日(日) 17時30分~19時30分

■会場 清水マリンビル(港湾会館清水日の出センター)

■会費 8000円

■チケット販売先=篠田酒店本店、ドリームプラザ店、河良(清水区)、湧登(駿河区)、日本料理・新(葵区)、みなかみ(葵区)、MANDO(葵区)

 ■問合せ 篠田酒店 TEL 054-352-5047

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 篠田酒店恒例の日本酒の会。県内外の実力蔵元が集結し、飲みごろの銘酒をたっぷり紹介してくれます。昨年に引き続き、今年も清水港のマリンビルで盛大に開かれます。人気イベントにつき、チケットは残りわずか(販売は8月31日まで。ただし売り切れ次第終了)。お早めにどうぞ。


しずおか地酒サロン9月参加者募集

2011-08-18 09:59:16 | しずおか地酒研究会

 静岡市内はお盆を過ぎても36℃を超える猛暑続きでウンザリです。日本酒が美味い季節が待ち遠しいですね~

・・・ということで、先日予告した9月10~11日のしずおか地酒サロンについて、詳細が固まりましたので、あらためてお知らせします。

 

 

 

第38回しずおか地酒サロン・日本酒市民講座共同企画~酒米&酒蔵探求ツアーIN静岡

 

■9月10日(土) 
13時 JR袋井駅集合。タクシー相乗りで静岡県農業技術研究所三ケ野圃場訪問。静岡県の酒米『誉富士』ほかさまざまな米の試験栽培状況を見学。酒米担当の研究員・外山祐介さんに解説していただきます。見学終了後、JRで静岡へ移動。17時30分~21時まで『静岡deはしご酒』に参加します。

 静岡deはしご酒 ・・・静岡市街の6店舗=湧登(静岡駅南銀座)、MANDO(呉服町)、華音(呉服町)、狸の穴(七間町)、のっち(七間町)、たがた(常磐町)で開催。各店1000円で特別出品の地酒1杯と特製おつまみ1品が味わえます。各店には静岡県の蔵元が1人ずつ待機し、みなさまをお出迎え。直接交流をお楽しみください。

*参加予定蔵元=白隠正宗、臥龍梅、磯自慢、杉錦、志太泉、小夜衣

 

 

■9月11日(日) 
9時30分 JR由比駅集合。10時より『正雪』神沢川酒造場(静岡市清水区由比)の蔵見学。終了次第、蒲原の『よし川』 で昼食・交流会。自由解散。

 

*10日・11日どちらかの参加でもOKです。

 

■講 師 松崎晴雄氏(日本酒研究家・日本酒輸出協会理事長)、外山祐介氏(静岡県農業技術研究所作物科研究員)、望月正隆氏(『正雪』神沢川酒造場社長)

 

■会 費 9月10日は交通費(袋井までの往復交通費・圃場までのタクシー割り勘代)、はしご酒参加費(1店につき1000円)は各自実費でお願いします。9月11日は昼食交流会参加費3000円

 

■持ち物 9月10日参加者は、圃場見学の際、帽子、タオル、飲物を持参の上、歩きやすい靴でお越しください。

 

■締切り 9月3日 (訪問先の受け入れ人数に限りがあり、東京の参加者を優先しますので、なるべくお早めにお申みください)。

 

■申 込 しずおか地酒研究会(鈴木真弓)
  msj@quartz.ocn.ne.jp


柿島養鱒の川魚

2011-08-16 10:30:56 | 社会・経済

 昨日(15日)は富士宮と伊豆で川魚の養殖業を営む柿島養鱒さんを、友人の雑誌編集者と訪問しました。

 案内してくれたのは柿島養鱒2代目の岩本いづみさん。2年前に静岡県商工会連合会の仕事でうかがって以来のおつきあいで、3人の男の子を育てながら会社を切り盛りし、函南町、伊豆市(旧中伊豆町)、富士宮市の3か所の養殖池を管理するスーパーウーマンです。

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 午前中にうかがった富士宮の猪ノ頭にある養殖池は、こんな素晴らしい滝からバナジウムいっぱいの富士の雪解け水が流れ込んでいます。まさに隠れた名水スポットですね。

 

 

 HPをご覧になればお判りの通り、岩本さんは、徹底した餌へのこだわり&水質管理で、養殖川魚のイメージを一新させ、日本が培ってきた養殖技術の向上と継承に日々努力されています。

 

 東日本大震災は被災地の水産業を直撃し、養殖業も大打撃を受け、大手水産会社が撤退するなど地域経済にも暗い影を落としているようです。一刻も早い被災地の復興を願うばかりですが、一方で、柿島養鱒のような小規模ながら地道に品質向上に努めてきた地方の業者が、養殖業を支える存在としてにわかにクローズアップされているのも事実。P1000007
 現在、養殖池はフル稼働状態で、餌にこだわる同社の企業姿勢が海外の飼料トップメーカーの眼にもとまり、びっくりするようなビッグネーム企業から引き合いがあるそうです。

 

 

 

 我が子の子育てと同じように、母の目線で魚の成長を見守り、無理に太らせたり人工着色させるようなことはしないという岩本さん。旧体質の養殖業で岩本さんがその姿勢を貫くには、山あり谷あり・・・のようですが、今は、“見た目が整い過ぎた野菜”や“色が鮮やか過ぎる肉・魚”に誤魔化されない消費者も増えています。岩本さんが目指す方向性は決して間違っていないと思います。同性として大いにエールを送りたいですね

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 お昼は松木一浩さんのお店・ビオスでランチコースをいただきました。ご存知の通り、地産地消に徹した素晴らしいメニュー構成。中でも柿島養鱒のニジマスのポワレを、モロヘイヤ・ヒラタケ・アサリのナージュと一緒に味わったときは、ワインもいいんだけど、やっぱり無性に日本酒が飲みたくなりました(苦笑)。

 

 

 

 

 午後は伊P1000011豆市(旧中伊豆町)の地蔵堂川沿いにある岩魚の養殖池を見学しました。名水パワースポットで知られる萬城の滝の下流にあり、品質日本一の折り紙つきで知られる中伊豆わさびの産地でもあります。

 

 森が水を守り、水が魚を育て、魚の飼料となる穀物は土が育て、土は森を支える・・・川魚を育てるという仕事が、得難い循環型産業であることを再確認できた日帰り旅でした。


真夏の京都大阪行脚その5~文楽『心中宵庚申』鑑賞

2011-08-14 09:17:34 | アート・文化

 8月7日(日)は大阪シンフォニーホールの『東西4大学OB合唱連盟演奏会』の後、ミナミに移動し、国立文楽劇場で近松の『心中宵庚申』を鑑賞しました。大阪で文楽を観るのは3~4年ぶりかな。ひところよりも若い人や外国人客が増えた感じ。見た目は“人形劇”でも、内容は歴史ハードボイルドや昼メロ顔負けの男女のドロドロ劇というミスマImgp4736
ッチ感を、どんなふうに彼らは感じるんだろうと想像しました。

 

 

 『心中宵庚申』も男女の心中劇ですが、相思相愛の夫婦が心中する変わったお話です。・・・といっても嫁姑や婿舅の関係でやるせない思いをしている人にとっては身につまされるお話で、現代人が観ても辛~くなること請け合いです。

 

 

 ストーリーは、

●三河浜松の武家出身の半兵衛が大坂の八百屋へ養子に入り、お千代というバツ2女性を妻に迎えるんですが、八百屋の女主人(半兵衛の養母)はお千代が気に入らない。

●半兵衛が浜松に法事で帰省している間に、難癖をつけてお千代を実家に帰してしまいます。お千代の実家には病気の父がいて、男運のない娘が不憫でならない。

●そんなときに浜松から大坂へ帰る途中の半兵衛が手土産を持ってお千代の実家に立ち寄る。妻が帰された事情を知らなかった半兵衛は舅から厳しく詰問され、切腹覚悟で「養母がなんと言おうとお千代を守る」と宣言し、舅も「灰になっても戻るな」と二人を大坂へ送り出す。

●半兵衛がとりあえず養母の様子を探ろうと一人で帰宅してみると、養母はお千代連れで大坂へ戻ってきたことを察して「お前が追い返さなければ私は自害する」と脅します。

●養子の身で逆らえない半兵衛は、お千代の父にも顔向けが出来ず、思い悩んだ挙句、お千代に離縁状を渡した後で心中する道を選ぶ、というもの。

 

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 こんなお話が人形劇で演じられるんですから、文楽ってスゴイ・・・。ほとんどが実話をベースにしたお話なんですよね。

 

 事前に一応ストーリーの大筋は予習しておいたんですが、実際に太夫の語りと三味線の相打ちによって進行するドラマは、単独の朗読劇としても価値あるもの。文楽ってついつい人形の動きに目が行きがちですが、改めて太夫の語りというものがドラマに抑揚を付け、感情を盛り上げてくれることを実感しました。

 

 音譜なし・太夫の語りに絶妙の相打ちを入れる三味線奏者のスキルも凄いと思いました。太夫の語りは現代口語と違い、ちょっと耳になじまない義太夫節ですが、舞台の頭上に字幕の電光掲示板が付いているので大丈夫です。外国人向けに英訳表示があってもいいですね。

 

 そして人形遣いの見事さ。人形1体につき3人の遣い手がいるので、登場人物が3人いれば、9人もの人間がひしめきあって人形操作をするわけです。ところが遣い手の存在がまったく気にならず、表情が変わらないはずの人形の顔が、泣いたり怒ったり絶望したように見えるのが本当に不思議です。

 

 江戸時代、文楽でヒットした演目が、歌舞伎にそのまま採用され、次第に江戸歌舞伎のほうが盛りあがって上方の文楽興行は苦境に立たされたそうですが、書き手の創作意欲は衰えず、名作が次々に生まれました。歌舞伎のように役者の人気や実力によって同じ演目でもいろいろ見方が変わってくるのと違い、人形が演じる文楽は、その物語の世界観をシンプルに、じっくり、深く堪能できるような気がします。逆にいえば、「太夫」「三味線」「人形」という3つの要素しか表現方法がない・・・その制約があるがゆえに、磨き切ったパフォーマンスが発揮されるのかもしれません。

 文楽は伝統芸能の中では比較的、“敷居の低い”ほうだと思います。ネットで簡単にチケット予約・購入ができますので、未見の方はぜひ!

 

 

 

 国立文楽劇場を出て、梅田を22時発の夜行バスで帰路に付きました。2日間、行き当たりばったりの旅でしたが、アート、酒、スポーツ、音楽、伝統芸能をフルコースで楽しめた贅沢な夏休みとなりました。

 


真夏の京都大阪行脚その4~早稲田グリークラブOBの酒造り唄

2011-08-12 09:53:30 | 地酒

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 8月7日(日)の昼前に大阪へ戻って、リニューアルした大阪駅周辺をブラ歩きしました。西日本最大の駅ビルに生まれ変わった大阪ステーションシティ。大丸や三越伊勢丹や東急ハンズが入って、「ここはホントに大阪?」って感じ。

 

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 プラットホームが上から眺められる
のは楽しいけど、なんだかどこにでもあるオシャレな再開発ビルって感じで、“大阪らしさ”が足りないような気がしました。 

 お昼は私が好きな阪神百貨店地下食品館のフードコートでお好み焼きを食べました。阪神だけでも、どうか“らしさ”を失わないでほしいなあ。

 

 

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 JR大阪環状線でひと駅、「福島」で降りて、今回の旅の主目的であるザ・シンフォニーホールの『東西4大学OB合唱連盟演奏会』を14時から鑑賞しました。

 

 

 

 

 こちらの記事で紹介したとおり、早稲田大学グリークラブ(男声合唱団)OBのみなさんが、この演奏会で酒造り唄を歌うため、酒造映像をぜひ観たいと指揮者の佐藤拓さんが『吟醸王国しずおか』HPにコンタクトしてくださったのがきっかけ。グリークラブのことをよく知らなかった私は、趣味でコーラス活動している早稲田OBのみなさんの余暇サークルの一環かと思い、軽~い気持ちで「みなさんの合唱、聴いてみたいですぅ」とお返事したところ、早い段階でソールドアウト状態だったチケットをなんとか1枚確保してくださったのでした。

 

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 「大阪シンフォニーホールがソールドアウトになるなんて・・・」とビックリして、よくよく調べたら、グリークラブって100年以上の歴史のある名物クラブなんですね。OBにはボニ―ジャックスもいます。

 早稲田OBの青島孝さん(青島酒造)に「聴いたことある?」と訊ねたら、「何言ってるの、早稲田の新入生は全員、登校初日にグリークラブの合唱で迎えられるんだよ」と教えられました。・・・創部100余年で、OB総数は1500人を超え、在学中のグリークラブ部員も100人いるそうです。

 

 

 

 ちなみに東西4大学というのは早稲田、慶応、関西学院、同志社のことで、慶応ワグレルソサィエティは1901年(明治34)の創部、関学グリークラブは1899年(明治32)創部、同志社グリークラブも1904年創部。この4大学の合同演奏会は2年に1度、東京と関西で交替に開かれ、今年で18回目。・・・OBの総数を考えたら、「そりゃ、シンフォニーホールがソールドアウトになるのも無理ないわ」とビックリです。いやぁ、まったく未知の世界でした。

 

 

 

 

 オープニングは出演者総勢400人ほどが壇上に勢ぞろいし、各大学の校歌を順番に歌います(『東西4大学OB合唱連盟演奏会』サイトで聴けます)。

 そして、今回出演の早稲田グリークラブOBチームのひとつ「稲門グリークラブ」のみなさん60人の合唱でスタート。歌うのは『男声合唱のための四つの仕事唄』です。

 

 

 仕事唄とは労作民謡ともいい、お百姓さん、炭鉱夫さん、漁師さん、大工さんといった職人さんたちが仕事をしながら歌う民謡のことです。私が知る酒造り唄もそうだったように、過酷な労働を共有する仲間意識の向上とともに、時計のない時代は作業の経過時間をはかる目安にもなっていました。

 

 

 今回披露された合唱曲は、労作民謡をよく知る作曲家・小出清茂(1914~2009)が合唱のために作・編曲したもので、『囃し田(田植え唄』『石切り唄(石切り作業の唄)』『胴憑き唄(土台固めの唄)』『酒屋唄(南部杜氏酒造り唄)』の4曲から成り立っています。

 

 指揮者である佐藤拓さんが南部杜氏の法被をまとい、いきなり酒造り唄を独唱しながらステージに登場し、そのあとに続くように合唱団員のみなさんが次々に現れ、見事なハーモニーを連携させます。パンフレットによると、佐藤さんは岩手県ご出身のプロの声楽家&演奏家。早稲田を平成15年卒業とありましたから、まだお若いんですね(いつもメールのやりとりだけだったので、ご本人をナマで拝見するのは初めてでした)。

 

 

 

 『囃し田唄』は中国地方山間部(広島県東部)の田植え唄をベースに、早乙女たちが囃しと音頭取りの唄にあわせながら軽快に苗を植える姿を唄います。『石切唄』は瀬戸内海の小豆島に伝わる石の切り出し作業の唄で、大きな金槌で石にノミを打ち付ける様子をパフォーマンスで見せながら力強く唄い上げます。

 『胴憑き唄』は家を建てるときの土台作りで、大きな丸太を縄で吊るし上げ、勢いよく落としながら地盤を固める作業の唄。作者の小出さんが自身の記憶をもとに書き上げたオリジナル曲だそうです。“ヨイトマケ(よく巻け)”の掛け声がカッコよくて、これぞ男声合唱の醍醐味!って感じでした。

 

 

 そして『酒屋唄』。南部杜氏酒造り唄の中でも私が一番好きな「♪今朝の寒さに洗い番はどなたよ 可愛い男の声がするよ~」の米洗いの唄が披露され、目頭がジーンと熱くなりました。

 

 

 たぶん、実際の現場では合唱のように集団で勇ましく唄うということはなかったと思いますが、美しい合唱で聴くと、地味な職人作業が、なんとも尊く、神々しいものに思えてきます。

 米洗いというのは酒造りの工程の第一歩で、昔は下っ端の見習いの基礎仕事だったようです。厳しい冬の早朝、冷たい水と米を踏桶に入れ、素足で爪を立てて研ぐ―なんとも原始的で過酷な作業ですが、米洗いをきちんとやらないと、いい蒸米ができないし、いい麹が出来ないし、いいもろみが育たない。・・・職人修業の第一歩であり、その厳しさを体に叩き込むのにふさわしい作業だったと思います。

 

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 私はこの唄のことを1997年から98年の1年間、毎日新聞静岡版で連載した『しずおか酒と人』の中で取り上げました。『若竹』『おんな泣かせ』の蔵元・大村屋酒造場の蔵元と南部杜氏の絆について、イラスト付きで紹介し、以来、米洗い唄のことを教えてくれた今は亡き大村屋酒造場の松永始郎会長のことを、唄とセットで懐かしんできました(記事はこちらを参照してください)。

 

 

 

 岩手県も含めた東日本が未曾有の震災に見舞われた今年、岩手県出身の音楽家が創部104年という歴史ある合唱クラブを率いて、この唄を高らかに力強く合唱したことは、私にとってもこの唄をよりいちだんと深く、心の深層に刻ませてくれました。天国の松永会長をはじめ、この唄を現場で唄い繋いだ酒造り職人たちの心にも届いたかのような、見事な合唱でした。

 

 

 

 見事といえば、最後のアンコール曲で、4大学全員が合唱した「You'll never walk alone」。これ、サッカーUEFAチャンピオンズリーグの試合で7万人の観客が東日本大震災の被災者にエールを送ろうと歌った歌ですよね、You tubeで観ました。もともとはアメリカのミュージカル『回転木馬』の劇中歌で、イギリスリバプールFCのサポーターが応援歌として愛唱しているそうです。

 

 

 ~♪人生の嵐の中を進む時、どうかハッキリ頭を上げて。暗闇を恐れないで。嵐がすぎ去れば黄金の空に、ひばりの優しいさえずりが聞こえるでしょう・・・なぜならあなたは一人ぼっちじゃないから。一人で歩いているわけじゃないから・・・♪~(福永陽一郎・訳の一部より)

 

 この歌を最後のアンコールに持ってくるなんて、さすがです。グリークラブOBのみなさま、素晴らしい演奏をありがとうございました!

 

 ・・・それにしても合唱っていいなあ~としみじみ惚れ惚れしました。大声を出すこと自体、健康的だし、一人で歌うのは抵抗あっても大勢でちゃんとした目的を持って歌うなら立派な文化活動になりますよね。

 しずおか地酒研究会でも合唱団を作って酒造り唄を唄い継ぐってどうでしょうか?