昨日(5日)は広報を担当している(社)静岡県ニュービジネス協議会主催の『2008静岡県ニュービジネスフォーラムin沼津』の密着取材で、丸一日、ブケ東海沼津に詰めていました。
いつもはハード系の新製品開発や情報通信関連の展示紹介が多いのですが、今回はテーマが“健康とビジネス”。展示会場には、健康診断装置、ダイエット下着、肩こり腰痛用遠赤外線パット、携帯酸素バッグ、伊豆地区で販売中の30種のミネラルウォーター、粉末茶、スローフード紹介、マッサージコーナー、ネイルコーナー、手相コーナーなど、誰もが身近で関心を持つ参加型ブースが30社ならび、1日で終わっちゃうのがもったいない!と思うぐらい面白かったです。
よく、デパートの催事場とか、ショッピングセンターのちょっとしたスペースなんかで、主婦や高齢者さんを集めてやってますよね、健康グッズや機器の体験コーナー。私も時々、あ~体験してみたぁい!と思うのですが、おばあちゃまたちと一緒に列に並ぶのが、どうにも照れくさくて、後ろ髪ひかれながら見て見ぬふりをしています。
でも昨日は、ブケ東海の宴会フロアを貸し切り、体験し放題! 創業まもない企業や趣味の延長のような個人事業者から、名の通った企業まで、玉石混合ではありましたが、協議会の会員がきちんとリサーチしてきた業者さんで、本業で安定経営している社長さんが自分の家族や社員の健康を考えて新規ビジネスに取り組んだという例もあったりして、事業の背景がきちんとわかり、安心して思う存分楽しめました。
大津屋物産という菓子類卸業の社長さんがニュービジネスとして取り組んでいる健康事業紹介では、指先を当てるだけで血の巡りの状態がわかり、運動不足度が数字で出てくるという「加速度脈波測定器」が、メタボ年代の協議会会員に大人気。ブース人気投票でも見事第1位!を獲得しました。
私は加速度脈波年齢がなんと61歳!! 恥ずかしい~!!!末梢血液循環が不十分なので、週2~3回は20分以上のウォーキングと、毎朝、仰向けに寝た状態で手足を上に伸ばし、1~2分微動させる「毛管運動」をしなさいと言われました。これからの季節、手足の冷えが気になる人は、血の巡りをよくするためにもぜひおススメとのことです。
大工さんが木材を測って切るときに欠かせない職人道具「墨つぼ」を進化させ、建材工具の開発メーカーとして成功した株式会社ミロクは、森林環境保全にも関心を持ち、伊豆・富士地域の名水を集めたミネラルウォーター製造販売に取り組んでいます。
同社が展開する富士・箱根・伊豆国立公園プレミアム天然水シリーズは、
『伊豆の天然水29(硬度29の超軟水)』
『箱根山の天然水51(炭酸水素イオン含有量51mg)』
『修善寺の温泉水76(メタケイ酸含有量76.2mg)』
『富士山のバナジウム水130(バナジウム含有量130μg/L)』
の4種類。ネーミングもパッケージもシンプルながらセンスがいい!ですね。
ちなみに酒飲みの口に合うのは、超軟水の『伊豆の天然水29』。蔵元さんでいただく湧水の仕込み水に近い味わいでした。
メディカルエステ茶論のコーナーでは、眉メイクの指導と、ハーブボール(ハーブを詰めた温かいボール)マッサージが体験できました。ホントは肌に直接当てることでハーブの効能が肌に染み込んでイイそうですが、裸になるわけにいかなかったので、服の上からのミニ体験。それでも凝り固まった頭の付け根、首、肩がじんわりほぐれて、束の間の至福でした。
茶論のオーナー杉山光江さんは、協議会の経営勉強会や海外視察などにも積極的に参加され、女性会員の中でも参加率の高い、とっても勉強熱心な方。どうしても男性主導でカタイ雰囲気になりがちな経営者 の集まりで、分野の異なる事業の話であっても、必ずヒントがあるはずだと、つねに学ぶ気持ちを持ち続けています。つねに学ぶという姿勢を、年上のキャリアある方が示す場にいられるからこそ、異業種交流会というのは参加しがいがあるんだと実感します。
フォーラム会場では、静岡県ニュービジネス大賞の発表・表彰と、温泉セラピストで知られる杉本錬堂さんの講演会が行われました。この時間だけは会員以外の、ご近所のおばちゃまや健康オタクのような一般参加者がドッと増えて、「顔つきをみれば健康状態がわかる」という杉本さんの実演を交えた楽しいトークに聞き 入っていました。
酒飲みのみなさま、眉間にシワがあると肝機能が低下し、眉間が赤いと肝炎のシグナル、膨れていると肝臓肥大の危険大だそうです。飲み過ぎた翌朝、眼の下がむくむ人は腎臓機能低下の証拠だそうですから、水をたっぷり飲みましょう。
今年の静岡県ニュービジネス大賞は以下の3社。
静岡油化工業㈱(静岡市)は、豆腐のおからを原料にバイオエタノールを開発。副産物(醗酵残差)は肥料化するなどリサイクル・リユースで画期的な開発に成功しました。
BioROIS㈱(三島市)は、国立遺伝子研究所のスタッフが独立起業した会社で、研究用遺伝子のサンプルを運搬保存するカードを開発。遺伝子サンプルというのは持ち運びがとても大変で、凍結ドライアイスが不可欠。保存もマイナス80℃の保冷庫が必要でスペースをとられますが、カード化することで世界各国へ簡易に輸送できるように。遺伝子研究への貢献度ははかりしれないとのことです。
やまと興業㈱(浜松市)は、輸送用機械製造メーカーとして知られますが、本業で培った超硬合金技術を食品分野に応用し、超微分末茶を開発。アレルギーに効果が期待されるべにふうきの超微粒子粉末茶や、これを含浸させたべにふうきマスクを開発しました。
環境、健康長寿、医療という、日本が世界に先駆けてイニシアティブがとれる分野での企業活動が評価されました。日本はそう、世界に誇る健康長寿国なんですよね。日本人が食べるもの、飲むもの、日頃の生活習慣…欧米化によってさまざまな問題が起こる中、最先端の起業家たちは、製造業で培った持ち前のテクノロジーを融合させ、日本の健康長寿の伝統に新たな光を当てようとしています。杉本さんも講演の中で、「伊豆の観光は、健康や癒しをテーマにしなければ生き残れない」と明言していました。
この分野でのハードとソフトが、うまくかみ合うと、ホント、面白い地域になりますね、静岡って。