ゆうべ(12日)は『吟醸王国しずおか』予告版の編集作業が大詰めを迎え、出演者の一人である青島酒造の青島孝さんをオフィスゾラ静岡へ招いて、一足先に試写してもらいました。
当事者に見てもらうのはもちろん初めて、ゾラ以外の関係者に見せるのも初めて。昨年5月の『朝鮮通信使』完成披露上映会以来のド緊張・・・。あのとき、上映直後、会場で真っ先に「100年残る仕事をしたね」と褒めてくれたのが青島さんでした。関係者や研究家でもない一般の観客である彼から、そういう感想がもらえたのは、作り手冥利に尽きる出来事でした。
今回は、本人が出演する映像ですから、見方はまったく違うと思いますが、彼なら余計な説明や解釈なしに、作品が伝えようとすることを受け止めてくれると信じていました。大吟醸の仕込み全工程を試し撮影させてほしいという難しい要望を最初に受け入れ、このプロジェクトの開始スイッチを押してくれたのも青島さん。最初に試写してもらうのはこの人、と決めていました。
細かな感想は、彼の出演者としての立場、蔵元としての立場もいろいろあるので、ここでは控えるとして、編集ルームを後にするとき「この作品は、蔵元が真剣にかかわり、応援すべきもの」とひと言。このプロジェクトを静観している蔵元の何人かに直接声をかけてみる、と言ってくれました。「もっと見たいよ、30分なんて短すぎる」・・・私にとっては何よりの褒め言葉に聞こえました。
夜、帰宅したら、しずおか地酒研究会の会員で、静岡県立農林大学校に勤める岩澤敏幸さんから、7月に農林大学校で開いた『朝鮮通信使』上映会の感想レポートが届いていました。岩澤さんのメールには「残念ながら学生の半分ぐらいは寝てました…」とありましたが、6月のツヒノスミカ凱旋上映会で併映したときも周囲は居眠りおばさんばかりでしたから、学生たちを責められません(苦笑)。
それでも、こういう感想を書いてくれた若い人たちがいると知って、本当に心強く思います。岩澤さん、農林大学校のみなさん、本当にありがとうございました。できたらもう1回見直してみると、歴史の面白さがジワジワわかると思うよ! 社会に出て、異文化と触れる機会があるとき、日本の、静岡の過去のこんな異文化体験のことを知っておくと、きっとコミュニケーションの役に立つと思うよ!
◆静岡県立農林大学校の学生による『朝鮮通信使』の感想 (鑑賞者77名)
(1)面白かった。興味深く観れた。勉強になった 34名
(2)内容が難しく、よく判らなかった。朝鮮通信使という言葉を初めて聞いた 29名
(3)つまらなかった。 2名
(4)無回答 12名
◆主な感想
・内容は難しかったが、楽しく観れた。
・朝鮮通信使という言葉を初めて聞いたし、内容も全くわからず難しく感じた。
・朝鮮と静岡が江戸時代はあんなに親しかったことに驚かされた。
・静岡県と朝鮮との関係を知るよい機会になった。
・小学校~高校で習う歴史は表面的なものだなと感じた。
・歴史が好きなので、知らないことを知ることができて良かった。
・一度壊した関係を修復するのは難しいと感じた。
・家康が好きなので興味深く観れた。
・静けさといい、沈黙といい、歴史っぽい編集と演出の仕方だなと思った。
・眠くなる朗読だった。
・家康に、朝鮮と日本は200年以上も平和に過ごしていたと伝えてあげたい。
・江戸時代には他国との交流をするのが大変だったと思う。
・林隆三氏は迫力があった。
・昔の富士山は素敵だったようだ。今は汚れてしまった感がある。
・博学になった気分だった。
・日本人には日本の酒があい、朝鮮人には朝鮮の酒があうという話には納得した。
・それぞれの国の文化や習慣をお互いに理解する事は、現在にも通ずるものと思います。
・過去に日本が朝鮮に行った行為が、拉致問題になったのではないかと思った。
・昔を思い出し、韓国・北朝鮮と仲良しやってほしい。